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尾崎紅葉の多情多恨について

友人に薦められて、今度尾崎紅葉の多情多恨を読もうと思ったのですが、意外に長そうで読む踏ん切りがつきません。できればあらすじや皆さんの感想を教えてもらえないでしょうか?

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回答No.1

ああ、面白いですよ、それ。内容的にはものすごく下らない、というか無内容とすら言いたいくらいのものだけど、天才的に上手い文章です。ほんと鏡花の先生ですねえ。 読んでて滅法わくわくしたことは鮮明に覚えているのだけれど、どんな話だったかぜんぜん思い出せませんでした。大辞林で牽いても思い出せず、広辞苑の説明で、あーはいはい、あれね、げぼ、と、あらためて呆れました。読んだときもねえ、ほんとに呆れかえりましたよ。主人公の女々しさに。登場人物の誰にも共感も好意も持てない。それより作者は何思ってこんなこと長々書いたものか、ほんとわからない。 でも上手いんですよねえ。一瞬も飽きさせない。なんなんでしょうね、これは。 あらすじはですね、まだ若い主人公が細君に先立たれるんですよ。で参っちゃう。生きていけなくなっちゃう。社会性ゼロの男なんです。 一番親しい人としかまともに話すこともできない。と言うより、一番親しい人であるから話ができる、ってことかな。配偶者である以上は自分の相手、世話をするべきであろう、もっとも親しい友人であるならば、それを措いて親しげに振る舞える人間はいないのだから、思い切り親しく、遠慮なく付き合う、という。ってわけで、最愛の妻を失った主人公は飯も喉を通らなくなって、放置すれば餓死しかねない、ということで、その友人がなんと、たいして広くもない自分ちに引き取ってしまうんですよ。これがまあ新婚家庭、だったか、それに近いもんで、友人の奥さんからしたら迷惑きわまりないんです。でも二階に住まわせることになって。 主人公とこの友人の奥さんとの関係、というのが主軸です。まあねえ、確かにおかしいっちゃおかしいですよ。おかしいは可笑しいで。うーん。 まあ、もしかすると、紅葉って太宰の先祖なのかな。どうしてこんなに情けない男を書くだろう。 私は露伴のほうが比較にならないほど好きですが、どっちが上手いかってことなら躊躇なく紅葉と言います。金色夜叉だって凄く面白いですよ。貫一とお宮って、きっちりヤってるんですよね。これはもうネタバレでもなんでもなくて、最初のほうで分かるように書いてある。学生のくせに。きい。なんちて。

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