- ベストアンサー
ポール・マッカトニーの海賊盤の売り方とライブ映像の不正規発売について
- ポール・マッカトニーの海賊盤が売られている理由とは?音楽業界の最新情報に疎い50代のオヤジが教えてください。
- 2013年の日本公演の模様が正規品ではないのに、海賊盤で売られている理由とは?権利関係にうるさい彼らがなぜ黙っているのでしょうか。
- 過去のライブ映像がテレビ放送されていたのになぜ正規発売されなかったのか?ポール・マッカトニーのライブDVDが見たい50代のオヤジに説明してください。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
貴方の「権利関係にうるさい」という認識は、 一体どこから来たのでしょう? ビートルズの作品が配信サービスメディアへの楽曲提供を 許さない時期が続いたから?もしくは映像作品を余り製作 してこなかったためでしょうか。 まず第一に、ビートルズほど権利関係に寛容だったバンドは いません。 冷戦期の東欧諸国やキューバ、中国といった社会主義国、 軍事政権下にあったアルゼンチンやチリなどの南米諸国、 更にはアフリカなどでもビートルズの海賊盤は、常に大衆の 人気商品であり続けました。 上記のような国々では、正規の輸入盤が入手し難く、かつ 高価であったため、独自の編集盤やコピー商品が出回って きましたが、政治体制の移行後もそうした商品を排除する ことはしてきませんでした。 権利関係にうるさいのではなく、複雑なのです。 EMI傘下のParlophoneとのレーベル契約を破棄して アップルを設立した際のごたごたは御存じでしょうが、 現在でもジョンの権利を継承したオノ・ヨーコとの間で 係争中の部分があり、Paulが許可なしに演奏できない 曲があるともされています。 ジョージについても同様で、初期のビートルズは 契約上レノン=マッカートニーとして殆どの楽曲を 生み出してきましたが、ジョージは携わった作品に クレジットを入れることが出来なかったということが 後に明らかにされたため、妻オリビアが過去に起きた クレジット変更の申し入れを撤回していません。 また、マイケル・ジャクソンが版権を買った際の軋轢は つとに有名ですが、これも相続人への権利委譲などを含め、 権利関係を更にややこしくしているのです。 そして、何故海賊盤が売られているか?野放しなのか? という問いに対する答えを出すとすれば、需要があるから。 更にいえば、その海賊盤が正規商品の売り上げに何ら影響を 及ぼさないからです。 2013年の日本公演が放送されたのはBSスカパーでしたが、 この日本公演に限らず、多くの公演がYOUTUBEで観られることは 周知の事実です。 こうしたライブ映像は今や多くのアーティストにとって 規制すべき対象ではなく、重要な販促ツールとなっています。 何故なら、日本のみならず音楽ソフトの売り上げは世界的に 大幅な減少に歯止めがかかっていません。 欧米諸国や日本など主要諸国の売上額でいえば、90年代後半 の半分以下にまで落ち込んでいます。 そうした傾向の中、ソフトではなくライブでの収益確保に 転換しているのが、現在の音楽シーンです。 フェスティバルの乱立、同一会場での連続公演契約の流行り などは、その最たるものでしょう。 ライブに足を運んでもらうには、視聴できる映像が沢山 あった方が良いのは自明の理です。 観た人が「このようなステージなら、このパフォーマンスなら、 こんなセットリストなら」行きたいと、単純に心を動かされるからです。 では、何故正規に出さないのか?という点ですが、 そこはコストの問題とアーティストとしてのプライドが 関わってきます。 各公演で毎度DVDを制作するにはカメラや音響などを含めた 部分で余計な費用が生じてきます。 ステージ脇のモニター用としてTVカメラは常に入っていますが、 映像作品として残すとなればカメラを追加し、音をどこから どう拾うのかも問題となります。 当然、そうした作業はポールのツアークルーが行うのではなく、 多くはツアー先のメディアが担当する訳ですが、彼らも全ての 権限を委ねられて自由に素材を使用できるはずもありません。 スカパー!では今回の武道館公演を放送すると発表しましたが、 彼らがライブ映像を流すだけでなく、DVDソフトまで 作って売ってしまっては問題になるというのはお分かりになるでしょう。 それに日本人にとっては、思い入れのある地での公演が 掛け値なしに素晴らしいものとして記憶されるかもしれませんが、 本人にとってはどうでしょう。 ライブは生ものです。 常に変化し、良い時もあれば悪い時もあるのです。 例えば27日の公演では、ポール自身が最も演奏するのが 好きだと公言している曲、ヘイ・ジュードで音響トラブルがあり、 顔をしかめる場面がありました。 仮にこの日、DVD制作用のクルーを入れていたとしても こうした歓迎しないハプニングがあった公演を作品化したいと 思うでしょうか? ポールでなくとも、その答えが否であることは明白です。 多くのアーティストが世界中で自身の公演に撮影許可を出し、 数多くのメディアが映像作品を仕上げています。 ですが、アーティスト本人が最高だと思えるものは 幾つあるでしょうか。最高のものだけを世に送り出したい、 ベストなパフォーマンスをファンにみてもらいたいと 考えるのが自然なことでしょう。
その他の回答 (1)
- donguri_boy
- ベストアンサー率28% (653/2293)
おそらく海賊版の出所は中国だと思いますが、地方の農村でコピー作業を行い、販売ルートはしょっちゅう変えて尻尾を掴ませないのでしょう。
お礼
長文で、丁寧なお答え、ありがとうございます。よく理解できました。 ご指摘のように、海賊盤その他を排除することに経済的メリットがあればとっくにやっていますよね。 それをそうしない理由はわかりました。 ただ、日本国内いやおそらく外国でもそうでしょうが、非正規品の製造、販売を行うのは闇勢力でしょうし、彼らの資金源になることを当局が放置しているのは釈然としませんね。ま、興行の世界はもちつもたれつ、そして国家権力すら彼らと持ちつ持たれつでしょうから、アンタッチャブルになっているのかもしれませんね。重ねてお礼申し上げます。