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『第三の男』の魅力とは?
- 英語の授業で見た映画『第三の男』は、白黒で古い映像ながらも最後のシーンがとても印象的でした。
- 一つは、ハリーと付き合っていた女性が最後まで彼を守る理由についての疑問です。彼女はなぜハリーを守ろうとしたのでしょうか?
- もう一つは、女性が連行されるシーンでの各国の軍人の動作についてです。ソ連の軍人が見張り役であることは分かりますが、米、仏、英はどのような動作をしていたのでしょうか?
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この作品は映画史に燦然と輝く傑作の一本ですね。今見ても撮影や構成など驚かされるようなところも多いです。 1に関してはmikko-sさんの書かれている通りと解釈して差し支えないと思います。 2はパスポートを突きつけ遠慮なくアンナのことをジロジロと見るのがロシア兵、コートを着せてあげるのがイギリス兵、会話を交わし「すまないけど協定なので逆らえない」というのがアメリカ兵、「マドマゼル」と口紅を差し出すのがフランス兵です。(英米、ボクの勘違いで逆だったかもしれませんけど) この映画は1950年の作品で実際にウィーンでロケが行われました。廃屋のような場所はそっくり戦後のウィーンの風景のままだそうです。 煉瓦の壁に映る影の演出がすごく効果を出していましたけど、オーソンウェルズが撮影にちっとも来なくて、そのためにああいう演出をとらざる負えなかったそうです。 ケガの巧妙というのか仕方なくやったことがのちのち評価されるわけですから、わかりませんよね。 ラスト近くの下水道から地上に腕を伸ばす場面は本来ならばウェルズじゃないといけないんですけど、これも実は監督の手なのだそうです。 あんな汚い場所で撮影できるか!とウェルズは文句をいって下水道の撮影には参加しなかったのだとか。 ちなみに監督はイギリス人、主演のジョセフ・コットンとウェルズはアメリカ人、ヒロイン:アンナ役のアリダヴァリはイタリア人です。 プロデューサーのアレキサンダーコルダはハンガリーの出身でロケ地オーストリア在住でした。アメリカ側のプロデューサーは「風と共に去りぬ」で有名なセルズニックで、この二人が揉めたため、英国公開版とアメリカ公開版では内容が一部違っているのだそうです。 国際色豊かなスタッフキャストによって作られた作品だということを知ったうえで、改めて見るとますます面白いかもしれませんね。
お礼
お礼が遅くなり申し訳ありません。 あの影の演出の裏にはそのような事情があったのですね! とても興味深いです。 是非また見てみたいと思います! とても詳しいご回答ありがとうございました。^^