#1のJzamraiです。
ご質問にあるBLOG記事で使われている「バックドア」という用語について、少し補足説明しておきます。
今回発見されたのは、メーカー(ELECOM)内部の人間が、後のメンテナンスやトラブル対策等のために「一般には公開せずに作った秘密の入り口」的なものだと思われます。
このようなケース自体はよくあることで、行為自体は正当化されてしかるべきですが、もちろんきちんとした管理と最低限のアクセス制限(推測の難しいIDとパスワード設定)を行うべきものだと思います。
「所有者が知らない秘密の裏口」という意味では、いわゆる「トロイの木馬」等を利用した悪用目的の「バックドア」と同じ事ですので、その様な表現になっているのだと思います。(今回は完全な第三者が悪用目的で忍ばせたものが発見されたわけではないと言うことです。)
しかし、バックドアの存在が周知の事実となってしまった以上、今後も該当機種全てが「Fixされる予定の無い脆弱仕様」を抱え続けるわけで、そういった意味では大問題だと思います。
ところで、「具体的に何が危ないのか?」がピンと来ないかもしれませんので、下記に追記しておきます。
無線LANでよく話題に上る「盗聴」の問題はルーターの脆弱性にかかわらず存在しますが、今回の話は全く別の危険性をはらんでいます。(もちろん無線LAN(アクセスポイント)関係の設定をいじられることもあり得ますが。)
<<具体的な被害の可能性>>
●ルーター(ファームウェア)を乗っ取られ、「バーチャルサーバー」「DMZ」「ポート・フォワーディング」等の機能の設定を”有効”に変更される。(各機能の内容はルータのマニュアルにあります。)
↓
上記の機能は内部のPCの一部または全てを「外部に公開」したり「外部からのアクセスを許可」する場合に利用されるものですので、意思に反して「有効」にされれば当然危険です。
ただしこの様なケースでは、PC自体の不正利用を行おうとした段階で、お使いの「パーソナル・ファイアーウォール」などで発見・遮断できる可能性が高いと思います。
●ルーターのファームウェアを悪用目的のバックドア付きのモノに変更される。
↓
ファームウェアの更新が可能なわけですから、悪用者しか知らないバックドアを仕込まれてしまう可能性も否定できません。
これは#1で書いたように「一度更新(または上書き)」することで解消できるでしょう。
外部からのファームウェア更新機能の入り口に簡単にパスワードを設定できるのか否かが私には確かめられていないのですが、もし可能なら今後の被害の可能性を低くするためにも「強いパスワード設定」は必須となるでしょう。
しかし、不安を抱えたままでは、せっかくのルーターの有用性(外堀として安心感を高める役目)が大きくそがれることになるわけで、根本解決のためにはやはり「買い替えが必要」という事になるのだと思います。(クラッカーによる個人への直接攻撃(不正侵入)の数は微々たる物だと思いますが、やはり精神衛生上良くないと思いますから。)
以上、補足まで。
それでは。
お礼
丁寧に説明して頂いて、本当にありがとうございました! エレコムに電話しても1日不通の状態ですが、メーカーの対応には疑問と言うより腹が立つばかりです。 ルーターはファイヤーウォール的な機能を期待して購入したのですが、まさかこのような裏切りのような危険がメーカー自身によって作り出されていたとは信じがたいです。 即買い換えることにします。素朴な疑問なんですが、こういうのは犯罪にはならないんでしょうか・・・精神的なダメージが大きいだけでなく、もしかしたら、もう既に実際にパソコンが筒抜けなのかも。パーソナルファイヤーウォールは警告を出していないので、大丈夫なのかも?、でもとても心配です。