何を幹部とよぶかですが、管理職でお話しておきましょう。
ごく一般の呼び方でいうと、係長とか課長あたりからですね。
管理の仕事をするのですから。
それに対して、主任というのは、管理職ではない単なるリーダーですけど、管理職候補です。
なぜかというと、そのまま活動を続ければやがて係長になっていくから、「候補」にほかなりません。
副主任は、管理職候補ではありません。主任候補であるだけです。
ですから一般社員はなにの候補でもありません。
何十年もたてばいまの新人社員でも役員や社長になるかもしれませんが、社長候補などとは呼びません。
候補、というのは、ずっと先ではなく、次のステップでそうなるということです。
どういうニュースかわかりませんが、上記の例でいえば、主任から残業手当を出さないようにしようという話でしょう。
残業手当が出るでないというのはどういうことかというと、こういうことです。
ある仕事が8時間でできるだろうとみなして課長がA君にそれを指示したとします。
お客様には明日お届けしますと約束してしまったとします。
対外的には明日ものを渡すことは義務です。
8時間はたらいてA君が完成できなかったとします。
そこで残業を頼み、追加4時間使ってでかしたとします。もちろん課長はそばにいて様子を見ています。
お客様には約束を守れました。
A君には4時間分の残業手当を払うハンコを課長がついてくれます。
さて、製造原価でいうと、8時間と考えた原価が12時間になりましたから、1.5倍かかっています。
お客様に約束したお値段は変わりませんかが、利益率が落ちました。
この責任は誰にあるかというと、課長ですね。8時間でできると踏んだ責任です。
だったら課長はA君につきあって4時間残業したところで、残業手当を受け取れる筋合いはありませんね。
これが、管理職に残業手当がない理由です。
管理するというのは適性なスケジュールを作りその工程で仕事がまわるだろうということをすることです。
だったら、残業の発生は自分がかぶるべき損失です。
さて管理職候補のたとえば主任はどうかというと、明日は管理職としてそういう責任を負わなければいけない。
だったら、リスクというものを体験しておくべきではないか、ということが、候補に残業手当を出さないという根拠になっているわけです。
あくまで議論ですから、そうするのが正しいとか誤っているということではありません。
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