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安い水性ペンキ
アクリル絵具の代わりに 水性ペンキで大きいキャンバスにヒラ塗りで 描きたいと思っています。 アクリルガッシュと同じぐらいの品質で 値段も同じぐらいの水性ペンキ、ご存知ないでしょうか?
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- moritaroh
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>アクリルガッシュと同じぐらいの品質 >値段も同じぐらい ...であれば、水性ペンキではなくアクリル絵具でいいのでは? まず、品質について。 水性ペンキは、ほとんどがアクリル絵具と同じでアクリル樹脂と水のエマルジョン構造によってできているもので「塗料としての品質」はそれほど変わりません。 強いて言うなら、水性ペンキの中でも「屋外用」として売られているものは、アクリル絵具よりも雨や紫外線に強いため、どちらかと言えば「塗料としての品質」は上、と考えることもできます。 この「塗料としての品質」は、長期間経っても塗料がはがれ落ちず、また速乾性であることや、一度の塗りで下地が透けずにちゃんと色が塗れること...などでしょう。 さて、次に値段について。 たとえば1リットルのアクリル絵具(ターナー社のものやリキテックス社のもの)に対して、一般的な水性ペンキの方が40%~60%くらい割安です。 なぜ安いのか、と言うと、先に述べたように「塗料としての品質」はむしろペンキの方が良いものの、「色の品質」は各社の絵具の方が数段上だからです。 絵具の場合、色は、通常は顔料(鉱物を粉状に砕いたもの)か顔料化する工業的な工程を経た染料(主に植物由来のもの)が使われますが、ペンキはほとんどが染料のみです。 顔料は言わば宝石であり、自然下でも限られたものですが、染料はその多くが植物などからつくられるため、計画的に生産できるのです。 顔料と染料の違いで言えば、実際には色としての鮮やかさだけを見れば染料の方が上なのですが、耐候性(紫外線による劣化や退色など)の面では、顔料の方がほぼ不変不動であるのに対し、染料は場合によって数ヶ月くらいから色が褪せ始めてしまいます。 もっとも、絵であれば、壁画でもない限りはあまり屋外や直射日光の当たる場所には置かないと思われますが、品質と価格には以上のような関係があります。 余談ですが、油性のペンキはほとんどが染料とアルキド樹脂からできており、油絵具(顔料+植物由来の乾性油)の代用とすることもできます。しかし、先に述べたアクリル絵具と水性ペンキの関係と同様に、塗料としての品質と色の品質の原材料による特性の違いがそのまま価格に反映されます。 長くなってしまいましたが、どこのメーカーのものでも、屋外用の水性ペンキを購入すれば特に問題ないと思われます。 ただし、ペンキは絵具よりも粘度が低いので、アクリル絵具のようなネットリ感を期待するとしたら、画材屋で売っている炭酸カルシウムの粉末を混ぜて粘り気を調整すると良い(あまり混ぜすぎると色の彩度が下がったりひび割れの原因となります)と思います。 なお、炭酸カルシウムは、海で貝殻(はまぐりやカキなど)を拾ってきて粉状になるまで擦り潰せば、日本画で言う「胡粉」として自作することも可能です。