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脱線事故:手前の駅でのオーバーランの原因
この度、1年ほど前の福知山線の脱線事故について、英語でプレゼンをすることになりました。 そこで、今疑問が出ているのですが、問題の列車が手前の駅でオーバーランをしています。これの原因をご存知でしたら教えてください。 前の駅でもともと何らかの理由で遅れが生じていて、それを巻き返そうと速度をあげて、停車位置を間違えたのか。 それとも単純に停車位置を間違えたのか。 いろいろ考えてみたのですが。真実を知りたいです。 参考資料がありましたら、それも掲載していただけると幸いです。 お願いします。教えてください。
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質問者さま こんにちは 脱線に至る手前の駅でのオーバーランですが、現在二つの条件が重なっているといわれております。 一つ目は運転士が未熟だったこと。 電車は車と違ってなかなか止まれないということは既に♯1さんが仰っていますが、運転士は遅れを取り戻そうとして、脱線する手前の駅でも相当の速度で進入したと思われます。 ベテランの運転士ですと、それなりの位置でブレーキをかけて止まることができた様ですが、事故を起こした運転士は技能は未熟だったため、うまく停車できずにオーバーランしてしまった様です。 2番目の原因として、7両編成のうち3両+4両の組み合わせで同じ形式の車両でも、製造時期が異なっており、この組み合わせになったときに車両のブレーキがクセを持ってしまっていたということ。 製造時期の異なる車両同士はブレーキの制御は電気的に多少の差異があり、連結するには車両に積んだ読み替え装置を介して繋がれています。 ブレーキハンドルを操作すると、新旧の車両間を結ぶ読み替え装置を通じて新(または旧)の車両にブレーキの指令が伝わりますが、読み替え装置を通すと多少レスポンスが悪くなり、ブレーキの効きが悪くなるそうです。この辺はどの運転士もすでに指摘していた様です。 また、この電車は(回生ブレーキ)というものを搭載しています。 回生ブレーキとはモーターを発電機として使用することにより、ブレーキ力を得るものです。 電車の速度が速いうちは回生ブレーキの効きは当然良くなります。 (速度が速ければ、発電能力が高く、架線へスムーズに電流が流れていくためです。) しかし、止まる寸前は速度も遅くなり、発電能力も落ちてきます。 発電して架線へ電気を戻し、他の力行中の電車に消費をしてもらいブレーキ力を得る装置ですが、発生する電圧が低くなってくると、架線へ電気が戻らなくなってくるので(電気は高い(電圧)ところから、低い(電圧)のところへ流れる。)ブレーキ力が落ちます。 このときに、電車は停車時に使用する空気ブレーキ(空気圧を使用し、シリンダーを使い車輪に直結されたブレーキディスクまたは車輪踏面へ制輪子を押し付けて摩擦力で止めるブレーキ)に切り替わりますが、これもこの電車の新+旧の組み合わせで、ブレーキの応答が悪かった様です。 ベテランの運転士ですと、このクセを一回目の停車時に覚えて、運転に生かすことをする(どの当たりでブレーキをかけ始めるかどうかの微調整を考えることができる。)のですが、技能が未熟ですと当然何回かブレーキ操作をおこなわないと応用できないわけです。 不幸にもこれらの事情と運転士の追い詰められた精神状態が重なったことにより、事故が発生してしまった様です。 この辺りのことは 川島 礼三氏著「福知山線事故はなぜ起きたか?」という本に他の事情も含めて書いてある様です。
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- 春原 なの(@ymda)
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まず、電車は、なぜオーバーランをするか? そして、バス(乗用車等も)はなぜオーバーランをほとんどしないか? その面よりも、車輪の特性から考えていくといいと思います。 電車というのは、鉄のレールと鉄車輪(かつ1車輪あたり1点で)で摩擦力を得ています。 それに比べて、バスはわずかにへこむタイアと道路にて粘着力を得ています。 どちらのがオーバーランをする確率が多いかといえば、すぐわかると思います。 また、晴天時すいてるバス&雨天時込んでるバス、それと、晴天時すいてる電車&雨天時込んでる電車を比べればわかります。 バスの場合は、それらの差があっても、オーバーランする距離は比較的少ないのですが 電車の場合は、すべってしまう量が多いのです。 また、電車の場合には、空転という現象が比較的多く発生します。(特に雨天の加速時) #車の場合、一種のスリップの状態といえます。急ブレーキをすれば発生します これらの要因があり、電車は正しく停車させるのが困難なのです。 よく調べると1ドア分の幅の停車位置のずれは、日常茶飯事で起きていると思いますよ。 ------ それでは、正しく止めることが非常に難しい電車というのは、どうやって止めていくかということです。 完全に固定両数の編成なら、停車位置は一緒なのでいいのですが、多くの地域では完全に固定編成ではありません。 それなので、前もって、呼称で「xx駅 停車 何両」というのです。 そして、停車するために減速を開始する位置は、同じ両数でも、混雑具合、天候等によって異なり、かつ、編成両数によっても異なるのです。 これらの場所というのは、新幹線の短編成以外では提示されていません。 例) __1_2_3_4____5_6_7_8________■■■■■■■■■■■■■■■ 1の場所は、15両雨天混雑時の減速開始位置 2の場所は、15両雨天時の減速開始位置 3の場所は、15両晴天混雑時の減速開始位置 4の場所は、15両晴天時の減速開始位置 5~8は、10両で上記同様・・ なれないうちは手前で減速開始をして、ゆっくり減速しようとするのですが、 ラッシュ時で、慣れてくると、なるだけ短い距離で減速しようとするのです。 p.s.もちろん、現在速度においても、停車位置は長くなります。 もし、この駅で停車するかどうかわかっていれば、どんな状態でもうまく停車することはできるのですが、 一瞬でも気を許して、呼称が遅れただけでも、オーバーランをしてしまうわけです。 かつ、速度超過をしていて、同じ場所から停車しようとすれば、確実にオーバーランするわけです。 となると、あの事件に限って言うと、以下のことがいえます。 ・それまでの駅まで正しい時刻通りであれば、混雑していることを忘れており、電車がすべってオーバーランした ・元々時刻が遅れているのであれば、停車開始位置を通常時と同じ場所でやろうとして、電車がオーバーランした
お礼
すぐにご回答いただいたのに、お礼が本当に遅くなってしまって申し訳ありません。 物理的に色々なことが言えるのですね。((最初専門家の方かと思いました))無事、プレゼンも終えることができました。丁寧なアドバイス、ありがとうございました。
お礼
すぐにご回答いただいたのに、お礼が本当に遅くなってしまって申し訳ありません。 運転士の未熟さは問題になっていましたね。車両自体にも色々原因があったのですね。 無事、プレゼンも終えることができました。丁寧なアドバイス、ありがとうございました。