まず著作物使用料についてですが、日本音楽著作権協会の規定によりますと次のとおりになります。
○基本使用料
1曲に付き、その曲の収録時間が1分までごとに800円。(1分未満切り上げ)
例)収録時間が3分30秒の場合、800円×4分=3,200円
※曲によっては、権利者の指定した額(指し値)になることがあります
○複製使用料
・複製個数が50個以下の場合
1曲に付き、収録時間1分までごとに500円。(1分未満切り上げ)
・複製個数が50個を超える場合
50個までは上記の"1分までごとに500円"が適用。
51個以上の分について、1個につき1分までごとに7円。
例)3分30秒の曲を71個制作する場合:
500円×4分=2,000円 (50個までの分)
7円×4分×20個=560円 (51個以上の分)
2,000円+560円=2,560円 (合計金額(支払うべき複製使用料))
以上の基本使用料と複製使用料の合計を支払うことになります。
複数の曲を使用される場合には、それぞれの曲についてその都度計算されますのでご注意ください。
さて、実際に卒業ビデオ(ビデオグラム)にCDシングルなどから収録した曲を使う場合には、JASRACへの申請とともに別途CD製作者(レコード会社など)の許諾が必要です。これは"著作隣接権"と言いまして、自分が著作権を持っている物の複製については、著作権者が独占的に管理できる、というものです。従って、JASRACなどの管理団体が複製についての許可を出すことは出来ず、著作権の権利者(レコード会社など)に直接許諾を求めることになります。
まず間違いなく市販されているCDから曲を収録されるのでしょうから、まずはそのCDを出版しているレコード会社にお尋ねください。
非営利目的の卒業ビデオへの使用であれば、まず問題ないと思います。
著作権の権利者からの許諾が受けられましたら、JASRACに申請を行ってください。
申請に必要な書類はJASRACのサイトから取り寄せ可能です。
[JASRAC | お申込み書類の郵送サービス]
http://www.jasrac.or.jp/jhp/webform/apply.html
書類を提出しましたら、次は"前受使用料"を支払います。
これは、すでに計算した基本使用料と複製使用料のことです。
"前受"となっているのは、著作物や複製状況などによっては後ほど追加清算がある、ということです。(必ずあるとは限りませんが)
その後、許諾番号・許諾証紙が交付され、それをビデオのケースなどに貼り付け、手続きが完了します。追加清算が必要な場合はこの後清算書が届きますので、その清算が済み次第完了となります。
[JASRAC | ビデオなど映像ソフトの製作]
http://www.jasrac.or.jp/info/create/video.html
[使用料規定 | 第8節 ビデオグラム]※下記URLより選択してください(PDFファイル)
http://www.jasrac.or.jp/profile/covenant/
以上、少々複雑でしたがご理解いただけましたでしょうか。
手続きの途中などでも何か分からないことがありましたら、再度ご質問ください。
それでは(^-^)
(りく)