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磁性流体シールと磁気シールドについての問題と提案
- 真空チャンバーの外周部に磁性流体シールを使用する際、高周波の影響を受ける可能性があります。
- 磁気シールドを使用して磁性流体シールの影響を軽減する提案がありますが、検討が難しい状況です。
- 磁性流体シールメーカー、磁気シールドメーカー、お客様との調整が必要です。
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全体像がよく把握できていないので,トンチンカンな内容になっているかもしれないことをまずお断りして・・・・。 真空容器があって,真空部から大気圧に貫通する回転軸があるものと解釈します。そして,その貫通部の気密シールのために磁性体シールを使おうとしているとのお問い合わせと思います。 #1,#2の方ともにご指摘のとおり,15kWという高周波電力がいったいどういうものかがポイントと思います。 軸を伝って15kWの高周波電力が外部に(真空→大気圧側)出るということですが,例えば,軸が同軸ケーブルのような構造になっていて高周波電力を伝送するものであれば,原理的には軸の外側には電磁界は発生しません。従って,磁性体シールに関して特に高周波を考慮しなくてもよい可能性があります。これに対して,軸の表面に沿って高周波を伝達するようなメカニズム・・・表面波・・・であれば,軸の表面近傍は高周波電磁界が集中しますので,磁性体シールは当然のこととして大きな影響があるでしょう。というより,高周波伝送伝送路の一部として電磁気的な設計に組み入れなければ,真っ当な電力伝送は期待できないでしょう。 15kWが高周波電力でなく,機械的な回転力であれば,電磁気的なシールドによって磁性体シール部をガードすることも十分可能なように思います, ところで,「高周波」の周波数はいかほどですか?また,真空容器と軸の寸法はいかがでしょうか?高周波の電磁気的な振る舞いを考えるとき,周波数から決まる波長と,それを取り扱う伝送路の機械的な寸法によって判断が大きく異なります。 調整にご苦労なさっている様子お察しします。 とりあえずお答えできることとして,同軸ケーブルの情報を貼っておきます。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8C%E8%BB%B8%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB ここに載っている図は,テレビの受信用のφ5~8程度の品物のようですが,大きな電力を扱えるものまで各種あります。電気的には,中心の導体と外側を取り囲むパイプ状の導体,その間に介在する絶縁体が主な構成要素です。 お取り扱いの装置は,回転軸の中に同軸ケーブルの構造を組み込んでしまう設計と思います。大気圧側に回転可能なコネクタ構造を設けて,真空容器内に15kWの高周波電力を送り込む構造。 高周波の周波数13.56MHzは,真空容器内にプラズマを発生させるような用途でよく使われています。波長は22mほど。真空容器とその構成パーツは波長より十分小さい寸法であろうと想像します。 理想的な同軸ケーブルであれば,電磁界は内外導体間の絶縁体の空間のみに閉じこめられていて,外にはいっさい漏れません。しかしながら現実には,真空容器内の構造や状態によって,例えば浮遊容量を介して本体に漏れ電流が流れるなどの現象によって,同軸構造以外の部分にも高周波電流が流れる可能性があり,この成分が磁気シールに悪影響を与える可能性を心配することと思います。 同軸構造外の漏れ出す高周波成分を見積もることができれば,高周波の磁界強度のような数値を指標として,装置メーカーさんと御社(磁気シールメーカーさん)のインターフェース上の取り決めが可能になるのですが,ここが暗礁に乗り上げているということですね。 現実には,以下のような選択肢になろうかと思いますが如何でしょうか? (折衷的な方法も当然あるでしょうが・・) (1)理論的には問題なく,実際上のリスクも大きくはないので,まずは作って実験する。(磁気シール部のみの部分検討の可能性もあり) (2)やはりリスクが心配であり,2社間だけでは技術的に解決の見通しがつけられなければ,専門家(研究機関,大学,コンサルタント・・・・)に相談する。 (3)検討している時間(費用)が不足しているので,実績のある方法に設計変更する。 実際の品物がわからないので,的をはずしているかもしれませんが,高周波の漏れ成分が増えるのは,負荷の状態が異常となった場合と思います。この程度をどこまで見積もれるかが(実験的に検証するか)が一つのポイントと思います。
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回転軸を通して13.56MHzの15kWをチャンバに送り込むというのは、ちょっと めずらしい構造ですね。(大胆というか・・・) おそらく、回転軸はそっくりパイプの中に配置されているに違いないと 思います。そのパイプは回転軸と同軸なはずで、同軸ケーブルのような 構造になっていると思います。(そうでなかったとしたら、相当無茶な 設計です。いろいろなトラブルに見舞われること請け合いです) もしくは、回転軸自体がパイプになっていて、その内側に高周波電力が 通る、という構造かもしれません。この方がリーズナブルです。そして 磁性シールにも悪影響が少ないと思われます。 しかし、いずれにしても回転物にコネクタを設けるというだけでトリッキー ですので、全体を良く知らないと適切なアドバイスはできないかもしれません。 高周波を回転軸と分けて、別なポートからチャンバ内に導入するという 構造は難しいのでしょうか。いろいろな意味でこの方が簡単です。(普通は)
お礼
ご回答ありがとうございます。 出張が重なり、お礼が遅れてしまったことをお詫び申し上げます。 ご指導の通り、回転軸をシールドできる様に顧客に設計して頂きました。 問題はその構造をどこで製作するかが残っておりますが、なんとか進める ことはできました。 ありがとうございます。 この装置自身は製膜装置になるようです。 液晶・太陽電池の類です。上手く行けば、スパッタの装置としては珍しい ものになると私自身は素人ながら思っております。 皆様方のお陰でやっと、雲行きも晴れ間が見えた思いです。 ありがとうございました。
チャンバーと軸受の両方に「磁性流体シール」を使っている。 文面からそう解釈できると思いますが。 どちらに高周波の影響が出ていますか? それとも両方に影響があるのでしょうか? 磁性流体シールは高真空に使う場合2重3重構造にする必要があると聞いた事があります。 高周波モーターの場合は無理ですが、高周波を発生時とそうでない状態の 真空度等の変化を洗い出す必要があるのでは? ご質問の内容では何が問題点なのかよく見えてきません。
お礼
ご回答ありがとうございます。 説明が稚拙で申し訳ありません。 磁性流体シールは真空チャンバーを外部から貫通している回転軸に 装着されています。 真空チャンバーと外部(大気側)との気密性を保つ為にチャンバー の端面に回転軸を取り巻く形になっています。 私も理解していないのですが、大気側の回転軸にコネクターを配して 高周波電源により高周波を軸に伝えるようです。 回転軸が真空チャンバーと接する近傍にアースを取っている様ですが 私は軸受がスパークする、もしくは電食の様なことが起きるように感 じます。 もし宜しければ、またアドバイスをお願い申し上げます。 ありがとうございました。
用語の定義が問題なのですが > ・高周波は15kwにて軸を伝う 回答1さんは軸そのものに15kwの高周波電流を流すと解釈しておられるようですが? この「軸」とは何か? やはり回転軸? そして回転軸自体を導体として使い、軸自体に高周波電流を流すのか? 普通ではあり得ないと思います やはり、普通ではあり得ない事をするからメーカが出来ないと言ってるのか? 常識的には15kwはインバータで高周波駆動されたモータと解釈します そしてモータは真空チャンバの外部に有る 要するに軸自身には高周波電流を流さないと思うのですが 軸に高周波が掛ると言うのは軸の振動周波数が高周波と言う意味では? もしくはモータ付近に高周波電界が出来てシールドに悪影響を与えるのか?
お礼
ご回答ありがとうございます。 軸は回転軸になります。 軸は真空チャンバーから外部に出ている部分にコネクターを設けて います。その部分から高周波を回転軸に伝えてゆく構造になります。 後より確認しましたがモーターは磁気シールドの様なもので覆われて いるようです。 軸に高周波は伝うと顧客より説明を受けましたが、真空チャンバーの 外周にはアースを取っている構造になります。 私は文系の人間で全く工学や電気の知識を持ち合わせておりません。 一般的に高周波電流は回転軸には流さないと理解して宜しいでしょうか? 私も素人ながら電流が回転軸を通ると軸受がスパークを起こすか、 電食が起こると考えております。 振動周波数については全く私は理解できておりません。 理解の至らぬ点や知識不足が災いして、ご迷惑をお掛けします。 お手数でなければ色々とお教え頂ければと思います。 ありがとうございます。
私は磁性流体については詳しくありませんが、15kWの高周波が加わっている 軸を電気的にどう扱うべきかについて気がついたことを述べます。 前提として、高周波は軸を伝わって外部からチェンバーなどの内部へと 導かれる、という構造だとして考えました。 大切なことは磁性流体への高周波が与える影響よりも、高周波が軸受けから 外部へ漏れないようにすることのように思います。15kWものパワーが 本来電気伝導用でない部分(軸受け、磁気流体)を流れると、おそらく 大変な熱やスパークが出て、軸受けを破損したり、肝心の負荷にパワーが 行かなくなってしまったりします。 高周波の周波数や軸受けの受け持つ力などにもよりますが、軸受けを 固定する部分はセラミックなどの電気の通らないもので作ることが必須と 思います。そうすれば磁気流体への高周波の影響も減るはずです。 磁性流体が高周波電磁界に弱いのだとすると、別の方法で磁性流体に 電磁界が加わらない方法もあります。(シールドとは違います) ドリブン法などと言いますが、いろいろなやりかたがあります。質問の 文面からだけではこれ以上のことは言えませんが、シールドメーカという より電気のエンジニアに相談する必要があるように思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。 回転軸は真空チャンバー外部からチャンバーを貫通する構造です。 チャンバー外部の軸部にコネクターを設けています。 高周波電源から高周波電流はコネクターを通じて回転軸を伝います。 真空チャンバー内部で高周波電流はスパッタリングなどの反応を するために流されていると私は考えております。 磁性流体シールは真空チャンバーの端面と回転軸に接して気密シール を果しています。 回転軸に高周波が伝うと磁性流体シールに巻き付くようにして設けら れた構造のために磁界が生まれて磁性流体が不安定になると想定され ています。 軸受はチャンバー端面より内部に位置しています。 しかし、私も回転軸に高周波電流が伝えばスパークや電食が生じる のではと思っております。(アースがあれば違うのかも知れませんが) アドバイスを頂いた通りに、電気に詳しい方に相談してみます。 未だ分からないことばかりです。お手数でなければ色々なアドバイス をお願い申し上げます。 ありがとうございます。
お礼
ご回答ありがとうございます。 私自身が文系であることから、電気の知識・工学の知識も全く 持ち合わせておりません。 他の皆様のご回答を頂きながら、どの様なことを記せば良いもの か困っている状況です。 15kwの高周波は13.56MHzで回転軸を伝ってゆくとのことです。 回転軸の大気側部分にコネクターを設けています。高周波電源は そのコネクターを通じて高周波を送り込む様です。 高周波は真空チャンバーの内部で行う何かの反応のためだと私は 考えております。 スパッタリング?などの何がしかの反応のためと思います。 全くの素人なので回転軸が同軸ケーブル(その意味も私は理解して おりませんが)の様な構造であれば軸の外側には磁界は発生しない と理解しました。間違っておりますか? 私が考えているのは軸全体を磁気シールド(これも私はどの様な ものか理解していませんが)で覆われれば軸の外側に磁界が発生 しないとの方法です。 寸法などの情報は未だ得ておりません。 私自身が浅はかな知識しかない為に、勝手に思い込んでいる点が 多々あると思います。 お手数でなければ、色々なアドバイスを頂ければと思います。 本当にありがとうございます。 ありがとうございました。 ヒントを沢山いただいたお陰にて、顧客で設計をしていただくことに なりました。問題はその構造をどこで製作するかが残っておりますが 、設計に進むことができたのは皆様方のお陰です。 ありがとうございます。 今回の案件は製膜装置になります。 機械部品商社であるが故に余り詳細な知識は持ち合わせておりませんが スパッタリングを軸に高周波電流を通したいと言う要望は結構ある様に 思われます。 この案件が成立して、他の需要も産まれるならばと考えております。 知識や技術はありませんが、皆様方のお力添えを頂きましたことで 結果が出るのではと感じております。 良いものができることが、売上以上に重要だとこの『技術の森』と 皆様方に教えられたと感じています。 個人としても大変勉強になりました。 ありがとうございました。