まず、寸法・ユニットサイズについて。基本的にはユニットやキャビネットのサイズで低音の再生能力が決まると考えて良いと思います。電子楽器は別にして、音の低い楽器ほどサイズが大きくなるため、この説明には合理性があります。
ただし、部屋の容積(エアボリューム)や用途に応じて、適切なものを選ぶ必要があります。低音のエネルギーを減衰させるのは困難なため、エアボリュームのとれない小さな部屋に大きなスピーカーを持ち込むと、定在波が目立ちやすくなったり、そもそもまともなセッティングができないこともあり得ます。
6畳間でも、一般的なトールボーイや30cmウーファー級の密閉型くらいまでならなんとか設置できますが、これ以上のサイズのものは相当困難でしょう。むしろ、16cmウーファーくらいの2Wayブックシェルフで、音の広がりや定位の良さを追求した方が手軽に楽しめると思います。(それでも、大型スピーカーは魅力的ですが....)
同じ価格であれば、原価が安くて済む小型スピーカであれば、トールボーイより1ランク上の製品が狙えますから、音の密度感やキメの細かさ、再現性といった聴感上の評価点は上がると思います。
出力に関しては何ともいえませんが、20畳のリビングでも、1Wの音響エネルギーは相当大きな音に感じます。だいたい87dB/2.83v以上くらいが確保できていれば、能率を気にする必要はないでしょう。逆に、100dB/2.83vクラスの超高能率ユニットでは、アンプのボリュームを上げにくくなり、かえって不便という可能性もあります。
材質については、普通はパーチクルボード(木片を接着剤で固めたもの)かMDF(Mid Density Fiber:粒子状にした木にグラスファイバーなどを混合して接着剤で混ぜ、高温・高圧で板状に形成したもの)が用いられています。
高級機種では、高密度MDF(高密度なのにMid Densityとは意味不明ですが....)や、場合によっては無垢の木材が用いられています。アルミ押し出し材やその他の素材を使うものもあります。
また、普及価格帯の製品では塩ビシート仕上げがほとんどですが、中級機種以降では無垢突き板仕上げやピアノフィニッシュ、ハンドポリッシュなど、見た目の良さにもコダワリが出てきます。(音質にも影響があります。)
話は変わって性能云々の話ですが、FR-S9GXにSX-L33くらいなら、それなりに音質の違いは楽しめると思います。ただ、アンプやプレーヤーをより良いものにすれば、結構よく反応するスピーカーではあると思いますので、その点ではポテンシャルの限界まで引き出せるということにはならないでしょう。
最近のスピーカーは小型で低音の再生能力を欲張るものが多いので、かなり「アンプ喰い」のようです。逆に言えば、まず気に入ったスピーカーを見つけた上でアンプをどんどんグレードアップしていけば、かなりのところまで音質の向上が見込めるのではないかと思っています。
駄文・長文で失礼しました。
お礼
いろいろと細かくありがとうございました。 非常に参考になりました。感謝しています。