私の大好きな音楽アーティストといえばB'zなのですが(汗)、彼らが好調期を迎えた頃、そのメンバーのひとりが、写真週刊誌にプライベート問題を糾弾される事件が起きました。
B'zファン友達の中には、報道内容に心理的ショックを受け、“彼を見る目が変わってしまった”“彼の曲はもう聴きたくない”と嘆く人もいました。
私はといえば、多感だった思春期、信じがたい報道内容に、まったく動揺しなかったといえばウソになります。
しかし、私は、ファンをやめる気にも、愛聴していたCDを手放す気にもなりませんでした。
私は、アーティストが手懸けた作品の中には、その人物の人間像や人生観が、少なからず反映されると信じています。
なので、まずは、作品から伝わる彼らの人生哲学を信じよう!と思いました。
報道内容は、色んな意味で、氷山の一角に過ぎない。
生きていく上で、他人に知られたくない失敗や秘密は、誰もが大なり小なり抱えるはず。
たとえ、報道内容が真実だったとしても、それは、本人にとって避けがたい事情に支配されたがゆえの、やむを得ない選択肢だったのかも知れない。
興味本位で表沙汰にされた1の結末には、興味本位では済まされない100の裏事情が潜んでいることだってあるじゃないか。
また、大物政治家や大手企業が表沙汰にされると困るような事件を抱えているとき、その目眩ましのため、芸能人やスポーツ選手のどーってことないスキャンダルにスポットライトを浴びせたがるのが、日本の報道機関の傾向。
そうした大人の事情に足元をすくわれ、命運をとざしてしまうようなら、B'zの実力は、それまでということ。
でも、その才能に惚れ込んでいるがゆえ、勝手にファンをさせてもらっている身としては、彼らの逆風に耐えうる力を信じ、応援させてもらうのみ。
そういう結論に達した私は、B'zを非難する学友たちの前でも、いつも通り、B'zの曲を聴いていました。
彼らの人格を疑っていたファンたちも、騒動の数週間後には、何事もなかったかのように、ファンに戻っていました。
(後に、B'zは、「ペンは剣よりも強いんだってさ」「公表しなけりゃノゾキだって盗聴だって自由らしい」等、当時の報道のありかたを揶揄したと思しき作品を、世に送り出しています。)
また、ファンというほどではありませんが、私はTM NETWORKの作品も好きで、CDも何枚か持っています。
数年前、メンバーのひとりが事件を起こしたとき、私は久しぶりに彼らの曲が聴きたくなって、アルバム「humansystem」を聴きました。
熱狂的ファンだった同級生の数名と連絡を取ったところ、皆、想いは同じだったようで、「不謹慎だけど、報道を見聞きしている内、当時の作品が懐かしくなって、CD引っ張り出してきちゃったよ」といった声が、あちらこちらから返ってきたのを憶えています。
社会的問題の程度によっては、アーティストの名誉が地に墜ちることで、作品の真価までもが問われてしまうことは、当然、あるでしょう。
それを「自業自得」と、せせら笑うのが、ファン以外の大衆になせる業。
そういう風潮の中でも、「犯した罪を償う必要はあれど、作品には罪はない」と、盲目的な信念を貫いてみせるのが、ファンになせる業。
私はそう感じています。
自身の経験談ばかり、一方的に書き連ねてしまい申し訳ありません。
少しでも、ご参考になれば幸甚でございます。
お礼
こんばんは。 素晴らしいご意見ありがとうございます! ところで彼らに何か問題でもありましたっけ?俺が知ってるのは「7th BLUES」のジャケ問題位?あれも実際はパクリというより「リスペクト」だったのですよね。 >「公表しなけりゃノゾキだって盗聴だって自由らしい」 ははは、稲葉さんらしい社会批判ですね~。 >勝手にファンをさせてもらっている身としては… もう完全に彼等の虜ですね~(^^) >それを「自業自得」とせせら笑うのがファン以外の大衆になせる業。そういう風潮の中でも「犯した罪を償う必要はあれど、作品には罪はない」と、盲目的な信念を貫いてみせるのが、ファンになせる業。 ↑いや、素晴らしいです。やはりそこに「好き」という感情が持ててこそだと思いました。全くその通りだと思いました。 俺はと言えば、アーティストが問題を起こしてもCDを捨てる事はないと思います。でも曲を聴く気持ちに今までに無いモヤモヤを感じるとは思います。 ところで回答者さんの名前、ファンならニヤリものですね。かなり昔からのファンとお見受け致しました 。 アーティストへの愛に満ちた信念の回答!痛快で大変参考になりました!ありがとうございました!