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航空料金の原価って
航空会社のビジネスモデル(プライシング)について詳しい方,教えてください。 例えば,9月1日発 成田―NY間のJALの料金は,JALのサイトによれば,エコノミーで23万5千円,割引ビジネスで53万5千円,ファーストで132万円です。一方HISなどの格安航空券ですとエコノミーで6万5千円程度位です。 1.格安航空券を航空会社が旅行会社に卸すのは,空席で飛ばすよりは旅行会社に格安航空券を売ってもらって少しでも(原価割れでも)固定費を回収するためなのでしょうか?それとも,格安航空券の販売で利益が出ているのでしょうか? 2.そもそも,乗客1人あたり,クラス別(エコノミー,ビジネスなど)でどの位のコスト(原価)がかっている(つまり利益率はどの位)のでしょうか? エコノミーとファーストの原価の差は設備や食事程度ならば,数万円レベルでしょうから,仮に上記の例で格安航空券=原価(利益なし)ならファースト1枚売れば,120万円位儲かる計算になるのでしょうか?それとも,原価+適正利潤は正規航空料金(エコノミーの23万5千円)で,仮に利益率が20%なら原価は19万円程度で,ファースト1枚で100万円位の利益が出るのでしょうか? 空席率や,季節料金,昨今の燃料費高騰などの外部要因による変動がありますので,一概には言えない部分もあると思いますが,プライシングの考え方だけでも結構です。ご存知の方教えてください。参考文献・サイトのご紹介でも結構です。宜しくお願いします。
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1)ご想像の通り、格安航空券は少しでも収入を確保したいための方策です。 売るほうにしてみればビジネスクラスばかり売れてくれればいいし、実際に バブル期には、JAL が F と C のみのフライトを運行したことすらあります。 ですが、現実には F と C だけで飛行機が埋まるわけではなく、さりとて国際線に 小型機を飛ばして F と C だけを設定する、というわけにもいきません。 つまり、エコノミークラスは機材の大型化に伴う飛行機旅行の大衆化が もたらした産物です。本当は F と C だけで損益分岐点を越えたいのですが、 Y を空っぽで飛ばすわけにもいかないので、そのぶん格安航空券やペックス 航空券で客寄せするわけです。一度乗ってもらえれば、ユーザーが次は F や C に 乗ってみたいと思うこともありえるわけですし。 2)クラス別に利益率を設定することはありません。基本的には 1 フライト あたり、どれだけの収益が上がるかで計算します。2の方が示した例のように、 フライトの収益は豚を一頭まるごと売るようなものです。高いヒレ肉(F)が 売れると嬉しいですが、肩ロース(C)やバラ肉(Y)もできるだけ売りたい。 さらには豚足やレバーなど(格安航空券)だって売れるものなら売りたいわけです。 理想はあくまで、すべての部位( 席 )が売れることです。もちろん、ある程度の 売り上げが出た時点で利益が発生しますが、ヒレとロース、豚足ごとに確定的な 原価があるわけではないのです。おそらく帳簿上はクラス別の損益分岐点も存在 するかもしれませんが、それはあくまで数字をいじるための都合に過ぎないでしょう。 なお、航空産業は非常に巨大なシステムで、飛行機を飛ばすため直接費用と、 その他の間接費用の割合は約 55:45 と、ほぼ半々です。飛行機を飛ばさな くても空港カウンターの家賃など間接費用は固定費として掛かってきます。 最近はご存知のように燃料費が増大の一途。ICAO( 国際民間航空機関 ) が示している標準的な費用構成では、燃料費は費用全体の約 14 %ですが、 最近は 20 %を超えているそうです。
- 参考URL:
- http://www.aerospace777.com/
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- tabizaru
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F,Cクラスの格安もかなりの代理店が扱っています。 9月ローマへ行きますがCで17万弱です。この時期直行便格安のYでも16万前後します。 ので直行便ではないですがCに乗るメリットはあります。(JALのCより格段サービスがいいです)
お礼
ご回答ありがとうございます。Cのチケットを時間と疲労で買えるんですね。思いつかなかったです。
- tabizaru
- ベストアンサー率11% (172/1454)
当然各社算出式から出します。 機体、減価償却、人件費、燃料、着陸料、整備費、保険他列記出来ないほど。 F、C、Yクラス別は各サービス度合い、椅子、スペース、食事他からの算出になります。 単純にYを1とした場合Cは2倍、Fは4倍のスペースを使うので料金も比例(だいたい)に近くなりますね。理にかなっているのでは! 当然利益、拡販費他もろもろも上乗せされます。 で一応販売価格は国に料金申請し決定します。 実売価格は卸、小売時点で非実態な価格になります。 要するに需要供給で変動します。 航空券やホテル料金はあってないような物、一時的な占有時間(空間)を売る商売です。
お礼
ご回答ありがとうございます。Y,C,Fのスペース比が原価比率とほぼ一致とは思いませんでした(なにせ,Fクラスには乗ったことがないので・・・)しかし,考えてみれば,飛行機1回を飛ばすのに必要なコストをクラス別に配分する場合,そのファクターは専有面積と飲食費,設備費(椅子やTV等が良い),アテンダントの人件費位でしょうから,按分比率で最も支配的なのは,やはり専有面積なのでしょう。 販売価格はマーケットによって影響されることは分かりますが,CやYも航空会社の言い値より安くHISなどの格安旅行代理店で販売されているのでしょうか?
- hellotoear
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質問者さんの直接の回答になりませんが、私が同様な疑問を持ったときに、ある人から日米航空協定の交渉にあたった航空機行政の専門家の言葉として教えてもらったことです。 「航空運賃というのは、原価で決まるのではない。買いたい人が払う金額で決まる。一頭の羊を考えてみよ。羊の皮が要る人にとっては、羊の皮にお金を出しても、肉にはお金を払わない。羊の肉が欲しい人は羊の肉にはお金を払うが、皮は価値がない。飛行機運賃とはそういうものだ。」 参考になれば幸いです。
お礼
ご回答ありがとうございます。この専門家様が言わんとしたことは,「政府への届出料金(許認可料金?)=総括原価」ではなく「需給バランス均衡点=マーケットプライス」が実情価格ということでしょうか?(つまり,「航空料金は届出料金(正規料金)は事実上無意味であり,実情価格はマーケットに支配されている」ということなのでしょうか) もしご存知であれば,総括原価において,どのような原価構成,乗機率であり,事業報酬率はどのくらいなのか教えて頂けないでしょうか?,
- keikyu2101
- ベストアンサー率32% (65/202)
質問者さんのおっしゃるとおり、たくさんの変動する外部要因がありますので一概には言えません。近頃は、利益率が最大になるように、値段付けや席数や価格の変更のタイミングなどを計算するソフトウェアを使っているようです。このようなものが出現する前は、熟練した職員が正に職人芸で、決めていたようです。 一番の基本は「正規ビジネスクラスが2/3以上埋まれば黒字で、それ以外は、売った分だけ儲かる」でした。エコノミーには最初から何も期待していないで、売れたら儲けものという感じでした。 航空会社は値決めのために常に色々な情報を収集しています。いつどこでどんなイベントがあるのか?新聞雑誌テレビなどででどのような場所が取り上げられ話題になっているか?ライバル会社はどのような飛行機でどんな設備を施しているのか?何便飛ばしているのか?どんな時間に飛ばしているのか?空席率は?などなどを元に適正な価格、機材(飛行機、各クラスの席数など)を決めてゆきます。目標の利益率は決めているでしょうけど実際は、そう簡単には行かないようですね。
お礼
なるほど,航空会社のBEPはビジネスクラスの2/3を埋められるかどうかなのですね。となると,航空会社のターゲット顧客はビジネスクラス?考えてみると,航空会社のマーケティングにおいて,ターゲットにセグメントされるクラスってあまり明確ではないですね。 とてもわかりやすいご説明ありがとうございました。
お礼
ご回答ありがとうございます。基本的にはC,Fで賄うビジネスモデルなのですね。ある航空会社(C社)では,9.11事件による大幅な落ち込みをカバーするため,Fに空きがあれば,Yの乗客を無料アップグレードするサービスしているそうです。C,FでBEPを達成するというこれまでの基本型ではないモデルですので,長期的に見た場合成功するのかどうか興味深いところです。