レンズにはマルチコートと言う無機質の反射防止コートが施されています。
反射防止コートは真空釜の中で表3回、裏面は4回蒸着します。
非常に硬い膜ですが金属や石などで擦ったり叩いたりすると、その部分のコートが割れます。
眼に見えない傷でも、レンズの寿命に大きな影響を与えます。
レンズのこの傷に中性でない水分が付着すると、その液体が傷口から内部へ入ります。
マルチコートの内側は有機質のハードコート、更に奥に基材(有機質のプラスチック)があります。
マルチコートの傷口から入った液体が、ハードコートを侵します。
侵されたハードコートは膨張し、マルチコートを持ち上げます。
このストレスでマルチが割れ始め、レンズ面で反射するようになり、レンズの光の透過率が2%下がります。
ハードコートが融けた液体は更に奥へ進み、基材を侵食して正確な屈折が起こらなくなります、結果、眼精疲労を起こします。
最初の傷が着かないようにするためには以下を行って下さい。
(1)水洗いで砂や埃を流して下さい。
(2)中性洗剤を薄めた水でメガネ全体を洗って下さい。
石鹸や洗髪剤などは厳禁です。
(3)洗い終わったら水で洗剤を落として、手早く水分を拭って下さい。
全く手入れをしないと1年でメガネの機能が半分以下になります。
丁寧に扱い、上記のメンテナンスを行えば3年は平気です。
※但し、上記は国産のレンズで実験しています。
発展途上国の廉価レンズはどうなんでしょうか。