こんにちは。
開発費や生産コストを(流通コストもですね)小額に抑える事ができるからです。
大口径のスピーカーを作るには、振動面積が広いので、
同じだけ振動板が動けば空気圧の総量は面積に比例して大きくなり、
それに負けない強度の振動板を作れば厚みを増やさなければならないので、振動板の重量も更に増え、
それを小口径と同じように動かすには強力なマグネットが必要になり、
一個あたりの重量も数倍に増え、
ユニットの組み立てやキャビネットへの取り付け作業が力仕事になり・・・
などと、あれこれ面倒でコストアップの積み重ねとなります。
特に最後の重量は、片手で持って支えて作業するには5Kg以下にする必要があるので、これに該当するのは20~25cm程度までです。それ以上の重量になると二人掛かりとか慎重に作業を進めるなどと、効率が悪くなります。軽いほど作業効率が良いってことですね。
また小口径スピーカーなら同じユニットを使いながら、トールボーイ/ブックセルフ/センタースピーカーなどとシリーズ展開する事ができます。
システム自身の重量も軽量化・小型化でき、設置床面積も少なくできます。(企業側も倉庫量や運搬量に影響します)
特性面からも、
20cmを2個使えば、20×√2=28 となり、28cm口径と同じ振動板面積(28cm相当)にできます。(25cm2個なら35cm相当)
その他、説明面倒なので省略しますが、縦に並べた場合ウーハー高域の水平指向性の改善(逆に横に並べると欠点となる)とか、ツイーターとの位相・距離問題など、小口径ならではの利点があります。
欠点としては、高能率の(同じアンプ出力に対して音量が大きい)システムは設計しにくい事が筆頭にありますが、現在の生活様式ではあまり欠点とも言えないでしょう。
些細ではありますが、20cmを4個を縦横に並べて使えば40cm相当になるものの、40cm一個よりも広い面積に分散せざるを得ませんので、周辺特性は40cm一個より悪く(問題点が多く)なります。振動板は横方向に広げない方が良い、トールボーイスタイルが多くなるのは、床面積の利点だけではありません。とてつもなく大型化した業務用のスピーカーでも現在は細長く積み上げる方式になっています。
おおまかに以上ですが、
特に、部品一つずつが軽いので生産し易いのと、『同じユニットを使いながら、トールボーイ/ブックセルフ/センタースピーカーなどとシリーズ展開』と、縦並べに使う限りにおいては比較的良い特性を出しやすいという3点が『小口径ウーハーを複数使用するメリット』になるでしょう。
お礼
皆様の回答で多いのが、「反応がいい」っということですので、私の先入観で音が重いと感じてしまっているのかもしれません。 非常に明確な回答ありがとうございました。
補足
非常にわかりやすい回答ありがといございます。 生産性、種類が多く作れる、トールボーイならば特性がいい。 だとすると、音質面だけとれば複数のウーハーを使う必要はないのでしょうか。家庭で使用する場合においては。 みなさんの回答をみると「小口径のほうが反応いい」っという意見が多いように感じますが、私は逆で20cm×2発のウーハーや25cm×2発のシステムを聴いたとき、「低音が弾まない」「重たい」っと感じます。100万円ほどのDALIのスピーカーでも60万円を超えるJBLのスピーカーでも、同じ印象でした。 低音はたっぷりでているとは思います。 でも本当にメーカーが言うように、小口径ウーハーを複数使用することで、大口径なみの低音がでて、かつ小型スピーカーのような反応を得ることができるのかなぁ。っと首をかしげてしまいます。 fostexのような磁石が強力で、軽い振動板なら、効果もあるのかと思いますが、小型スピーカー用に作られた重たいウーハーをいくら並べても、反応が早くなるどころか、大きなウーハーよりも反応が鈍るのではないかと思っています。 私の先入観から、重たく聴こえてしまうのかもしれませんね・・・。