え、なんで腹が立つんですか?
何か向こうに言質を与えたのでしょうか?
あなたが仰る通り、ただ「ニヤニヤ笑っているだけ」のどこが悪いんでしょう。
私にはニヤニヤ笑っているだけでも目的は最大限果たされたと思えますよ。
つまり無料で効果は抜群というわけです。
逆に「歴史認識を勉強するのはお前だ」なんて言ったら、完全に失策です。愚かしいと言うほかない。
国際政治は現象面だけ見ていきり立っても意味がありません。
まあそうやって憂さを晴らすのも精神衛生にはいいでしょうが、あなたのように裏を読もうとしない国民ばかりなら、舛添氏ならずとも政治家は笑いが止まらないでしょう。
政治には表と裏があります。
普通、表と裏は真逆の関係です。そうでなければ表裏が存在する意味がありませんから、当たり前です。
ではここで裏は何かと言えば、関係改善の意思はないという意思表示です。
だって具体的に関係改善策を提示したわけじゃないですからね。
では、この訪韓にどういう意味があるのか。
まずこの訪韓は舛添ブレーン(つまりは官僚と結託している東大卒産官学閥)および政府の意向を受けたものと考えられます。その根拠は首相の『言葉』を持って行ったから。
でも公式に政府の代理人として行ったわけではありません。その根拠もまた首相の『言葉』であって、『親書』ではないからです。
これが舛添氏ではなく政府特使となると逆効果になります。政府特使だと関係改善の具体策が無ければかえって不自然だからです。
非公式でも日本から韓国に使節を派遣することは宣伝効果は満点です。
政府(総理)が日ごろ言っている「対話のドアは常にオープン」の証拠になるからです。
でも、それだけです。非公式だからこそ何ら言質を取られる恐れがない。
だからいいのです。
逆に、日本は譲歩しませんよと暗に示しているのです。
具体性は何もない。でも諸外国、特にアメリカには十分な説得材料です。
日本からはこうやって出かけて行って話しかけているんですよ。でも韓国は聞く耳持たずに同じセリフの繰り返しなんです。そのうえ向こうからは来やしない。困ったもんですね。
という報告が出来ますからね。
韓国も日本の意図は百も承知です。
だから本当は会いたくない。
でも、会わなきゃなおさら悪者にされるから仕方なく会ってしまう。
きっと地団太踏んでいるでしょう。
外交は戦争の一形態です。
そして戦いは先手必勝です。
特にこの場面では仕掛けることが出来たほうが有利になるのは明らかです。
逆に、これまで韓国(主にメディア)で関係改善機運が盛り上がったり、会談の席を設ける様な話が何度か出てきましたが、そのたびに日本側で靖国参拝だの閣僚発言だのがあって、再び日本憎しの感情が燃え上がっています。日本政府による燃料投下は狙い澄ましたようなタイミングですし、消化活動も完全鎮火しないよう注意深く行われています。
ところでこの訪韓、舛添氏にとっては表面的にはメリットがありません。
行く前から国民のこういう反発は容易に想定できました。
国民の反感を買ってまで、都知事の任務外の行為をする必然性は無いのです。
それでも行った以上、舛添氏にとっても何らかのメリットがあったはずです。
外務省と政府に恩を売ったというのはあると思いますが、きっとそれ以上の美味しい部分があったはずです。
それは数十年すれば明らかになるかもしれないし、ついぞ闇の中へと消えてしまう取引なのかもしれません。
別に明らかになる必要はありません。だって明らかになったからと言って国益に利するわけではないのですから。
舛添訪韓は将棋で言えば相手の香車の上を歩で叩いたような感じでしょうか。
韓国としてはこの歩を取らざるを得ないけれど、取れば日本の大ゴマに取られた上に、成りを許すことになりかねない、というわけです。
舛添氏を叩いてはしゃぐのもいいですが、舛添氏のニヤニヤ笑いの半分は(きっと訪韓に反発するであろう)愚かな日本国民向けと思うと、喜んでばかりもいられないと思いますよ。
お礼
どうも有り難うございました。このように解釈できる人がうらやましいです。