関係性を明白にして回答します。
>グリーン上で、ボールをマークする際に
ボールはグリーン上にあり、インプレーだった。(マークされる前だった)
>マークが落ちて、ボールに当たり、ボールが少し動いてしまった
プレーヤーの持っていたボールマーカーが当たって、ボールを動かし、そのボールマーカーはプレーヤーの携帯品だった。
>拾い上げようとしたのはプレーヤーで、ボールを動かす意志(故意) は、なかった。
ゴルフ規則 18-2 プレーヤーやパートナー、またはそのキャディーや携帯品により
18-2 a 通則
規則によって認められる場合を除き、プレーヤーの球がインプレーの場合で次のときは、プレーヤーは1打の罰を受ける。
(i)プレーヤーかパートナー、またはそのどちらかのキャディーが次のことをしたとき。
●球を拾い上げたり動かしたとき。
●故意に球に触れたとき(アドレスの際にクラブが球に触れたときを除く)。
●球の動く原因となることをしたとき。
と、あります。
上のふたつの条件は、プレーヤーやパートナー(スリーサムやフォアサム・ベストボール・フォアボールのプレーで、同じサイドの味方のプレーヤーのこと)、またはそのどちらかのキャディーの故意によって動かされた場合です。
3番の条件は、偶然でも、故意であっても両方に罰が課せられます。
3番目の条文が今回問題になるようです。
今回該当するのは次の項目でしょう。
(ii)プレーヤーやパートナーの携帯品が球の動く原因となったとき。
球が動かされた場合、その球はリプレースされなければならない。ただし、プレーヤーがストロークを始めたあとや、ストロークのためにクラブを後方に動かし始めたあとに球が動き、その球をストロークしてしまった場合を除く。
ただ、例外があります。
なお、次のような状況で、プレーヤーが偶然に自分の球を動かしても、規則上罰はない。
●砂に被われている球を探しているとき、球を捜索、または確認している際にハザード内で動かされたルースインペディメントをリプレースしているとき、ウォーターハザード内の水の中にある球を探っているとき、あるいは障害物や異常なグラウンド状態の中にある球を探しているとき(規則12-1)。
●古いホールの埋跡やボールマークを修理しているとき(規則16-1c)。
●距離を測っているとき(規則18-6)。
●規則に基づいて球を拾い上げているとき(規則20-1)。
●規則に基づいて球をプレースしたりリプレースしているとき(規則20-3a)。
●パッティンググリーン上でルースインペディメントを取り除いているとき(規則23-1)。
●動かせる障害物を取り除いているとき(規則24-1)。
この中で該当しそうなのは、4番目と5番目の項目。
●規則に基づいて球を拾い上げているとき(規則20-1)。
●規則に基づいて球をプレースしたりリプレースしているとき(規則20-3a)。
です。
>ボールをマークする際
とのことですから、5番目の項目の「プレースしたり」には当てはまりません。
プレースとは、元の場所以外のところに置くことです。
では、「リプレース」なのかというと
これも該当しません。
「リプレース」とは、元の場所に置くことですから。
本題はここからです。
4番目の項目「規則に基づいて球を拾い上げているとき」の最後に(規則20-1)とあります。
そこには
20-1 球の拾い上げとマーク
規則により拾い上げる球は、プレーヤーかパートナー、またはプレーヤーの認めた人が拾い上げることができる。その場合、プレーヤーはどのような規則違反についても責任がある。
リプレースを要する規則により球を拾い上げる場合は、拾い上げる前にその球の位置をマークしなければならない。マークしなかったときは、プレーヤーは1打の罰を受け、その球はリプレースされなければならない。リプレースされなかったときは、プレーヤーは規則20-1の違反に対して一般の罰を受けるが、規則20-1による罰(1打の罰)を追加する必要はない。
規則により球を拾い上げたり球の位置をマークしているときに球やボールマーカーが偶然に動かされた場合、その球やボールマーカーはリプレースされなければならない。その際、球やボールマーカーの動いた原因が球の位置をマークしたり、球を拾い上げる行為そのものに直接的に結びつけられるときは、罰はない。それ以外のときは、プレーヤーは規則20-1または規則18-2aにより1打の罰を受ける。
例外:プレーヤーが規則5-3や規則12-2に従って処置しなかったことに対して罰を受けた場合は、規則20-1による罰(1打の罰)を追加する必要はない。
注:拾い上げる球の位置は、ボールマーカー(小さなコインや同様の物を含む)を球の真後ろに置いてマークするべきである。ボールマーカーが他のプレーヤーのプレー、またはスタンスやストロークの妨げとなるときは、クラブヘッドの長さ1つかそれ以上横に移すべきである。
と、ボールを拾い上げて、マークするときの注意すべきことが述べられています。
今回当てはまるのは
規則により球を拾い上げたり球の位置をマークしているときに球やボールマーカーが偶然に動かされた場合、その球やボールマーカーはリプレースされなければならない。その際、球やボールマーカーの動いた原因が球の位置をマークしたり、球を拾い上げる行為そのものに直接的に結びつけられるときは、罰はない。
です。
詳しく見てみましょう。
「規則により」とは?
16-1 b 球を拾い上げてふく
パッティンググリーン上の球は拾い上げることができ、ふくこともできる。球の位置は球を拾い上げる前にマークしなければならず、拾い上げた球はリプレースされなければならない(規則20-1参照)。他の球が動いているときは、その動いている球の動きに影響を及ぼすかも知れない球を拾い上げてはならない。
と、ありますので、
今回はグリーン上にあるボールですから
マークして、拾い上げることができ、リプレースすれば科罰されないことになります。
拾い上げてもいい人は?
「プレーヤーかパートナー、またはプレーヤーの認めた人」
です。認められればキャディーも当てはまります。プロの観戦に来ていた来場者も該当しますが、実際にはボールに手を触れることを禁止しています。
「球を拾い上げたり球の位置をマークしているときに球やボールマーカーが偶然に動かされた場合、」なのか?
これもそのまま該当します。
「その際、球やボールマーカーの動いた原因が球の位置をマークしたり、球を拾い上げる行為そのものに直接的に結びつけられるときは、罰はない。」
ここの判断が違うと科罰されることになります。
また、この条文には携帯品という文言が入っていないことにお気づきになると思います。
「直接的に結びつけられるとき」の詳しい判断内容がゴルフ規則裁定集 20/1-5 にあります。
20/1-5 規則20-1と規則20-3aの中の「直接的に結びつけられる」行為とは
質問: 規則20-1と規則20-3aの中にある「直接的に結びつけられる」行為とは、具体的にどのようなことを指すのか。
回答: 規則20-1について言えば、プレーヤーの手が触れたり、ボールマーカーやクラブを置いたり球を拾い上げたために球やボールマーカーが動いたような場合、球の後ろにボールマーカーを置いたこと、球の横にクラブを置いたこと、球を拾い上げたことなどが「直接的に結びつけられる」行為に当たる。
規則20-3aについて言えば、プレーヤーの手が触れたり、球やクラブを置いたりボールマーカーを拾い上げたために、球やボールマーカーが動いたような場合、ボールマーカーの前に球をプレースあるいはリプレースしたこと、クラブをボールマーカーの横に置いたこと、ボールマーカーを拾い上げたことなどが「直接的に結びつけられる」行為に当たる。
どちらの規則のもとでも、プレーヤーが上述の行為をとる直前やとった直後に、例えば球やボールマーカーを落とすなどして(どの高さから落としたかは関係ない)、球やボールマーカーを偶々動かしても、そのようなことは球やボールマーカーを動かしたことに「直接的に結びつけられる」行為とは言えない。したがって、プレーヤーは1打の罰を受ける。
(2000年追加)
とあります。
携帯品であるボールマーカーを落としてボールを動かした行為は
「直接的に結びつけられる」行為とは言えない。
ですので、結論は、今回は1打罰になります。
あくまで、これは規則によって拾い上げが認められている場合のみです。
ハザード内はもちろん、スルーザグリーンで拾い上げられないときは該当しません。
また動かしたのは誰か、何なのか
マッチプレーなのか、ストロークプレーなのかでも変わってきます。
動かしたボールはもとの位置に戻すこと
リプレースをお忘れなく
55歳、男性です。
お礼
>「直接的に結びつけられる」行為とは、具体的にどのようなことを指すのか。 >回答: 規則20-1について言えば、プレーヤーの手が触れたり、ボールマーカーやクラブを置いたり球を拾い上げたために球やボールマーカーが動いたような場合 「直接的に」結び付けられるは、マークする行為をさすのですね。 解釈が間違っていました。 回答有難うございます。