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ABS樹脂のソルベントストレスクラックについて
- ABS樹脂のソルベントストレスクラックによる製品破断の原因と解決方法を解説します。
- ソルベントストレスクラックの発生メカニズムと再現方法について詳細に分析しました。
- 市販品の溶剤を使用してソルベントストレスクラックを再現する方法について教えてください。
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ABSのストレスクラックは溶剤ばかりが原因では無いと思います。市販されている洗剤などでも発生します。たとえば便座などではABSが使われていますが、市販の洗剤でクラック発生が多発したため、PPに変更したり、便座メーカーが専用洗剤を開発するなどがされています。又、あるロットで多発しているので有れば、先ずその物自体の材料の分析をすれば、決めている材料か違う材料かが解ると思います。御存じのようにABSにも多くのグレードがあります。最近では耐薬性の高いものも出ています。又、市販の洗剤なども常に中身が変わっています。今まで問題の無かった洗剤が突然使えなくなることも有ります。ABSに攻撃性が強いものはトイレなどで使うものに多いようです。 又、油にも弱いです。まずは材料分析をメーカーに出されることをおすすめします。
下記サイトにソルベントクラックについての記載があります。
各種薬剤と臨界ひずみの関係は材料メーカーがデータを持っているので問い合せされることをお奨めします。グレードによって臨界ひずみ値は違いますのでお使いのグレードでメーカーに確認されてはいかがでしょう。 一定期間の生産品のみとありますが、そのロットが成形残留ひずみが大きかったのでは?ということをお疑いなら、成形残留ひずみはABSの場合酢酸でチェックすることが多いです。特定ロットと良好なロットとを酢酸浸漬で差がでるかどうか見ることで目安はたてられると思います。 ただ、特定ロットに集中の要因は成形残留ひずみだけでなく、例えば材料不良(リターン材の多用とか)他にも色々考えられます。幅広く検討(例えばMI比較とか)が必要な気がしますが。 ストレスクラックについては本間さんの記述がわかりやすいと思います。 www.plastics-net.com/magazine/plastics/200403_87-96.pdf
お礼
資料参考にさせて頂きます。アドバイス有難うございました。
ネット検索で見つけた情報です。 http://www.sharpchem.co.jp/pdf/policaseal.pdf シリコーンが硬化する際に発生する「ケトオキシム」は,クラックの原因になりやすい。 http://www.tosou-net.com/check/taisaku/sa10.html 芳香族系、エステル系、ケトン系などの溶剤は,アルコール系に比べ ソルベントクラックを起こしやすい。 ご質問の趣旨とは逆になりますが,アルコール系は問題が少なそうですね。
現象が市場で起きているのならば, (1)どういう業種のお客様か。 (2)客先でどのような環境下で使用され,どんな時に壊れたのか。 などの情報は入手されているのでしょうか? 上記の情報をまず調査し,何の溶剤が使用されていたのかを確認するのが第一だと思います。それがわかれば話しは早く,その溶剤を使った再現試験を実施すればいいはずです。 ABSなので,種々の溶剤にアタックしやすいのかも知れませんが,適当な市販品の溶剤を使ってソルベントクラックが発生しても,それは無理矢理発生させただけで,実際の現象が再現したとは言い切れません。やはりフィールド調査が最優先なのではないでしょうか。 あと,「一定期間の生産品のみで発生していることから,現在ソルベントストレスクラックによる要因と考えています」ということですが,これが即座にソルベントクラックであると断定できるのでしょうか? ソルベントクラックなら,ABSであればロットに関係なく起こり得るのではないのでしょうか?
補足
アドバイス有難うございます。 あまり細かい話は業務上公開できないのですが、自動車に使われている製品です。また問題が新車販売前の在庫車両で発生している状態にあります。また実際に自動車メーカーに訪問し、実車の検証を行った時点で、溶剤の付着を確認した状態にあります。 おっしゃるとおり、現在溶剤の調査を実施しております。 またLOTにかかわり無く発生する件ですが、特定のLOTでしか実際に問題が発生していないことから、車両側からの溶剤付着、要するに車両側の差異が影響しているのではないかと、推測している次第です。
補足
有難うございます。実は既に材料の分析は実施しており、成型前後、過去の成型品との比較をしたのですが、材料性質に差異が無いことが判明しております。