もう何年も前のことですが、雨がシトシト降るなか道を歩いていると、突然背後で「キャー!」という女性の悲鳴が聞こえたのです。驚いて振り返ると、女性の後を男性が追いかけ、抱きかかえようとしている。もちろん、女性は抵抗しています。
これはストーカー事件!と思って慌てて男性を引きはがしました。しかしそのときにその女性と男性が言い合っている様子から、どうも2人は「ストーカー男とその被害者」というのではなく、「カップル」のような気がしてきたのです。そこで私は男性を抑えながらその女性に「姉さん、この人は君の知り合いなの!?」とデカい声で叫びました。自分でいうのもなんですが、私の声はよく通るのです。
ところがパニックになった女性はちょっとイッちゃった目で彼に何事か叫んでいるのですが、視界の中に私が入っているはずなのに、ちっとも私に気づいていない。パニックで何も目に入ってないようなのです。すると男性が先に段々落ち着いてきて、ふと彼らの手元を見ると二人ともお揃いの大型封筒を持っていてそこには「ハローワーク」と書いてあったのです。
なんとなく事情を察した私は彼を解放しました。すると彼は落ちていた傘を拾って何事もなかったかのようにその女性と相合傘で立ち去って行きました。もちろん、すいませんの一言もなければ女性からは何の反応もありませんでした。おそらく、彼女は私がいたことに最初から最後まで気づかなかったと思います。以降、私は男女の痴話げんかには関わるまいと誓ったのです。
この話を現役の警察官にしたところ、「男女の痴話げんかは、そんなのばっかりですよ」と笑っていました。もうね、どっちもどっちなのです。弁護士の友人も、「離婚事案は本人たちのいうことが二転三転するからできればやりたくない」といっていました。私の昔の友人でも、彼女と同棲していて別れ話が出ていたある日、仕事から家に帰ってきたら部屋の中がまったくカラッポだったということがあるそうです。彼女が勝手に荷物を持ってどっかに出てったそうですが、ついでに彼のものまで全部持っていったそうで。別れる男のパンツなんて要らない(持っていけばその分荷物になる)はずだって思いませんか?まあ、その男もその男でイロイロ問題あるやつなんですけどね。
男から殴る蹴るの暴行を受けて警察に逃げ込んできて、もう耐えられない逮捕してくださいと被害届を出すから男の身柄を拘束したら、彼が会社をクビになったと逆ギレされたなんてことはしょっちゅうなのだそうですよ。本当、お巡りさんもごくろうさまだと思いますね。
ひとつ皆さんが勘違いしていることがあります。警察は、犯罪者を捕まえることが仕事であって、安全を守るのはあくまで「公共の」なのですよ。女の子が犯罪者に襲われないようにするところまでは面倒見切れないのです。
小金井で起きたアイドル襲撃事件では、彼女が事務所に所属していて、その相談を受けてマネージャーが彼女を車で送り迎えして会場で警備の目を光らせていたら未然に防げたかもっと軽傷で済んだ可能性は高かったと思っています。被害者に対して可哀想な言い方になってしまうけれど、ああいう仕事をしていて身辺警備の出費をケチってしまった結果でもあると思うのですよね。
仮にストーカー規制法で身柄を拘束したとしてもですね、実刑がついても重大な犯罪でない限り数年でまた社会に戻ってくるのです。今回の犯人も、殺人未遂罪ですから基本的に「5年以上の懲役」です。非常に重い罪になるとは思いますが、それでも10年くらいではないかなと思うのですね。今回の犯人が「反省」するとはとても思えませんけれどもね。
お礼
>警察は、犯罪者を捕まえることが仕事であって、安全を守るのはあくまで「公共の」なのですよ。 わかります。 ご回答ありがとうございます。