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公共事業を行うと景気がよくなりますか?
公共事業を行うとそれば呼び水の役割を果たして、経済波及効果により景気がよくなると教わりました。 来年の国債発行額も巨額なものになる予定だそうです。 しかし、最近のTVのニュース解説者はこぞって、今の時代は公共事業を行っても昔のような波及効果はないといいます。 これは本当なのでしょうか? 本当などしたら、その理由はなんでしょうか? より効果的に景気をよくする方法ってあるんでしょうか? よろしくお願いします。
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公共事業を行うと、経済波及効果によって一時的に景気がよくなるのは 事実かと思います。 公共事業で建築会社が儲かる ↓ 建築会社の設備投資や社員の消費が増え、関係業界が潤う ↓ さらに関係業界の周囲の業界にカネが流れる といった図式でしょうか。 しかし、ここで問題が発生します。 公共事業で一時的に潤った業界関係者が、消費にカネを回して周囲の人たち に利益を還元するかどうかということです。 日本は土地バブル崩壊で、企業も個人も莫大な借金を負いました。 さらに先行きが不安な経済情勢下で、一時的に収入が増えても、それを消費 に回さず、借金返済にあてているのが現実かと思います。 個人で住宅ローンがない人でも、それを使うより銀行預金やタンス預金として しまう人も、けっこういるのではないかと思われます。 |ただしこの低迷した経済情勢でも、ビジネスに成功して儲けている一部の |勝ち組は除外します。よくニュースで取り上げられる消費の二極化とは、 |この勝ち組の人たちの消費によるものです。 バブル崩壊前は、多少借金があっても、消費や土地投資にカネを回せる余裕 がありました。しかしバブル崩壊によって、その余裕が無くなってしまった のです。 これが、公共事業に昔のような波及効果がない理由です。 では、どうすればよいのでしょうか。 原因は企業や個人の借金により、(経済的な)基礎体力が低下していること にあります。 よって、借金を減らせばよいという結論が出てきます。 そうは言っても、個人の借金を減らすことは難しいので、企業の借金を減らす 政策が取られます。 銀行の不良債権処理、一般企業のリストラは、企業の負債を減らして経営を 健全化することにより、基礎体力を回復させることなのです。 ケインズ経済学の公共投資による経済波及効果理論は、反ケインズの立場の 人から、よくカンフル注射のようなものだと言われることがあります。 カンフル注射を打つと一時的に元気になるが、クスリが切れれば元気がなく なり、悪くすると注射する前より悪化するということです。 小泉政権の経済政策は経済無策だという悪口も聞くことがありますが、現状 では、経済無策が最良の経済政策になっているのです。 国が公共投資によって民間経済を助けてくれないから、企業は否が応でも自力 更生を目指さざるをえません。 その結果、企業はリストラに励んで、その結果少なからぬ企業が経営状態を 改善することができました。 |このことについては、 |『斎藤教授のホンネの景気論-第32回「無策なのに何故に景気回復か―― | 小泉政権3年の『通信簿』」 』 |に詳しい説明があります。 |http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/colCh.cfm?i=t_saito32 経済無策とはあまり聞こえのよい言葉ではありませんが、アダム・スミスの 古典経済学の理論によれば、自由放任(レッセ・フェール)という立派な 経済政策です。 実際、外部の要因もありますが、小泉政権の放任政策により、景気の状態は 改善しつつあると、私は考えています。
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実際景気は良くなります。 小泉政権も日銀の公共事業で景気を良くしています。 外需を伸ばすか内需を伸ばすかということの違いだと思います。 小泉・竹中組は外需の方に頼っているわけです お金をムダに使って公共事業を行うことの他に、流通コストや税金の使い方の非効率(国債の利子、公共事業の非効率etc...)を減らすなど、経済循環のコストを引き下げることでも全体的に需要を伸ばす事が出来るかと思います。
- nobugs
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簡単に言えば、単体で利益が出ても、元請会社の負債の償還に吸い上げられてしまうのが現在の状況です。 下請けや資材の受注を受けても、価格の切り下げが行われ、良くてとんとん、が実情です。 ここ数年、マンションの着工件数が過去最高を記録していますが、受注業者も下手をすれば赤字になる状況で、中堅どころでは受注を削減しているところもふえていますし、下請けも廃業が多くなっています。 最近の大規模開発では、汐留がありますが、ここでの受注業者が全て赤字だったそうです。 この様な中に、多少の発注を行っても「活性化」までは行かないでしょう。
- aozola
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わたしは学問をしたわけではないので参考までに、たぶんですが、必要な公共事業と、不要な公共事業があるんだと思います、例えばダムとかでも、ここ10~20年くらいに作られたダムは不要なものといわれています、つまり公共事業にも二つあって、必要性から生まれた公共事業、関係者の金目的に作られた公共事業というのがあると思います。 まあ、田中角栄氏が悪いんですが、あの人が公共事業で金をもうける方法を編み出してしまったので、日本中の政治家がまねをしてしまったのですね、ですから現在行われている公共事業は、社会性がないことが多く、また不要な施設なので維持費だけがかかり、経済効果はないですね。 たぶん公共事業が経済的波及効果がないのは、必要な公共事業はもうほとんどやっていてないからではないですか、不要な公共事業しかないので、経済効果がなく、負担にしかならないと。
- noki2005
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No.1,2の方々が素晴らしい回答をなさっているので、私が回答するのもおこがましいとも思ったのですが…。 私が考えるに、日本の国家財政のことを考えればよくわかるのではないかと思います。 過去、国や地方公共団体が「公共事業」の名目で行った投資の殆どが今、財産ではなく、「負債」となって、その利息だけでも恐ろしい金額になっていますよね。 今、日本の国家財政は740億を超える赤字。地方とあわせると、1000億を超えてしまっています。 全てを結び付けてしまうのは少し違うかも知れませんが、年金問題も、医療負担も、障害者負担の問題も、何もかも、国の資金が+であれば、解決する問題だと思います。 勿論、公共投資を行えば、1番さん、2番さんが回答されているように、一時的に、カンフル剤的な効果は期待できるかも知れません。 しかし、それを国の体力がない状態で行ってしまうと、一部の業者や関連企業は助かるかもしれません(これって、完全な政・官・業の癒着構造ですよね)が、そのせいでさらに年金、医療費など様々な問題の首を絞めることになります。 それがわかっているのに古い自民党の体質を引きずっている皆さんはまだ、公共投資をしようとしています。それが経済の活性化につながると未だに言っているのです。 これは古い自民党と業界の利権癒着構造のなせる技、ですよね。 そのパイプ役を担っているのが…郵政。そう思いませんか。ここから流れているんですよね、公共投資費が。 もし、郵便局が民間の企業でしたら、きちんと請求書が政府にあがるはずなんです。ですが、郵政が政府機関である限り、その点はきわめて黒に近いグレーのまま、放置されてしまう可能性が極端に高いと思います。 今小泉さんがやろうとしていること。財政構造改革のようにしか見えませんが、これが将来的に景気回復への複線もになっている、そう思いませんか?
- 9ma
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経済学の理論では、経済が有効需要が不足する状態にあるときに、政府が公共事業を行なう事によって、有効需要を創出し、乗数効果を伴って、経済を活性化する事ができる、としていますね。 この議論の前提は、(1)公共事業で行なう投資には生産的収益がある事、(2)市場が競争状態にあって、各事業主体の効率がよい事、(3)公共事業へ支出増加は一時的であって、経済構造を変えない事、などがあります。 最近の日本経済でよく言われるのは、(1)車が走らず熊が走る道路(事業の収益性がない)、(2)談合によってコストが50%以上高い(市場が競争状態に各、事業主体の効率が悪い)、(3)経済構造が古い体質で、効率が悪い(公共事業を長年連続してやってきたので、経済構造が公共事業に依存するようになっている)などです。 したがって、今の時代では、旧来の公共事業が、十分な波及効果を持つ意図は考えられない、と考えるようになったのではないでしょうか。