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全身麻酔による手術での舌の痛みと他の問題について
- 昨年末に全身麻酔による「腹腔鏡下術」を受けました。
- 麻酔時に顎と気管に問題があり、舌に亀裂や白い出来物が生じました。
- また、術後に鼻の出血や吐き気も起きました。今後の手術に不安があります。
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麻酔科でではありませんが,挿管は経鼻も経口もよくやってます. ・それってどういう顎なのでしょうか? ・また気管も狭いのですか? 挿管が難しい方のパターンとしては口や鼻から喉頭への屈曲の角度が強い場合・舌が大きい場合などがあります. 極度な肥満が有ると気道は狭くなり,より難しくなります. ・舌が「亀裂」するほど器… 舌の両サイドの亀裂というのはどういう状況なのか想像できません.単なる扁桃腺炎のような気もします .咽頭腔はチューブよりはるかに大きいので亀裂ではなくほかの機序ではないかとおもいますが,施行した麻酔科医に聞くのがよいでしょう. ・麻酔後にすごい吐き気… 嘔気はたまにところか頻繁にみられます.一時的なもので特に体に悪いものではありません. ・術後「鼻をかむ」と鼻の中もひどく出血しておりました。 これは経鼻で挿管すればやむをえないものです.すぐに止まったのならそれ以上の害はありません.これを避けたいなら経口挿管を考えるべきでしょう. そもそもどうして経鼻になったのかがわかりません. 麻酔は安全の為のものなので,医師は「患者の快適性」よりも「患者の安全性」を重視します.そうすると太めの管を選んだり挿管が困難ないし不可能なら気管切開を検討したりします. 質問にある事項は麻酔の合併症の中でも軽度のものなので説明上は省略する事も多いでしょう.もっと重要な事が多々あります. 以上の回答はそう的外れではないとおもいますが,専門家の補足があればさらによいでしょう.
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- yamahaseca
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基本的にinoge先生の回答の通りなのですが、補足させてください。 長文失礼いたします。 さて、特に上腹部の臓器を全身麻酔で手術する場合、一般に気管挿管という方法で気 道を確保し、麻酔や人工呼吸を行います。その際、通常は「喉頭鏡」という器具を用 います。これは、名前には「鏡」とありますが、実際は金属の『へら』の先端に電球 がついているようなものです(最近は、プラスティック製のものや、電球が先端につ いていないものもありますが)。これを口の中に挿入し、舌を右から左によけて、気 管の入り口を確認し、気管の中に人工呼吸の管を入れるわけです。ところが、患者さ んによっては通常の方法で気管の入り口が見えない場合があるのです。一般に、その ような出来事を「挿管困難」と呼んでいます。 原因は、顎や舌、喉頭の解剖学的な位置関係や大きさ、挿管をするひとの手技の上手 下手などさまざまです。下あごの大きさが小さい(相対的に舌が大きくなって、よけ づらくなる)、下あごが後退している(気管の入り口が奥まってしまって、見えなく なる)、舌の手術の経験がある患者さんで舌が動かない、などある程度予測できる時 は最初から対策を立てて対処しますが、中には「一見普通そうに見えたのだが、実際 は挿管が難しかった」という方もまれに居られます(私の場合「予見できない挿管困 難」はざっと500人に1~2人くらいでしょうか?)。 挿管困難の場合の対処法については、ガイドラインもありますが、実際には個々の医 師が自分の経験上有用と考える方法で対処している場合が多いです。 私の場合、通常の方法でもなんとかできるかどうかを先ず考えます。気管の入り口の 一部が何とか見えるとか、入り口の近くの構造物が何とか見えるとかであれば、気管 チューブを若干細くして(穴に対して管が細くなるほど入りやすくなります。もちろ ん、あまり細いチューブだと別の問題がありますが)、形をJの字にして気管の入り 口があると「思われる」ところに進めてみます。運が良ければ、チューブが気管に入 ります。しかし、スムーズにチューブが進まない場合。そこで闇雲にあたりの組織を どつき回すとそれ以降の手技がやりづらくなりますので、無理はいたしません。ま た、もう最初から見当もつかないような場合も、すぐにこの方法をあきらめます。次 の手段として、人によっては「挿管用のラリンジアルマスク」という特殊な器具を用 いる人も居られますが、私はそれをあまり好みませんので、最初から気管支内視鏡を 用いた方法を行います。おそらく、tannsa様が受けられた手技と同じだと思います が、鼻から気管チューブを入れて(口から入れると、チューブが動きすぎて気管支内 視鏡で気管の入り口を探すのが難しくなるので、鼻から入れる事がほとんどです)、 気管チューブの中を気管支内視鏡を通し、気管の入り口を探すのですが、実はこれが かなり難しいのです。まず、舌が上から内視鏡を押さえつけてきますので、自由に内 視鏡を動かせません。また、何とか空間を見つけ、気管の入り口を見つけたとして も、そこに内視鏡を入れるのがまた難しいのです。人手が居る場合は、結局一人に下 顎を持ち上げてもらい、もう一人が口から喉頭鏡を入れて舌をよけ、もう一人が気管 支内視鏡で中を観察する、などという事態に陥ることもあります。当然、口の中の粘 膜が切れたり、出血したりする事もあります。しかし、気管に管を入れないと手術が できないわけですので、難しい所です。 なお、手術の後の吐き気は、いろいろな原因で起こります。麻酔に使用した痛み止め (麻酔薬や麻薬)、手術の後の止血剤、抗生物質など・・・。何が原因かを確認する のは難しいです。 次回全身麻酔を受けられる事があるのでしたら、お願いがあります。今回の「挿管困 難」の件と、「術後の吐き気」の件を、ぜひ担当の麻酔科医に教えていただきたいの です。それによって、その麻酔科医が麻酔の方法を選択する際に、適切な選択ができ る可能性があります。 以上、ご参考までに書き込ませていただきます。
お礼
大変詳しく説明して頂いて有難う御座いました。 手術担当の先生や、麻酔科の先生に聞いてもあまり詳しく話してくれなかったので不安やら心配する程の事じゃないのかな?と一人モンモンとしておりました。なんせ気管挿管にすごく手間取り大幅に手術時間が遅れたのは聞きました。なかなか入らず時間に迫られたから、手荒になって舌が亀裂したのかとも思ってしまいました。少しモヤモヤが解けました。専門の方の詳しい説明が聞けてよかったです。
お礼
ありがとうございました。