【統合失調症】について
・原因
実は、まだ明確にされてはいませんが、遺伝的因子、脳内の神経伝達物質(ドパミン、セロトニン)の過剰仮説、環境因子、心理学的因子、大脳の構造的異常など、多くの因子が絡み合って起こると考えられています。
遺伝的因子では、家族に統合失調症がいる場合は、発病率は明らかに高くなります。たとえば、遺伝子が同じ一卵性双生児の場合、一人が発症すると、もう一人も約50%の確率で発症するという研究があります。しかし、100%ではないということは、環境因子も大きくかかわっていると考えられます。ストレスの多い環境と、遺伝的な脆弱性(発病しやすい体質)が相まって発症を促すとみられています。
ドパミン過剰仮説は、脳内のシナプス間隙内にドパミンが過剰に放出されるために情報伝達の機能が低下して発症するという考えです。統合失調症の治療にドパミン遮断薬が有効であることから、この仮説が打ち出されました。最近は、セロトニンなどの関与も指摘されています。
また、CTやMRIなどの検査をすると、統合失調症の患者の大脳皮質に萎縮がみられます。とくに、側脳室の拡大と側頭葉や海馬などの萎縮が多くみられることが報告されています。
・治療法
抗精神病薬(リスペリドン、ペロスピロン、クエチアピン、オランザピンなどの非定型性抗精神病薬、ハロペリドールなどのブチルフェノン系抗精神病薬、クロルプロマジンなどのフェノチアジン系の抗精神病薬など)が中心的に用いられます。必要に応じて、作業療法や生活技能訓練、デイケア、訪問看護、集団精神療法などが組み合わされます。
外来のみの治療も可能です。都会では、デイケアや作業療法施設を備えたクリニックもあり、多くの患者が通院しています。
しかし、症状が重い時や、家族のサポートが得られにくい場合などは、入院治療が安全で確実な治療環境を与えてくれます。
最近の精神神経科の病院では、環境の整備が進んでいますので、入院治療も受けやすくなってきています。
・治りにくい、または再発を繰り返す病ではありますが、自分で治すと言う事も大事です。
正しい治療をして行けば必ず完治する病気です。
自分の考え方、前向きにしないと駄目ですよ。
治療は長引くかも知れませんが、長期に渡っても焦らず克服して行くのが大切です。