特定の国家が重大な行動を起す可能性を探る時、三つの側面から分析すべきであると説いた方がいました。 大日本本営の参謀から戦後、商社の経営トップに上り詰めた方で、当時の首相にも重陽されブレーンとなって腕を振るわれた方です.。
その分析項目とは (1) 意志、(2) 能力、 (3) 歴史的背景です。
この三つの側面から、アメリカが北朝鮮を攻撃する可能性について分析を試みてみる。
(1) 意志
米国は北朝鮮を攻撃する意志があるだろうか。 少なくとも現ブッシュ政権においては『YES』である。 悪の枢軸と発言し,挑戦ともとれる発言をしており、攻撃の意図は見受けられる。
(2) 能力
米国の軍備力が北朝鮮の攻撃に十分である事。 その際、沖縄を始めとする日本各地の米軍基地から動員できる兵力は北朝鮮を攻撃し、短期に決着をつけるに十分なものである。
(3) 歴史的な背景
1950年の6月に朝鮮動乱が勃発、同6月米軍59万が参戦,翌7月、国連軍に昇格するが、その実態は米軍である。 この戦いは1953年7月27日、板門店にて講和条約が締結され、戦争終結となる。 条約締結者は中国,北朝鮮と国連軍である。
結論
もし、米国が先制攻撃権を行使して、攻撃に出ても、既に締結している講和条約の趣旨に鑑みて中国が参戦してくる可能性は大きい。 さらに、国連軍という形で攻撃する場合には、安全保証理事会で中国とロシアの拒否権発動がじゅうぶんに予想される。
従って,米国は北朝鮮への積極的な武力行使の可能性は極めて低い。 これはあくまで『積極的な先制攻撃』について言及するものであって、攻撃された場合の反撃について言及するものではない