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冷鍛品の熱処理について
- 冷鍛品の熱処理についての理解を深めるために、焼きならしの必要性や冷鍛品のメリット、高周波焼き入れにおける鍛造肌の切削についての情報を求めています。
- 冷鍛品でも高周波焼き入れを行うためには焼きならしは必要なのか、また冷鍛品を焼きならしすると加工効果が失われるのかについての情報を求めています。
- 鍛造メーカーに問い合わせたものの、下流工程の情報を持っていなかったり、トライしないとわからないと言われたため、関係者の方に質問させていただきたいと思っています。
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> ・冷鍛品でも、高周波焼き入れするには焼きならしは必要か? 決して、必要というわけではありません。 素材の慎重な熱処理と潤滑処理、中間焼きなましと再潤滑などの余分な工程が必要になる 場合が多いのですが、高周波焼き入れする際に問題が発生すれば“中間焼きなまし”で 対応する方が望ましいでしょう。 高周波焼き入れする前では、焼きなまししても充分に効果がでない場合があり、 加工硬化の恩恵も減ってしまいます。 > ・逆に冷鍛品を焼きならしすると、メリットである加工効果でなく加工硬化が 失われないか? 冷間加工を受けた製品は組織が微細化し、ファイバーフローが切断されていないので、 耐摩耗性が良くなります。 また、冷間加工硬化による強度上昇や、軟質材の場合には被削性向上などの利点があり、 兼価な素材の使用や、熱処理の省略ができる場合もあります。 加工硬化の恩恵は減ってしまいますが、加工しない箇所のファイバーフロー切断がないし、 製品は組織が微細化しているので、耐摩耗性は良くなりますとなります。 > ・高周波焼き入れするには鍛造肌の切削が必須か? 切削か研削かは不明ですが、必要と考えます。 (高周波焼き入れする必要があった理由で、必要と判断しました) > だいなりdainarファイバーフローは機械的性質では靱性、疲れ強さに顕著な効き目があるが、 > 耐摩耗性とは原則的に硬さだけで説明出来るもの。したがって、この記述は正しくない。 に関しては、“自信なし”が原則的に硬さだけで説明と、原則論で記述している内容です。 論文等は無いものの、似た事は某重工の担当者も言っていた事で、各段の差はないが、 組織が微細化し、ファイバーフローが切断されない方向に冷鍛されると、効果は小生でも 想像できます。(大きな影響はない内容ですので、後は質問者の判断とします) ファイバーフローに沿って摺動すると、耐摩耗性は向上すると言っていたし、 実際に考えてもそのように思えます。 何でもそうですが、繊維にそって撫でるのと、繊維が切れた処を撫でるのでは、傷みは変わってくる筈って理解し、覚えていました。 格段の差はないが、効果はありです。(微細化と共に) 硬さ増大+粗さ向上 = 耐摩耗性向上 】≠【 ファイバーフロー = 強度・靱性の増大 の記述ですが、 粗さの向上に加えて、粗さの方向性と均一性となり、それがファイバーフローとなる考えです。 > 起源と思える表現 だが、 下種の勘繰り(げすのかんぐり)本来の意味は、 卑しい者は不必要に気を回して、見当違いの邪推をするということ となるが、 Guess(ゲス)の勘繰り となっているようです。
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>鍛造メーカーに問い合わせても、下流工程の情報をお持ちでなく、 トライしないと判らないと言った状況です。 現実的には 冷間鍛造の製品は出来る限り 後工程で加工をしない傾向なので 情報が少ないのでは? 冷間鍛造は精度的・強度的 にも型や機械に求められるレベルは高く 当然 費用も高くなる(例・ダイス鋼→超硬) それをペイするに余りあるメリットが必用 省ける工程は「焼ならし」・「切削」 素材変更で強度を上げて「高周波焼入れ」・「研削」 など >・冷鍛品でも、高周波焼き入れするには焼きならしは必要か? >・高周波焼き入れするには鍛造肌の切削が必須か? 冷鍛の肌なら必用は感じないが・・・ 実証が必要なことは言うまでもない 現状工程でも「研削」→「切削」に変更されている製品も多いし 面粗さや表面の加工硬化を狙った加工方法もある http://www.sugino.com/products/yoto/roller_b.html http://www.sugino.com/products/db/yotoprod_b.asp?seq_no=275 大元の鍛造方法を変更するなら素材を含めた検証が必要と感じます。
お礼
ご回答頂きありがとうございます。 お礼が遅れてしまったことをお許し下さい。 仰るとおり、「ペイするに余りあるメリットが必要」でして、 安易に切削レス→冷鍛という発想が先行してしまったため、 勉強させて頂いています。
従来熱鍛していたものを冷鍛にするので、形状が冷鍛ではハイレベルで、表面にかなりな歪みがあるはず。それは引張応力メインと考えられる。 高周波焼入れは圧縮応力。それが使用上どうなるか?何とも言い難いように思います。先例豊富なギアとかなら実例も解析例も多いでしょう。 ・冷鍛品を焼きならしすると、メリットである加工効果が失われないか? その通り。しかし全く失うのではない。 ・高周波焼き入れするには鍛造肌の切削が必須か? 面状態によるでしょう。例えばネジ転造のような滑り面なら不要だが、圧縮を受けササクレ立ったような面を高周波焼入れし、そこに引張応力を掛けると危ない。 回答(1)資料 冷間加工を受けた製品は組織が微細化し、ファイバーフローが切断されていないので、 耐摩耗性が良くなります。 また、冷間加工硬化による強度上昇や、軟質材の場合には被削性向上などの利点があり、 兼価な素材の使用や、熱処理の省略ができる場合もあります。 ファイバーフローは機械的性質では靱性、疲れ強さに顕著な効き目があるが、耐摩耗性とは原則的に硬さだけで説明出来るもの。したがって、この記述は正しくない。 ★回答(1)資料の起源と思える表現 http://www.yamato-ss.co.jp/pages/products_spline-1.html 1.耐磨耗性の向上 冷間転造加工のため歯面の硬さは向上(Hv250以上)し、又歯面の粗さは0.7μRmax以下の なめらかな鏡面仕上げとなっているため耐摩耗性が良くナットの組み合わせによる動きも 極めてスムーズです。 2.機械的特性の向上 転造された軸の歯面の内部組織は、ファイバーフローが歯形の輪郭に沿って生じ、歯元部の組織 が極めて密となり疲れ強さが増加しています。 また、繊維組織の切断がありませんので機械的性質に優れています を、端折って転記すると、ファイバーフローが原因で耐摩耗性が良くなるかの誤解を生じる。というか転記者も信じ込んでしまっている。 硬さ増大+粗さ向上 = 耐摩耗性向上 】≠【 ファイバーフロー = 強度・靱性の増大 の関係です。従って、 ・耐摩耗性だけが必要なら、高周波焼入の硬さを考えるだけでよい。 ・強度・靱性を要するなら、話が複雑にならざるを得ない。 判断する際に非常に重要な分岐点です。 ネット情報は混乱極めており、安易に信用できない。 ★正しいと思われる表現 http://www.tokiwa-web.jp/work2_3.html ファイバーが流れることにより材質の均一化が図れその 強度・靱性は増大します。 http://www.crea-tech.co.jp/helical_gear/ 塑性加工は材料のファイバーフローが切れなくなるため、靱性が高くなります http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/uec_lec/data/lec04_seisaku.pdf ファイバーフローが切断されない=靱性(じんせい:粘り)が高い http://www.nisseiweb.co.jp/library/2.html 切削加工とは違い、右図に示すようにファイバーフロー(繊維状金属組織)が切断されません。 また、塑性変形によって被加工面が組成硬化します。 そのため、加工製品は強い強度を得ることができます。たとえば、ボルトなら切削に比べて 1.5倍以上の強度です。 ★コトバが絡み合っており、分解して理解する必要 http://www.yamamura-mfg.co.jp/f-forging.html 鍛造材の断面にてファイバーフローが見られたことから、刃物の材料に必要とされる硬さだけ ではない材料強度、耐摩耗性、靭性が向上していると考えられる ★回答(1)資料と似た主旨。 http://www.oitech.co.jp/business/development.html 金属材料を加圧する強大な力が、ファイバーフロー(繊維状の金属分子)組織を破壊する ことなく変化させるので、耐摩耗性や強度といった金属特性を向上させます。 http://www.asi-nf.co.jp/sreikan.htm 冷間加工を受けた製品は組織が微細化し、ファイバーフロー(繊維状組織)が切断されて いないので、耐摩耗性が良くなります。 ★ホーマーと冷間鍛造とで別の書き方! http://www.suzutoyo.co.jp/manufacture.html 切削加工に比べ、ホーマーで圧縮加工されたものは全体にほぼ一様に変形されるので性質が均一 に保たれます。そのため、引っ張り応力に強く、衝撃や疲労破壊に対して高い強度を持ちます。 冷間鍛造プレスは、室温において材料に非常に高い圧縮荷重を与え、塑性変形させ成形する プレス機械です。 切削加工に比べて、冷間加工を受けた製品は組織が微細化し、ファイバーフロー(繊維状組織) が切断されていないので、耐磨耗性、被切削性が向上します。 製品形状が単純なら、鍛造でどういった性状になるかは、数値で出さなくとも現在品との比較論はできますよね。仕上げの加工も不要な可能性大。 あとは判断基準(再記) ・耐摩耗性だけが必要なら、高周波焼入の硬さを考えるだけでよい。 ・強度・靱性を要するなら、話が複雑にならざるを得ない。 回答(1)のサイト記述を安易に信じる姿勢は http://mori.nc-net.or.jp/EokpControl?&tid=258567&event=QE0004 と同症状。追記内容との論理が合わないのも
お礼
ご回答いただきありがとうございます。 先の回答者殿へのお礼と重複してしまいますが、 回答者間で議論して頂いたおかげで、 耐摩耗性とファイバーフローの関係について考えることができました。 議論がなければ、気に留めることすらなかったと思います。 今回の製品形状は至ってシンプルだと思っていますが、 形状よりもサイズの問題があるようです。 (メーカーの選定不足かもしれませんが。) 圧縮・引張応力には一切考えが及びませんでした。 トライ予定がありますので、その辺についても注意してみたいと思います。
お礼
ご回答いただきありがとうございます。 また、回答者間で議論して頂いたおかげで、耐摩耗性とファイバーフローの関係について考えることができました。 議論がなければ、気に留めることすらなかったと思います。 今回は残念ながら、ファイバーフローと直角に摺動するため、 フォローの恩恵は得られそうにないです。 焼きならしをするとメリットは目減りすることがはっきりしましたので、 材質、焼き入れの変更なども視野に入れて検討していきたいと思います。