皆さん一般法的観点から述べられているようなので私は特別法(著作権法)的観点から述べてみます。
まず、仕事で必死にメモをとる場合には講演に参加している時、あるいは誰かと打ち合わせをしているときなど色々な場合が想定できると思います。
その場合によると思いますが、その録音している内容が思想又は感情が言語で表現されている言語の著作物(10条1号)に該当する場合があると思います。(何も紙面上で文章で表現されているものが言語の著作物に限定されるわけではありません。原稿なしの講演のように口頭で無形的に作成されるものも含まれるし、通常の会話でも感情又は思想が表現されている時には対象となるでしょう(まあ、仕事で感情・・というのはちょっと??ですが))。
録音された対象物が言語の著作物足りうるときに、その思想又は感情が表現された言語の著作物を「仕事上」自分で聞いて報告書に文書としてまとめることはその表現をそのまま書いてしまう等、まとめ方によっては言語の著作物の著作権を侵害することも考えられます。
では、録音対象が言語の著作物足りうるときはどのように報告書に文章としてまとめばいいかというと
一つにはその言語の著作物から事実のみを抜き出し、思想又は感情の表現たる部分を抜き出さないこと、すなわち、事実の伝達に過ぎない文章を作ることにより言語の著作物には該当しなくなります。(著10条2項)
二つには著作権の制限規定を利用した文章を作る等、具体的には引用の規定(著32条)を守った文章にする
等の手立てが考えられます。だだ、通常仕事上では一つ目の方法を主に使っているのではないでしょうか。
またその他個人的に活用する場合に注意することとしては録音物が言語の著作物足りうるときに公衆に一般的伝達をしないことでしょうか。このときは口述権(24条)の侵害になる場合もあります。あと公衆送信権(23条)の侵害の場合も考えられます。
まあ、お仕事の内容にもより、そもそも録音物が言語の著作物を構成しない場合も多々あるとは思いますが、著作権法的には以上のことをご注意ください。