- ベストアンサー
ユーロはT/Cと現金、どっちを持って行った方が得?(スペイン)
連続して質問して恐縮です。 近くスペインに旅行に行く予定です。 それに関連して、お金についての質問です。 元々、円建とユーロ建のT/Cを持っていこうかと思っていたのですが、ネットで「ユーロと米ドルは日本で現金にしておいた方がレート、手数料も得」という書込みを見かけました。 そこで質問なのですが、仮に盗難のリスクはないとして、平均的に、 (1)日本からT/Cを持って行って、現地(スペイン)でT/Cからユーロ現金に両替する、のと、 (2)日本で直接ユーロ現金に両替して準備していく のとでは、どっちが得なのでしょうか? 細かい質問で申し訳ないのですが、皆さんの経験とお知恵を拝借したいと思います。 宜しくお願いします。
- みんなの回答 (5)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
こんにちは。私は年に10回ほど海外に出かけています。 レートの良し悪しを比較するには、まず「銀行間取引レート」の概念について押さえておくことが必要です。 銀行間取引レートは仲値とも呼ばれ、その名の通り銀行間の取引きに使われるマージンなしのレートです。ニュースなどで「今日の外国為替市場の終値は、1ユーロ136円42銭でした」などというのは、特に断らない限り銀行間取引レートを指してのものです。 一方で顧客はこの銀行間取引レートそのままで外貨を買うことはできず、必ずいくらかのマージンが乗ったレートで取り引きすることになります。このマージンの少ない両替法ほど有利ということになります。 日本でユーロ現金に両替する場合のレートですが、銀行間取引レートに1ユーロ当たり6~7円程度が加算されたものになります。例えば銀行間取引レートが1ユーロ=136円なら、お客は1ユーロあたり142~143円程度を払ってユーロの現金を手にすることになります。 一方で日本円現金をヨーロッパに持ち込んで現地で両替した場合、レートは銀行間取引レートに1ユーロ当たり7~10円程度が加算されたものになります。またヨーロッパでの両替では一般に、両替1回ごとに3~5ユーロ程度の手数料が加算されます(*1)。 この計算で明らかなように、日本円現金→ユーロ現金の両替なら日本でするに限ります。ご質問にある「ユーロと米ドルは日本で現金にしておいた方が得」はこのことを指してのものだと思います。 次に、トラベラーズチェック(以下TC)について検討します。 日本でユーロ建てTCを購入する際のレートですが、銀行間取引レートに1ユーロ当たり1~1.5円程度が加算されたものが使われます(*2)。これと別に発行手数料が1%かかります。 ヨーロッパで換金する際には上記と同様に両替手数料が3~5ユーロ程度かかります。「TCからユーロ現金に替える時はかなり取られる」とのご意見もありますが、TCであるが故の割増手数料を取られたことは私はないです(日本円現金からの両替でも手数料はかかります)。 実例で計算してみましょう。旅行資金として500ユーロを準備するとします。銀行間取引レートは1ユーロ=136円、ヨーロッパでの両替手数料は1回3ユーロとします。 (A)日本でユーロ建てTCを準備した場合 TC発行の際に使われる両替レートを、銀行間取引レート+1.5円の1ユーロ=137.5円とします。 500ユーロ入手のために500×137.5×1.01=69437.5円を日本の銀行で支払います。 現地で現金化する際に手数料として3ユーロ支払います。 実質的なレートは 69437.5/497=139.71円/ユーロ になります。 (B)日本でユーロ現金を準備した場合 ユーロ現金売りの際に使われる両替レートを、銀行間取引レート+6円の1ユーロ142円とします。 現地での換金は不要ですので、実質的なレートはそのまま1ユーロ=142円ということになります。 というわけで、日本でユーロ建てTCを準備していった方が2%弱有利ということになります。 念のためクレジットカードについても説明申し上げたいと思います。 VISAやMasterといった国際クレジットカード会社は、各市場の動向や経済情勢を勘案しながら各通貨間の換算レートを毎日独自に決定しています。実際に顧客に請求する時はこれに1.6%程度の手数料を加算します。例えばクレジットカード会社が定めた通貨間の換算レートが1ユーロ=136円なら、顧客は利用額1ユーロ当たり138.176円を支払うことになります。 では「クレジットカード会社が決めるレートとはいったいいくらなのか」という新しい問題が出てきますが、これは銀行間レートと同じと看做して差し支えありません。私のこれまでの経験では両者の乖離は通常0.2%以内、大きな時でも0.7%で収まっています。従ってクレジットカードの請求レートは「銀行間取引レート+1.6%」を目安に考えておけばよいわけです。 それからクレジットカードの請求レートの不確実性についてもう少し補足しておきます。 クレジットカードの請求レートは買い物の時点でなく、利用データがクレジットカード会社の集計センターに送られた時点(2、3日後)で確定します。その間に円高が進めば得をしますが円安に振れれば損をすることになります。 ただこれは、TCを使う場合にも付きまとう問題であることをご理解下さい。TCの場合でも両替後に円高に振れれば実質的に損したことになります。 円高/円安が一方的に進む局面ならTC/クレジットカードの有利不利ははっきりしていますが、そうでないならどちらを選んでも運次第ということです。 話を元に戻しましょう。以上を比較しますと有利な順に以下の通りです。 1. クレジットカード 138.18円/ユーロ 2. ユーロ建てTC 139.71円/ユーロ 3. 日本でユーロ現金に両替 142円/ユーロ もしTCを現地で無手数料(AMEXを使うなど)で換金できるなら、ユーロ建てTCのレートは少し良くなって138.87円/ユーロという計算になります。 この先はお好みで判断下さい。クレジットカードはレートはよいのですが、心理的に抵抗があるなら次善のTCを使う選択もあるでしょう。現地で両替するのが面倒ならこの程度の差には目をつぶって、日本でユーロ現金に両替してももちろん結構です。ユーロ建てTCをメインにし、これに加えて当座の現金100~200ユーロ程度を日本で準備していく方法もあります。 ただいずれにしても、円建てTCや日本円現金をヨーロッパで両替するのはお勧めしません。 クレジットカードに漢字でサインするのは私は勧めません。ヨーロッパ旅行にしか行かないならそれでも構いませんが、今後漢字圏も旅行される予定があるならやめた方がよいでしょう。日本人は楷書で丁寧にサインする人が多いので、漢字圏の人にとっては真似しやすいのだそうです。 トラベラーズチェックのブランド選択ですがヨーロッパであれば特に気にしなくてよいでしょう。TravelexとThomas Cookは確かに同一グループですが、手数料が無料になるという話は聞いたことがないです。 また既にご承知かと思いますが、両替でお金を受け取ったら必ずその場で金額を確かめること、あまりに汚い紙幣が入っていたら交換してもらうこと、両替のスキを狙う輩もいるので荷物にも注意を払うこと(例えば脚で挟んでおく)などはどこでも共通の注意です。 最後に余談ですが、私が最近愛用している方法を。 私はシティバンク銀行(citibank)に口座を持っているのですが、ここは顧客だと無手数料でTCを発行してくれます。TC発行の際のレートは銀行間取引レート+1円です。また現地のシティバンク支店に持ち込めば、顧客にはこれまた無手数料で換金してくれます。(シティバンクのユーロ建てTCのブランドは現在はAMEXなので、AMEXのトラベルサービスオフィスに持ち込む方法でも可) 銀行間取引レートが1ユーロ=136円なら、最終的に1ユーロ=137円のレートでユーロ現金を手に入れることができます。これはクレジットカードより有利です。 シティバンク銀行は外貨建て普通預金を直接TCで引き出すことも可能なので、ユーロ安の時に外貨預金をしておいて、旅行前にTCとして引き出せばさらにお得です(*3)。 私も最初から上手な両替ができたわけでなく、多少の失敗もしながら有利な両替法を少しずつ身に付けました(今も勉強中です)。ご心配も多いかとは思いますが、失敗してもせいぜい5%か10%かレートが悪くなるだけのこと、まずはいろいろと経験されるとよいかと思います。 スペイン旅行、どうぞ楽しんでいらしてください。 *1 手数料は「両替額の2% ただし最低5ユーロ」といった決め方をしているところが多いです。小額の両替を繰り返すと不利になるということです。 *2 外貨現金を保有すると為替リスクや死蔵コストが生じますが、TCは発行するまではただの紙なのでその分有利なレートを提示できるわけです。 *3 外貨預金は当然リスクを伴いますので、判断はご自身でお願いいたします。
その他の回答 (4)
- matilda
- ベストアンサー率32% (3069/9404)
こんばんは。 空港内にトラベレックスがあるなら、T/CのブランドはTHOMASCOOKがいいと思いますよ。日本にもトラベレックスのオフィスがあるので、可能であればこちらで購入されてはいかがでしょうか。 現金に関しては三井住友銀行のレートがよいようです。両替コーナーを設置している店舗もあります。 http://www.smbc.co.jp/kojin/sonota/ryougae/index.html
お礼
ほんとですね! ユーロの現金に関しては、トラベレックスよりも三井住友の方がレートがいいみたいです。 T/CのブランドはVISA、アメックスよりもTHOMASCOOKの方がいいのでしょうか? 大変参考になりました。有難うございました。
- boraaisou
- ベストアンサー率10% (14/137)
こんばんは。 日本円からT/Cに換えるときとT/Cからユーロ現金に換えるときの2回手数料を取られます。特に、T/Cからユーロ現金に換えるときの手数料はかなり取られます。銀行へ両替をするたびに行って、パスポートを見せて、サインをして・・・・と、かなりわずらわしいです。また、T/Cはどこでも使えるのではなく、中級以上のホテル、レストラン、デパート、鉄道など限られています(T/Cが使えるところは、クレジットカードも使えます)。 私なら、現金は日本で直接ユーロ現金に両替して準備していき、スペインでの買い物は、クレジットカード(VISAかMC)を使います。 質問者様がどのくらいの期間スペインへ滞在するつもりなのかわかりませんが、T/Cを持って行こうと考えているぐらいなら20日間ぐらい滞在するつもりなのでしょうか? (私はドイツへ1ヶ月弱滞在した時もT/Cは持たずに、クレジットカードと現金で済ませました) クレジットカードは、利用限度額が設定してあるし(30万円だったと思います)盗難に遭った時の保険がついているカードがたくさんあります。ヨーロッパ人は漢字がうまく書けないので、裏のサインを漢字でしておけば大丈夫です。それでも不安があるのなら、2種類のカードを持っていけばOKです。 すばらしい旅行になりますように。
お礼
アドバイス有難うございました。 クレジットカードは持って行くのは、持って行くつもりなのですが、スキミングとか詐欺とかのリスクが気になるので、よっぽど信用のある店でしか使いたくないんですよね・・(そんな気の小さい事を言っていたら、あまり海外旅行はできないのかもしれませんが・・)。 それに、決済レートも得という説もあれば、損という説もあるので、その不確実性が、私に二の足を踏ませてしまうのですが・・ ともかく、コメントは参考にさせて頂きます。 すばらしい旅行になるよう、色々調べて準備して行って参ります。 ありがとうございました。
- matilda
- ベストアンサー率32% (3069/9404)
こんばんは。 T/Cの現金化をする際に手数料がかからなければ(1)がお得です。例えばAMEXのT/CならAMEXのオフィスで現金化すれば手数料はかかりません。(一部手数料がかかる場合があるそうです) なのでご旅行先にオフィスがなかったり、立ち寄る時間がないならT/Cは持参しない方がいいかもしれません。空港にもありますけどね。 ところで、どちらか一つを選ばなくてはならないのでしょうか? 私ならユーロのT/Cと現金の両方日本で購入しておきます。 旅行期間や旅行スタイルにもよるかと思いますが、基本的にカードを使うようにして、T/Cと現金は50~100ユーロくらいずつあれば十分ではないでしょうか?
お礼
アドバイス有難うございました。 私も、T/Cと現金の両建てがいいような気がしてきました。空港内のTravelexなら、ユーロは現金もレートが悪くないみたいですし。 参考にさせていただきます。ありがとうございました。
- akirappy
- ベストアンサー率33% (1/3)
はじめまして。 旅行に行かれるときのレートにもよりますが、盗難リスクが無いなら、日本国内で(しかも空港以外で)ユーロ現金に替えていったほうがもちろん得です。 T/Cの利点は何といっても盗難のリスクが無いことです。 デメリットは、現地通貨に両替えすると手数料がかかってしまうことです。この手数料がばかにできないんです。 両替よりは買い物や飲食に使って、端数分を現金で払うのがベストです。 でも、免税や大きなホテル、デパート以外ではT/Cを受け付けないところも多く、不便を感じることも多いと思います。 実際、私はローマにアメックスのユーロT/Cを持って行きましたが、(アメックスでも!)買い物で使えない事が多くあり、結局手数料を払ってユーロ現金に両替えする羽目になりました。盗難リスク抜きなら逆に日本円を持って行ったほうが強いかもです。 いいご旅行を。
お礼
はじめまして。コメントありがとうございます。 さすがに直接T/Cで買い物しようとは思いませんでしたが、やはりユーロ現金にしていった方が得ですね。 参考にさせていただきます。有難うございました。
お礼
とても丁寧な回答を有難うございました。 この回答のために、多くの時間を使っていただいた事を感謝いたします。 それしても、数字的な例まで出して頂いて、これほど色々なケースを網羅している回答は、教えて!gooの中でもないのではないでしょうか? とても適格な回答だと思いました。 色々と数字的な例を出していただきましたが、両替のレート次第で、どれが得かは変わってくるような気がします(例えば仲値とCSの差が、一般的な6円じゃない場合など)。 ちなみにシティバンクの方法は存じ上げていたのですが、私の家の近くにないので、残念です。 この回答も参考にして、ユーロ現金、ユーロTC、円TC(あくまで為替リスク回避の予備として)、の購入を検討したいと思います。 有難うございました。