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路線電化と蓄電池駆動電車の優劣&コスト差は?
一部電化路線に直通する運用がある非電化路線という共通点のあった栃木の烏山線と愛知の武豊線は前者が蓄電池駆動電車EV-E301系の導入(車両のアップグレード)、後者が路線の電化(設備のアップグレード)という形で別れましたが、この二方式だとどういう面で長短があり、コストパフォーマンスでどれくらいの差がつくのでしょうか?
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鉄道会社に依る電化等の考え方は様々です。本州の旅客、貨物の考えはこの内容です。 <JR東日本> ハイブリッド気動車の導入に関しては小海線の線形の関係から決めましたし、蓄電池駆動電車の烏山線に関しましては短距離であるので決めました。烏山線の場合は仙台地区の東北線、仙石線の乗り入れのケース(短絡線が非電化で関係する線区の電化方式も異なる)のテストを兼ねての導入ですから何れは架線を延長し、直流電化をする予定です。 電化方式が在来線では東北線、常磐線の一部以外は首都圏の電化は直流、東北圏の電化は仙石線以外は交流が基本であり、常磐線以外の在来線では特急形式を除いて直両流電車を持たず、気動車で対応の考えです。 <JR東海> 武豊線の直流電化は短距離ですが、東海道線等との名古屋駅を中心に他線区(中央線、関西線)との乗り入れ併結が関係しますので決めました。新幹線以外は全てが直流ですので電化は全て直流になり、交流はありません。 <JR西日本> 新幹線以外では交流電化は北陸線だけですので、新幹線が金沢駅まで開業する際に直接関係しない路線まで第三セクターにしたいと富山港線を富山ライトレールに転換しましたが、城端線、氷見線、大糸線のエリアに関しましては反対に遭い、断念しました。これは交直両流車を制作する費用を抑えたいだけの考えであり、敦賀駅及びその先まで延長されると交流電化は在来線から消えます。 <JR貨物> 線路を借りているのが大半ですから関連する旅客鉄道(北海道、東日本、西日本、東海、四国、九州)に逆らえないのが現状であり、それに対応する機関車を持たないといけない運命にあります。青函トンネルに関しては交流の副電圧対応の機関車に制限され、制作費用は馬鹿になりません。
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- kuma-gorou
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同じ回答では能がないので、 電化・非電化の損益分岐は、輸送密度6,000人/日と言われています。 勿論、数字だけで、メリット・デメリットは語れません。 JR東日本は、小海線にもハイブリッド気動車(キハE200形)を実験的に投入しています。 蓄電池駆動電車も、その一貫として、今後の鉄道車両の有り方を探る新たな試みと捕える事もできます。 方や、武豊線の2008年度輸送密度は、9,156人/日。また、名古屋方面への通勤・通学路線でもあり、名鉄とも競合区間にあるので、実験要素ではなく、堅実な電化を選択したものと推測します。
- こげ まぐろ(@koge-magu)
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鉄道会社で電車運転士をしております。 ◇蓄電池方式の車両にする。 【長所】 ○電車方式による高加速度で時間短縮しやすい。 ○気動車と電車とではメンテナンスの方法が異なります。電車が殆どのエリアで1支線だけ気動車というのは、その支線の為の設備や予備部品の確保が必要(部品の共用化が出来ない) ○電車と気動車とでは必要な免許(動力車操縦者運転免許)の項目が異なる。気動車を動かすための免許、運転士が必要。 【欠点】 ○蓄電池方式なので航続距離が短い(長距離路線には導入できない)。 ○車両重量が重くなる。 ◇電化する。 【長所】 ○都市圏の路線の電車がそのまま乗り入れてくる。 ○気動車より電車の方が加減速能力が高いので、時間短縮効果がある。 ○気動車と異なり、電車は減速時にモーターを発電機として使い電気を発生して架線に戻す(回生ブレーキ)事が出来るので、エネルギーを転用する事が出来る。 【欠点】 ○変電所の整備など、お金が掛かる(電化するのが非経済的だったから非電化だったのですから、当然決断するのは相応の理由が必要) ○架線柱など、設備が必要。 >コストパフォーマンスでどれくらいの差がつくのでしょうか? 烏山線の事例は導入されたばかりで、まだ比較できるような状況ではありません。 優劣は読みかねますが、優劣よりも導入出来るのか出来ないのか、それが実際の所になります。 蓄電池電車は航続距離と車両重量の重さが欠点で、バッテリー容量をどうにかしないと短距離路線でないと導入出来ない。 電化するには、それ相応の路線収入が必要です。利用客の数も一時間当たりの列車本数も。 本数が少なく、電車にする事によってもたらされる利点が少ないから気動車な訳ですから。
- ultraCS
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JR東海が蓄電池車両の開発を行っていなかったからでしょう、蓄電池車両を試験していたのはJR東とJR九州です。 優劣ですが、単純に車両だけ比較すれば電車の方が蓄電池を積まない分軽いです。ただ、電化の設備が必要になるという点である程度の輸送量がないと電化のメリットは出ません。 そこを考えて蓄電池車両の開発を行ったJR東日本とJR東海の考え方の違いが出たのだと思います。 そもそも、JR東海にとって、蓄電池車両で運用できるような短区間は武豊線の他には名松線(本音は切り捨てたかった)と太多線くらいしかありません。非電化区間として高山線や紀勢線は距離が長すぎ、参宮線の場合は、区間内運転ならいいですが、メインは名古屋まで行く快速みえですから、これを蓄電池車両で置き換えるのは走行距離的に無理があります。 と言うことで、JR東海としては新たに蓄電池車両を導入するより、電化するかディーゼルのままという選択をしたのだと思います。