環境の面から知る限りのことをお答えします。
まずは、「椅子」です。
椅子を使う効果は、「ここが食事をする場所」という意識が定着します。
つぎに、座ったことで食べる心構えがができます。
テーブルの天板との高さを調整して、肘を天板の上に出すことができ、腕を自由に使えるようになります。
こうして環境を整えることで、赤ちゃんは適切な食事の仕方を覚えます。
(もちろんお座りができることが前提です)
しかし、これに気付かずに、抱っこして食べさせたり、立ったまま食べさせたりしている親が多いのは、困ったものです。
子供に自由を与えることと、放任の違いに気がついていないのでしょう。
次に、「食器」
金属では冷たく感じ、陶器では破損を恐れるあまりに、樹脂製のものに偏りがちになります。
しかし、樹脂製の容器には環境ホルモンなどの毒素が含まれていることが多い。
安全だと言われていたものが、ある日突然毒素を含むと言われることは決して珍しくありません。
今日の社会では、知見が及ばない危険要素は「安全」と見なされるからです。
消費者は、この点に十分注意する必要があります。特に幼い赤ちゃんを持つ親ならばなおさらです。
古の知恵に学びましょう。お薦めしたいのは、「漆塗りの椀」です。
少々値段は張りますが、大したことはありません。価値観の問題です。
手触り、唇に触れたときの暖かさ、安全性、自然素材とのふれあい、古人の知恵の結晶、どれをとっても他の食器には無い利点を備えています。
最後に、「雰囲気」
朝・昼・晩と三食食べるのが一般的ですが、忙しい生活に追われて家族揃って食卓に付く機会が減っているようです。
赤ちゃんが者を覚える時には、理解するのではなく「体感」します。
赤ちゃんによい食事環境を作ろうと思ったら、まずは周囲が見せなければなりません。
親ができないことを子供に要求することが、どれだけ子供に負担をかけているのかを考える必要があります。
子供は、親を写す鏡だといわれます。
ならばこそ、親は鏡に映る自らの姿を、子供の姿と照らし合わせていただきたいと思います。
育って欲しい姿を自ら示す。難しいことですが、不可欠なことでもあります。
とりあえずこのくらいにしておきます。
さらに追加が必要なら、補足要求してください。