知っている限りのことで真面目にお答えします。
ヒトラーやナチスは一度も社会主義の思想に傾倒したことはありません。
なぜ党名に「社会主義」がついているのかですが真意はともかくも彼の、
思想はイタリアのムッソリーニの考えからきたものです。ムッソリーニは
最初は社会主義思想に共鳴するのだけどすぐにその考えを捨てます。で、
彼は社会主義の集団主義とそれとは別の個人より
国家が優先されるという全体主義の思想を
結びつけたファシズムを創始しました。確かに
ムッソリーニの運動を支えたのは低所得者など
の民衆ですが、経済面で大きな基盤になったのは
財界でした。現実にファシズムの活動の第一は
工場でストライキをする労働者を暴力で鎮圧する
事でしたから、ファシズムが労働者の味方ではなく
財界の味方であることは明らかです。いわゆる
左翼政党は少なくとも労働運動を基盤にし彼等の
利益を口にするわけですからその点でもファシズムは
左翼とは正反対です。
ヒトラーはそうしたファシズムの完成形を取り入れた
のだから当初から左翼とは正反対の位置にたちます。
第一次世界大戦後、英仏の過重な賠償に苦しむドイツ経済。
同時に世界一の民主主義の水準を誇ったワイマール体制。
労働者は世界一保護されているけれど経済は危機、そして
ドイツ共産党の勢力が日増しに伸びる中、当然の如くナチズム
(=ファシズム)は姿を見せ武装蜂起に失敗しながらもついには
国会で第一党になりました。ナチズムの支持基盤は没落する
中産階級、低所得層、そしてやはり財界です。
確かに貴君がナチズムを左翼と見なすのは一理あります。
(1) 支持者の層がある程度、共産党と重なる。
(現代日本で共産党と公明党の支持者層が重なるのと似ています)
(2) ヒトラーとソ連のスターリンが共通利益で手を結んだ。
(第二次大戦中ですからどの国も思想とは関係なく利益でつながり
ます)
(3) ソ連だって労働者の利益と言いながら実際にはナチズムと同じ
スターリンの独裁政治だった。
もう1点考えることがあるのですが長くなるので省略します。
少なくとも左翼は労働者の利益を主張します。それに対置して
国家(及び国家経済を支配する財界)利益を第一におくファシズム
ナチズムは思想において正反対で民族主義の右翼といえます。
補足
市民団体に右翼団体って存在するんですか? 市民団体は世界市民から来てるんだと思ってましたが