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ゴッホが受験勉強した神学部受験の難易度と労力
- ゴッホが受験勉強をした当時の神学部受験の試験難易度や勉強にかける労力について、医学部との比較も考えられる。
- 当時の大学は法学部、医学部、神学部の構成が主流であり、神学部受験は聖職者になるための必要な勉強であった。
- 受験科目の多さや複雑な文法、代数、幾何などの勉強があり、ゴッホも挫折を味わったとされている。
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日本の(欧米と比べるとレベルが低いと見做されている)神学部を卒業した者です。 恥ずかしながら、ゴッホが神学部受験を志していた、というのは初耳でした。ご教示感謝いたします。おっしゃる通り、欧米では神学部は「エリート」学部ですね。神父や牧師のステータスも日本と比べ物にならないぐらい高いです。たまに仕事で作業着のローマンカラー(詰襟みたいなエリですね)のシャツを着用することがありますが、欧米人、韓国やフィリピンなどのキリスト教が盛んな国の方たちからは、尊敬のまなざしで見られていることに気が付きます(そんなに立派な人物じゃないのに)。 ちょっと調べてみましたが、ゴッホの目指していた大学は「アムステルダム自由大学(VU)」のようですね。世界大学ランキングで「101~150位あたり」、オランダの国内ランキングで「5~8位あたり」。日本では「大阪大学」が、だいたい同じぐらいのランキングのようです。神学部の世界ランキングだけでいうと、VUはなんと世界ランキング7位(イエール大学より下、(この業界では有名な)デューク大学より上)。これも知りませんでした。かなりの驚きです。(まあ、ドイツの神学部が1つも10位以内にランクインしていなかったので、ちょっと信用がならないランキングという気もしないではありませんが)。 VU出身の世界的に有名な神学者もいるようですね。ヘリット・コルネーリス・ベルカウワーとか。名前しか知りませんが有名です。 当時の受験の難易度については、今より難しかった、ということだけは確実に言えますが、現在の要求水準はWebサイトには明記されていませんでしたので不明です。しかし、入学後の勉強はかなりたいへんですよ。ギリシア語、ヘブライ語、ラテン語などの古代語は必須(場合によっては、アラム語、コプト語などの訳の分からん言語も習得する必要あり)。海外の伝道を志している場合は、現地の言語の習得も絶対です。 今はデータベース化されているので、文献から目的の情報を見つけ出すのは簡単ですが、古代から現代までの膨大な著作を読まなくてはなりません。教会での実習なんかもあります。現在の大学院に進むことも求められます。教授の研究の手伝い(これこれの文献のナニナニという項目を全部書き出すように、という人海戦術)や自分の論文執筆などもたいへんです。オランダはどうか知りませんが、スイスなんかだと、定期試験の試験官が他大学の教授で、情け容赦なく口頭試問されるとも聞きました。現代のアメリカの神学生の大半はメンタルの薬を服用しているという報告もあるぐらい、欧米の神学部は過酷です。 日本の神学部でさえ、入学は他の学部と比較すると簡単なのですが、東大京大ICUの大学院を修了してから入学したという方がゴロゴロいて、研究レベルそのものは、同じ大学の他学部と比較しても、実はそん色ないどころか上という状況なんですよ。 まあ、医学部はもっと過酷なのでしょうが、それでも特にゴッホ当時の神学部は、かなり過酷だったといってもよいと思います。 わたしの知っている範囲ですが、ご参考になりましたら幸いです。
お礼
丁寧なご回答を頂き、ありがとうございます<(_ _)> エリートで、難易度も高く、入学してからも何年も大変な勉強…。 傾向としては現在の医学部受験の世界と似てますね…。 あとは程度の話ですが、特にゴッホ当時の神学部なら今より難易度は高かったであろうということで…、なんとなく良い意味でも悪い意味でも、現在の医学部受験志向の家庭にありがちな風景を勝手にだぶらせてます…。 ゴッホの家系自体、地位、家系、名門とかにこだわってるように見えますし、なんとなく行間からゴッホについてあることないこと憶測できそうです…。 実際に神学部を卒業されている方からの詳細で正確な情報で大変助かりました!