一般論としては,1991年(平成3)にICH(承認申請資料に関わる標準化のための国際会議)というのがスタートし,日本,アメリカ,ヨーロッパの医薬品の規制(許認可)に関する共通ルールを決める作業が進められていますので,海外で承認された新薬が日本で承認されるスピードは今までよりも速くなると期待されます(参照URL).
海外で承認された医薬品を日本で新薬として販売するにあたり大きな問題になることのひとつとして,薬物の解毒にかかわる肝臓の酵素の働きの人種差が挙げられます.いくら白人で副作用がないと確認されても,解毒の酵素の働きが白人と日本人に違いがあれば,服用量を日本人向けに設定しなおす必要があるわけです.そのためには,日本での臨床試験を追加して実施して,日本人で薬の作用と副作用を検討することがどうしても必要になるわけです.ただ,今の日本では新薬の臨床試験がちょっとやりにくい状況にあり,そのために時間がかかっているという面はあると思います.
それ以外の要素としても,製薬会社としてビジネスになる新薬かどうかとかいろんな判断要素も入ってくると思います.
最近では欧米大手の製薬メーカーが,積極的に日本でのマーケット拡大を狙っていますので,新しくFDAが承認した新薬についてはあまりタイムラグなく国内でも承認されるようになると思いますよ.
なおご質問の背景として,ご自身や身近な方の治療薬が国内で未承認で使用できない,ということでしたら,主治医の先生に相談されたら何とかなるかもしれません.
お礼
お返事どうもありがとうございました。 元気付けられました。早く国内でも承認されると期待したいです。 >ご自身や身近な方の治療薬が国内で未承認で使用できない,ということでしたら,主治医の先生に相談されたら何とかなるかもしれません. そうですか。実は、主治医相談しようかと考えたことがあるのですが、家族と相談して、主治医の診断を否定しているように受け取られては失礼かもと思ったので、相談はまだしていないところでした。 でもおかげさまで、ちょっと考えてみようと思いました。