締切済み

モテ旦那その3

2014/01/20 22:01

10年ぶりに会ったIちゃんは眩しかった。今や二児の母、10年の月日は感じたけど眩しすぎて直視出来なかった。俺はIちゃんと結婚するはずだった、と言うか結婚してもおかしくなかった、と言うか俺の気持ち次第でどうとでもなった、Iちゃんは俺にぞっこんだったからだ。（こう書くと又始まったよって言われそうだが最後まで聞いてほしい、長くは書かない） Iちゃんは三十路近かった、焦っていた。だから100パー俺にぞっこんと言う訳でもないのは解っている。Iちゃんは大企業のOL、俺は零細会社生産部門のトップ、Iちゃんの廻りにはいないタイプの男だったのだと思う。結局煮え切らない俺を見限りどこかの誰かといっしょになった。俺はこれで良かったと思った、俺なんか選ばないで正解だと思った。 Iちゃんは俺を許していると感じた、昔の通りの接し方だった。元々女っぷりをプンプンさせるタイプじゃないから、でも少女っぽい可愛さ、理知的でもあり、でももうお母さん、それがたまらなかった。俺はこの人のその心の広さに救われた格好となった。居酒屋とバーでの数時間、俺は自制するのが精一杯だった。心のデカさと言えばウチの家内、何回か紹介しているように並はずれた度量の持ち主。一方で俺がもし他の女性と親密になっても一線超える勇気は俺には無いと達観している。一体どこからそう言う自信が湧き出るのだかは知らない。だがもし、もし俺が、もしかもだが、もしも、もしそうなったら・・・・・。いや、よそう。止めておけ、そんなことは・・・・・。・・・・・。・・・・・。（えっ、長い？もう少し、あともう少しですから）お察しの通り俺はこの二人の女性に甘えている。ズルい、無責任、なんとか又許されると思っている。 Iちゃんとは又会おうって言って別れた、今度はGWにでもって。そしたらもうすぐだ。俺から言ったのではない、Iちゃんの方から言って来たのだ、俺はそれに合わせたのだ。意気投合したのだ、だからIちゃんの方だって。でもそうなったら俺は・・・、俺には・・・、俺には自信が無い、押え通す自信が、もう俺には・・・、なぜ故に二人の女性を同時に不幸にしなければならないのか？これがモテ旦那のつらいところだ、俺はどうしたら・・・・・？俺は・・・・・？