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神奈川県の公立・中高一貫校設立計画の本音は何でしょうか?
新聞の報道によりますと、神奈川の教育委員会は、県内に二つの中等教育学校を設立する案を提出しました。すなわち、大原高校(平塚市)と相模大野高校(相模原市)を中高一貫校にするというのです。もちろん中高一貫にはそれなりのメリットは考えられます。しかし、私には問題のほうが多いように思われるのです。 この公立中高一貫校は、調査書や面接のみで生徒の選抜するそうです。しかし、現実問題としては、私立中学入試体制と無関係というわけにはいかないと思うのです。ところが、大原高校は旧平塚市の三番手の高校で偏差値55程度、相模大野高校は旧相模原南部地区の一番校で偏差値60程度なんですね。ということは、(東京や千葉のように)公立エリート校を建設しようという意図があるわけではないと思うのです。(もし、そのつもりならば、湘南高校あたりを一貫校にしなくては駄目です)。むしろ、逆に、私立中堅校の滑り止め的学校になり、相模大野高校あたりは、一番校としての地位と誇りの低下を招くだけだと思うんですね。教育界に混乱をもたらすだけで何のメリットもないように、私には思われるのです。私立に行けない人にも、中高一貫校に行く自由を与えたつもりなのかもしれませんが。。。 神奈川県は、本音では、何を考えているのでしょうか。あるいは、何も考えずに、他県を真似してこういう政策を取り入れているのでしょうか? 誰か、とくに内部事情に詳しい方、教えてください。
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現職の高校教員です。mon03さんのおっしゃる通り、神奈川県教委の施策には理解しがたい面がありますね。 県教委は10年計画の改革プランのうち、すでに前期5年分を終了。後期5年計画に着手したところです。ご質問の「本音」については、10月8日のニュースを見てもわかるとおり、私学に対する圧力を利用した「責任逃れ」があるように思います。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041007-00000217-kyodo-soci 「100校計画」の失策を県民から追及されることを恐れ、「公立学校は今後も重要」というイメージを県民に広げたいのでしょう。東京のように明確な目的はなく、私学を追い込むことで公立の存在意義を維持しようとしています。「学校の造りすぎ」が、納税者である県民から「先の見通しもなく、なぜ統廃合が必要になるほどの学校を造り続けたのか」という追及を受けるからです。 「統廃合」の印象の悪さを避け、「再編」という甘い言葉で改革に支持を得ようとしているのではないでしょうか。 その結果、苦しんでいるのは現場の子供たちと教員です。一部の教育委員による現場を無視した改革のために、子供たちは混乱し、戸惑い、教員も対応のしようがない状態です。前後期選抜・2期制・学区撤廃など、市場におもねるばかりで子供たちの不安を解消する施策はほとんど示されておりません。子供たちの身になって考える姿勢を忘れた教育は、とうてい教育とは呼べませんね。 小中学生に対して「将来のしごと」の中身を十分に説明しなければ、山のように用意された選択肢の中から、子供たちが目的意識を持って受験先を選ぶことはできません。箱を用意して「さあ、好きな箱を開けてごらん」では、昔からの無責任なやり方と何も変りませんからね。 「教育を選び、受ける自由」も大切にしてほしいと思います。公立も私立も、子供たちの願望をよく踏まえて、本人のよい資質を引き出す教育を心がけて行きたいものです。
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- overtone
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東京都でもありますが。 (たぶん)将来の少子化に対するものでしょう。 学校数や教員数を減らせますからね。統合で。 人口の増減は、予想できるかできないかはわかりませんが・・。
私は教育関係者ではないので内部事情まではわかりませんが、知っている限りのことをお答えします。 過去に相模原地区の県立某高校に教育実習に行っていました。そこの校長先生が「神奈川県に中高一貫校につくる予定で将来的にはうちも。」と言っていました。昔、神奈川県は公立高校を100校つくるという計画を立て、現在もそのぐらいの数の高校が存在しています。しかし、少子化の影響で定員割れが起きる高校もあり、今は増えすぎた高校の数を減らす計画があります。廃校ではなく、統合という形をとるのではないでしょうか。中高一貫も統廃合も個人的には賛成できませんが。。。
お礼
ありがとうございました。ちょっと昔の段階で、中高一貫校ができることがわかっていたのですか。 また、たしかに高校の数は、どんどん減っていますね。なかには歴史のある学校まで統廃合の対象になっています。(小田原城内高校がそうだったと思う)。さらに、さまざまな専門課程が誕生し、多くの中学生を混乱に陥れているように見えます。(国際○○課だとが増えていますが、普通の中学生には、選択肢があまりに広すぎると、単に迷うだけだと思われます)。 こういうちぐはぐな政策を見ていると、神奈川県の先見性のなさだとか、理念のなさが、最大の理由かもしれないとも考えられますね。
お礼
ginga01さん、丁寧なご返事有り難うございました。 「責任逃れ」あるいは、失政の誤魔化しのように考えればよいのですね。私自身は、100校計画の失敗と、今回の中等教育学校の建設とを、関連づける視点は持っていませんでしたが、なるほどと思いました。 ほかに理解しがたい政策を上げると、学区の完全撤廃です。神奈川の中学生に必要なのは、隣接する学区を受験する自由で十分だと思うからです。(私は相模原南部地区に住んでいますが、大和学区の学校を自由に受験・進学できるほうが、なにかと便利です。しかし、わざわざ横浜の中心部の高校に進学する必要はありません)。 国際○○科の乱立も、真面目な教育的意図があるとは到底思えません。たしかに、「私学を追い込むことで公立の存在意義を維持しよう」という不埒な根性があるようですね。