いわゆるボランティア活動から財団法人まで、幅広く「非営利」を捉えることが可能です。
また近年はNPOがあり、新たな展開がみられます。ただし、こうした組織を形成したり、組織への税制・寄付・助成金などの便宜を計ることは、大変に素晴らしいことに思えますが、どうしても活動が「組織ありき」が前提となってしまいます。
欧米では、組織が前提というよりは、「活動の内容と意義」が最重要とされます。したがって、同じ志をもった人たちが出合うと、大きなコミュニティを形成したり、全国的な組織へと拡大したりします。しかし、日本では「組織」が先にありますから、その「組織」の器以上に成長することもなく、「組織」の活動内容以上に活発になることもありません。つまり、「目的のための組織」ではなく「組織のための活動」となってしまうのです。
また、その組織の構成員メンバーの人たちも、最初は、目的のために集い・尽力するのですが、次第に組織維持・継続のための活動に目的がすり変わってしまいます。
この問題の根幹には「非営利」があります。「非営利」ではなく、明確な「営利」であれば、企業法人は「営利」目的を明確にして永続的な成長を目的とした活動が出来ます。
NPOの場合、その点をだいぶ改善されていますが、「非営利」の束縛からは逃れることは出来ません。矛盾する表現ですが、「営利可能なボランティア・サービス」のようなことが理想だと思えます。ちなみに、カトリックなどのボランティア活動で、参加者・協力者にお礼を渡す場合もあり、また、少ないものの給与が出る海外青年協力隊の例もあるでしょう。