こんにちは。
私は2年前、大動脈の直径が60ミリになり、弁閉鎖不全になったということもあり、破裂予防のため、手術(ベントール)を致しました。人工弁(機械弁なので、かっちかっち、と時計みたいな音がしますが、夜寝るとき、静かなときに思い出すだけで、普段の生活では気になりません)と、人工血管が入っています。1ヶ月ほどの入院で、社会復帰には、大事をとって約3ヶ月かかりました(胸部の骨を切断して胸を開くわけですが、その骨がくっつくのにもそれくらいかかるそうです)。瘤のできる場所もいろいろあるようですが、私は心臓のつけねの大動脈が膨らんで、洋ナシ型になりました。
最初ふくらみかけたときは、何の自覚症状もなかったのですが、さすがに60ミリにもなると(弁が閉じきらないで血液が逆流するので)、階段を上るだけで息切れがし、不整脈があったりして、精神的にも不安定でした。手術の2,3ヶ月前には、ジゴキシンという薬を飲んでいました。食欲がなくなり、やせました。
術後は、数日でICUを出て、1週間もしないうちに、体に入れていた管は総て抜け自分でトイレに行けるようになりました。初めは自力で息をするのも食事をするのも大変で、普通にしていたことなのに、実は生きるってこんなにもエネルギーの要ることなんだ、とつくづく思いました。しばらく熱の出る日が続きましたが、熱が下がれば嘘のようにすっきりし、初め違和感のあった人工弁もだんだん体に馴染んでいくのがわかりました(これを言っても信じてもらえないのですが)。人工物が体の中に入っているので、生涯血をサラサラにする薬(私は、ワーファリン、パラミヂン、バファリン)を毎朝一回飲まなければなりません(飲まないで生活されている方もいらっしゃるようです。そこは主治医にお任せします)。納豆・わらびなど、ビタミンKが含まれた食べ物は薬の効力を落とすので、食べられなくなります(納豆・わらび以外は、つけあわせ程度なら食べてます。納豆・わらび以外でそんなに神経質にならなくてもいいと言われました)。また、薬の量が適切かどうか、2ヶ月に一回病院へ行き、採血し、薬の量を調節します(私は、薬の量が変わることはめったにないのですが)。ですので、出血(ひどく体をぶつけたりするようなこと)には気をつけています(最初、鼻血がよく出ました。これも個人差があると思います)。あと、歯を抜く、とか、別の手術があったりした場合、何日か前から薬を飲むのを止めないといけません(何をするにも事前に主治医に相談します)。それから、人工弁は、細菌(歯から膿がでる、など)が大好きなので、化膿したら抗生物質を飲んでいます(弁に細菌がついてしまうと、その弁をとりかえなければいけないのですが、大変な手術になるそうです→取り替えても、体の中で増えた菌を殺すのが大変なのだそうです)。
注意することはありますが、今は運動能力も上がり、手術する前より元気です。不整脈も息切れもなくなり、体重もあっというまに15キロ増えました。あの息苦しさが消え、健康ってなんていいんだろう!って思いました。なにより、不安定だった心にも微妙な変化があり、すっかり逞しくなりました。
年齢的に、wacchanさんのお母様と、私とでは治るはやさに若干違いがあるかもしれませんが、同じ病を持っていた私は、今、とても元気です。
解離してしまってからでは、手術も大変ですし、命の危険度も高くなります。お医者様からお話があった時点で、お医者様と相談し、手術に臨まれたほうが良いかと思います。
私の手術のとき、母がとても悲しみました。自分の体にさえメスを入れたことはないのに、と。私自身は、自分のことなので、ノーテンキだったのですが。
ご心痛のことと思います。
心臓は、悪いところさえ治療してしまえば、劇的に治ります。お母様も初めてのことで不安だろうと思います、どんなことも一緒に超える気持ちで傍にいてあげてください。それが、いちばんの力(心の支え)になりますから…。
成功と快復をお祈りしております。
お礼
とても分かりやすく、安心できる内容で、これなら母に勧められると思いました。なんだか私が手術を受けてもいいような気持ちにさえなりました。いろいろなホームページを見ると、術中や術後の合併症や死亡率なども書かれており、不安をぬぐいきれなかったのですが、EARTHさんの体験を読む限り、「母ならがんばれる」と確信できました。痛い思いもたくさんあるけれど、その後の人生を考えたら、わずか数週間の苦しみであればがんばってほしいと願います。EARTHさん、本当にありがとう!!EARTHさんの書いてくださった部分、印刷して、母に届けます。きっと、母にも勇気がわいてくると思います。ありがとうございました。