美術って何でしょう?(アートのヒエラルキー)
美術、工芸、デザインの違いって何でしょうか?
アートという括りは、形や色から感じられる詩的なものと、私は理解しています。これは良い美術工芸デザイン、すべてに言えると思っています。
元々の意味は、デザインは工業的な日常製品に施される造形、工芸は手仕事主体の日用品に施される造形、美術は鑑賞のみに特化した造形物、というところだと思っていました。
そして、美術はハイアートと呼ばれ、他のものとは格が違うというアートのヒエラルキーの歴史があることも承知しています。
でも、最近はインテリアデザインの展示会で使用不可能な家具のオブジェが展示されたり、工芸においてはファイバーアートやセラミックアート、メタルアートなどの鑑賞のみを目的とした作品も生み出されています。では、家具のオブジェやクラフト系アートは美術(いわゆるハイアート)なのでしょうか?
そうは見られていないのが現実です。先日見た庭園美術館のステッチバイステッチのカタログにはここで紹介する作家はファイバーアートではなく、現代美術の作家なのだ、という趣旨の表現がありましたし、現代美術ファンはクラフト系デザイン系アートを軽視する傾向は確かにあります。
そこに明確なコンセプトがあるか?という問いはあるかもしれません。しかし、すべての絵画(油絵日本画)や彫刻に明確なコンセプトがあるとは思えません。それでも絵画彫刻は美術以外に括られることはありません。
クラフト系アートは技法重視だから、という意見も聞いたことがあります。でも、絵画彫刻にも技法技術はありますよね。
作家の出身学部の問題?学歴なのでしょうか?それって、あまりに馬鹿馬鹿しくないですか?
ただ単に、今までにデザイン系クラフト系アートにろくな作品が出てこなかっただけのことなのでしょうか?
庭園美術館に行って、疑問に思ってしまったもので。
ご意見、お聞かせ頂ければ幸いです。
お礼
ありがとうございました。あれらの作品をまとめて見る事ができなくたったことがとても残念です。昨日は上野のニューヨーク近代美術館展で「記憶の固執」を見てきました。やはり彼はふつうではないと実感してきました。