湯シャン……むいているかどうかと言えば、日本人と言うか日本と言う環境には適さないと考えられます。
と言う事で、理容師です。
髪の毛が改善されたと言うご友人の場合、本人の怒りを買う覚悟で書けば、湯シャンを始める前のシャンプーの仕方に問題があったため、湯シャンする事で、改善出来ただけです。
簡単に言えば、「すすぎ不足」が改善されただけです。
シャンプー剤に含まれている洗浄成分がすすぎ不足によって何回も頭皮に残っていますと、頭皮は常に乾燥肌になってしまい、頭皮が荒れてしまいます。肌が荒れるということは、菌やウイルスの侵入を容易にしてしまい、命の危険を招く可能性が出てきます。これを回避しようとして私達の身体は肌の修復を試みる訳なんですが、そのためには、材料と応援団が必要になるのです。んで、困った事に、肌の材料は髪の毛の材料と全く同じの為、頭皮が荒れた場合は、頭髪に届くはずだった髪の毛の材料が肌の修復に回されてしまうのです。また、髪の毛が伸びるのも肌を修復するのも、それぞれの元となる細胞が活発に分裂しなければなりません。その刺激は成長ホルモンに代表される細胞分裂刺激ホルモン(私が勝手に付けた名称なので、別に正しい名称があるかと思います)によって与えられます。このホルモンも重要度の高い場所から届くようになっていますので、頭皮が荒れていれば、頭髪より頭皮に優先的に届くようになります。
これらの理由等により、すすぎ不足を繰り返していた間は、頭髪に十分な量の材料と応援団が頭髪をつくる毛根に届きにくかったことから、湯シャンし始める前は髪の毛が細く、髪の毛が細いという事は髪の毛を作る毛根が小さい為に、抜け毛も多かったのだと考えて良いでしょう。
そして、湯シャンを始めたことで、残る訳が無い洗浄成分が残らなくなった上に、それまで残ったままだった洗浄成分がすすぎ流せた事により、肌荒れの原因が無くなり、頭皮が回復し、頭髪にも十分髪の毛の材料と応援団が届くようになった為に、髪の毛も回復出来たと考えられます。
さて、問題は、私達は日本に住んでいるという事です。
高温多湿!
汗掻き放題の上に乾き難い!
このような環境に住んでいる為、古くて剥離した角質などと汗が混ざり、非常に雑菌等が繁殖しやすい状態になりやすいのです。
雑菌が繁殖しやすい環境とは、例えば、40℃前後の温度、水分があること、そして、餌が豊富。
湯シャンは、すすぎ不足を改善しますが、皮脂と汚れが混ざったものを洗い流すのは苦手です。皮脂だけ、汚れだけなら洗い流す事も出来ない訳ではないのですが、混ざると粘着性が生まれるためか、シャワーだけでは難しいです。
んで、皮脂と混ざった汚れが頭皮にありますと、それを餌にして、雑菌が繁殖します。臭い菌も雑菌の1つですから、やはり、繁殖します。んで、ある一定以上繁殖して増えますと、臭ってしまうわけです。
暑くても、湿度が低ければ、掻いた汗もすぐに乾きますから湯シャンでも大丈夫だろうけど……(まぁ、何でも限度はありますよ)。
シャンプーの仕方
1.
まず、シャワーで頭皮をすすぎ洗いします(1~2分程度が望ましいですね)。
2.
ポンプ式ボトル入りシャンプー剤の場合、ポンプ1回押しの量、それ以外のボトルに入っているシャンプー剤の場合を、100円玉~500円玉くらいの量を、手に取り、数滴水分を加えてから、よく泡立たせます。泡で出てくるシャンプーボトルは使用しないで下さい(シャンプーマッサージに適さない濃度のため)。泡立たせるのに、ボディシャンプー剤の泡立て器を流用しても良いですね(ボディシャンプー剤は髪の毛を傷めやすいので頭皮や髪の毛には使わないで下さい)。
3.
泡立たせたシャンプー剤を頭皮全体に塗ります(この段階で皮脂や汚れなどをすすぎ落とす準備は出来ていますので、このあとすぐにすすぎ洗に移行しても構いません)。泡を全体に塗ったら、頭皮をマッサージします。
4.
髪の毛を掻き分けながら、頭皮全体をすすぎ洗いします(2~3分程度が望ましいですね)。自分の頭をシャンプーする場合、下を向きながらすすぎ洗いをしていると思いますので、前髪の生え際をすすぎ洗いする時は、シャワーノズルを持っていない手の手のひらを凹ませ、シャワーのお湯をそこに溜め、そのお湯を前髪の生え際に叩きつけるようにしてすすぎ洗いをしてみて下さい。
注意点
爪をたててシャンプーしてしまいますと、頭皮が傷つきやすくなってしまいます。頭皮が傷つきますと、そこから雑菌にとって栄養豊富な体液が出て来ますので、割と早く頭が臭うようになります。また、傷が治る際、人にもよりますが、痒くなることがあります。
と言うことで、スマホ画面をタップする際に画面に触れる部分、または、キーボードに触れる部分で、シャンプーマッサージをするようにして下さい。
質問者さんの性別がわかりませんが、男性の場合、思春期以降60歳前後までは、頭皮からの皮脂が多く分泌されています。女性の場合は、思春期から30~35歳くらいまでだったと思いますが、やはり、頭皮から皮脂が多く分泌されています。それを過ぎると皮脂の分泌量は減少するのですが……。
皮脂分泌量が多い期間は、可能な限り、毎日、シャンプー剤を使うのが望ましいですね。まぁ、汗を搔きにくくなる冬場はシャンプー剤使用頻度を下げても構いませんが……。
シャンプーをする上で重要な事は、シャンプー剤の洗浄成分が残らない様にすすぎ洗いする事ですね。逆に言えば、洗浄成分が残りにくい濃度にしやすいシャンプー剤を使うと考えても良いでしょう。
また、シャンプー剤を探す上で大切なのは、細かい泡をつくりやすい事が重要です。と言うのも、髪の毛を保護している「キューティクル」はタンパク質で出来ているため、水分を吸収しやすいです。そして、水分を吸収すればするほどキューティクルは柔らかくなり、ちょっと擦れただけで簡単に欠けてしまうようになります。キューティクルが欠けて穴が開いてしまえば、髪の毛が傷みやすくなるのは言うまでもありませんよね。そのため、シャンプーのときには細かい泡でキューティクルを保護する必要があるのです。ボディシャンプーや化粧石鹸では細かい泡を作りにくい為、シャンプーには不向きです。
と言うことで、私がオススメしたいのは、「洗顔石鹸」です。泡立てる時は、手洗いや洗顔の時と同じ要領で泡立たせればOK。これなら、必要最小限の洗浄成分でシャンプー出来ます。
1つ問題があって、ご存知のように石鹸でのシャンプーのため、シャンプー後、髪の毛と頭皮がアルカリに傾きます。短い時間とは言え頭皮の免疫機能が低下しますし、何よりも髪の毛がしばらくゴワつきます。
もちろん、リンス(と言うのが正式名称なのですが、コンディショナーと混同されていたことから、昔は「酸性リンス」と言い、最近では「酢リンス」とも言われています)をすれば問題解決なのですが、市販リンスはちとお高目だし、シャンプー剤を使うたびに、洗面器1杯のお湯に大さじ1杯の酢を混ぜたものを用意するのも面倒でしょうから、無理には勧めませんよ。ちなみに、酢は、りんご酢が人気みたいです。あと、特に女性向けかもしれませんが、香油を1滴そこに加えるのも一興ですね。
シャンプー剤を毎日使っても、頭皮や髪の毛に洗浄成分を残さないようにすれば、問題はありません。もちろん、シャンプー剤を市販の安いものでも構わないのです。
要は、使い方なんですよ。
お礼
美容師さんなのですね、詳しい説明ありがとうございます。とても、参考になりました。俳優さんで数名、湯シャンで髪がフサフサだと話題になったことがありましたが、全員、男性でした。女性で湯シャンを勧めている方は見当たりませんでした。その辺も疑問でした。ちなみに私は女性でロングヘアです。