オイルショックが1972年の出来事です。
このとき、デマなんですけど、トイレットペーパーがなくなるという噂が飛んで主婦たちが目の色を変えて買いあさりだしました。当然スーパーなんかの在庫はなくなります。そしたら目の色かわってますから、製紙会社までおしかけていって、ここにこれだけある、隠していたんだ、とケチをつけだしました。
メーカーにものがあるのは当たり前です。それを商社なりに売って、商社が小売店に販売して、小売店から消費者が買うんだ、という、小学校でも教えてくれる経済構造を完全に無視した主婦どもが、メーカーが在庫隠しをしているのなんのといういいがかりを恥もなくマスコミなんかに向かって騒いだことが全国ニュースになったら、そりゃクリネックスもスコッティも大悪人ということにされます。
このときは洗剤とか石鹸の類が同じ騒ぎに巻き込まれました。
当然ですけど、そうなると商品にはプレミアがつきます。闇値が発生するのです。100円の洗剤が400円でも買わなければ生活が成り立たないと思い違いをした主婦たちにそういう価格が蔓延しました。
ひとつふたつの商品でこういうことが起きるとなるとそれは他の商品にも伝染します。いくらでもいいや、あるなら全部くれ、というような意識になっていますから売りて勝ちと言うことになります。そりゃインフレになります。
インフレというのは、経済がうまくまわることで活動の幅がだんだん大きくなり成長をすることですから、本来は望ましいことで、それがケインズ経済学なんですけど、こういう無茶な値上がりが始まると、もはや経済行為としての健康な動きではなくなります。
思いっきり低能のバカ騒ぎと言うべき歴史でした。
家の中に、何十年使うんだというトイレットペーパーを積み上げたため寝る場所がなくなった家があったりするようになりました。高湿度なんかの物置にいれておくことでカビが発生したり水を含んで腐ったりしだしましたので結果的にどうしようもないことになった。洗剤をためまくった家では、湿気のせいで洗剤がかピカピに塊り、スプーンではどうにもならずレンガ状態になりました。
で、ある時期から、街のごみ置き場に大量のトイレットペーパーの山が積まれたりブルーダイヤの箱が手付かずに積みあがったりしました。
10万出して買って、9万円分ぐらい捨てたかもしれませんね。
そのお金は、経済に回ったのですから、インフレにはなります。なんというおろかな歴史を持っている国家なんでしょうか。
お礼
ご回答ありがとうございます。なるほど第二次大戦までさかのぼって考えるとすんなり理解できる部分もあります。第一次大戦や第2次大戦で欧州は焼け野原になったし、無傷で残ったのはアメリカだけですから、70~80年台初頭の世界的な金利上昇はその前の戦後のアメリカ・ドル一人勝ちで割高なドルのレートが維持できた時代からベトナム戦争でアメリカが疲弊した事による揺り戻しだったという事ですね。