他の方と回答の種類が違います。快挙は認めますが、世界的な価値があるかは疑問です。当時はプロ選手の出場が全く認められていなく、オリンピックはステートアマチュア(国家に保護されたアマチュア選手)と呼ばれた、プロとほとんど変わらない待遇を受けていたソ連を始めとする東側の共産主義国家の独壇場でした。西側の資本主義国家は完全にアマチュア選手で構成され、アフリカ諸国のレベルもいまでは考えられないほどに低いものでした。そんな中で東京オリンピックでベスト8の成績を残した選手たちが成熟した日本代表が銅メダルを獲得したわけです。世界大会での3位は快挙ですが、1次リーグで対戦したナイジェリアはA代表ですけど、南米のチームはアマチュア代表です(チリ代表だったかと思います)。準々決勝で3-1で快勝したフランスもアマチュア代表ですし、準決勝ではフル代表で構成された金メダルのハンガリーに0-5で完敗しています。
つまり当時のオリンピックは位置づけとしてアマチュアの世界一を決める大会だったというわけです。しかし地元のメキシコに3位決定戦で勝ったことは賞賛できますし、名誉なことには変わりませんが、アマチュアの大会で世界3位になったというだけことです。このメンバーで2年後のW杯に出場していたとしても惨敗してたと思いますし、現実には予選でイスラエルに敗れて出場権を逃しています。釜本が病気で欠場したのも原因ですが、日本はW杯に出場するレベルには全く到達していなかったのです。そういうチームが3位になったというレベルの大会での成績を、歴史的快挙として日本サッカー界の目標としていたことに違和感をずっと持っていました。やっぱりワールドカップで好成績を残さないと、世界で認められないということです。現在の日本代表もそこに目標を持っているのはいいことです。
でもオリンピック3位は素晴らしいことですし、アジアではこの成績を超えた国はありません。前回イラクが4位になったのが一番近づいたということで、アジア諸国には誇れることです。