これは私の立場上お答えしなくてはなりません、ハァ~、しんど。(笑)
「さらば愛しき大地」柳町光男。鹿島工業地帯?でダンプ運転手シャブ中の根津甚八、秋吉久美子。暗いといっても、本当の切実さがあったので救われる気がしました。
「竜二」川島透。金子正次が脚本(鈴木明夫は彼のペンネーム)主演、永島暎子、北公次さんのチンピラの荒み方がリアルでマジかっこ良かった。身につまされます。
「ラルジャン」ロベール・ブレッソン。恐ろしいまでに厳格・非情な演出のおかげで、不条理にも殺人犯へと落ちてく主人公を直視する他無く、観客の視線は暖かくなるのかも、。
「オープニングナイト」ジョン・カサヴェテス。舞台のバックステージ物。
奥さんで女優役のジーナ・ローランズ、ある事故きっかけに精神すさみ異常になってくけど正にその舞台こそが自らを助け出すんだっけ? 劇場で見た後ロビーで、女性達だけが泣いてたのが印象的でした。暇つぶしのサラリマン達はアクビでしたね。
以下はプロット・演出に一寸無理がある感じで映画自体が荒んでると思う例。
「奇跡の海」ラースフォントリア。傑作と言われますが、最後のカタルシスシーンがTVモニターでは判りませんでした、スクリーンだと判るのかな? 主人公の落ち方も必然でしょうか?
「ダンサーインザダーク」こっちはもっとあざといと思う。何で死刑?
「悪い男」キム・ギドク。暴力団員が惚れた女子大生を娼婦に落として、でも純愛を通す映画と言うけど、?ドラマ性求めすぎてリアルさ感じません。単に不快なだけでした。韓流でもオールドボーイは悪くなかったです、ヒューモアがあったからかな? 切実さが無いのは下劣です。
暴力や不幸を描く場合、作劇上でのリアリテがないと、愚劣なだけ。落ちてく女と言ったって、実際はあっけらからんと快活な人達もいるし彼女達に失礼です。基本、娼婦差別があるのかも。確かにシャブ漬けにして売り飛ばす事はあるだろうけど、現実を見切ったレアリテが無いとNG! 輝ける闇、というものをちゃんと取材しないとダメですね。90年代以降の作家で暴力描写まともな人いますかね?
「ロゼッタ」ダルデンヌ兄弟。こちらはちゃんと現代(00年頃?)のユーロの労働事情が描けてると思い、主演女の子を応援したくなったけど、私、ハンディーカメラでブレる映像は眼痛めてるので無理。
「DEER HUNTER」マイケル・チミノ。映画は全然荒んでません。ヴェトナム後のアメリカ社会の荒みの顕われが見事。ロシアルーレット、震えたね。高倉健さんのベストとか、。
「ユリイカ」青山真治。西日本バスジャックを予言しちまったセピアカラーの傑作。荒んでても暖かい眼が、。誰の?初出演の宮崎あおいチャン?の存在感。ジムOルークの主題歌は反則だぁ~。
「ソナチネ」北野武。テメエのバイク事故自殺未遂を予言しちまったデス。登場人物の顔皆荒み方が尋常でない、禍々しい予感。美しい沖縄の日の光の下に却って輝く闇が、。映像の美しさが、あれらの亜流と違って上品です。 せめて暴力なら、聖なる、高貴なヤツにして欲しいです。
お礼
>「ヘンリー」 私もシリアル・キラーの話やティーン・エージャーの凶悪犯の話を読んだことがありますが 人間って割りに壊れやすいみたいですね。 それと、悪いことでも親がしたことはマネするんですよね。 多分、そういう風に出来てるんでしょうね。 「時計じかけのオレンジ」 ああ。これは傑作でしたね。 ある意味現代社会を予見してましたが 現実はもっと酷いことになってますね。 アレックスが出所してから橋の下を流れる川を見詰めるシーンが妙に心に残ってます。 >「if もしも‥‥」 これも良く出来てましたが「時計じかけのオレンジ」の完成度には及んでなかったように思います。 >「土曜の夜と日曜の朝」「長距離ランナーの孤独」 「長距離ランナーの孤独」は有名ですが「土曜の夜と日曜の朝」は知りませんでした。 チェックしておきます。 >「復讐するは我にあり」 ああ。これは傑作でしたね。 緒形拳はあまり好きではないんですが あの怪演に大満足でした。 観てから調べると、復讐するのは「神」であることを知り納得出来ました。 >「蜜の味」 悲惨な生い立ちだと、それなりに納得感がありますが 普通だと余計に悲惨さが際立つかもしれませんね。 人生、一歩踏み違えると怖いですね。 >「仁義の墓場」 まぁ、荒んでいると言えば彼らに勝るものはいないでしょうね。 ヤクザがその典型かもしれませんが 強烈過ぎる自尊心が犯罪に向かわせるのではないかと思ってます。 秋葉原で人を刺しまくった加藤も、作業服が無かっただけで キレてたらしいですからね。 >「シークレットサンシャイン」 「息もできない」なんかを観ても韓国が日本の戦後まもない時のような 荒んだ部分があるように感じますが 「報われない感じ」は相当あるでしょうね。 「少女ムシェット」 「ラルジャン」の監督なんですね。 是非観たいです。 >「バルタザールどこへ行く」 トリュフォーが「この映画は美しい」と褒めたんですね。 観たいですが、レンタルされてないようですね。 >「ビフォアーザレイン」 これはTSUTAYAにありましたのでリストに入れておきました。 >「処女の泉」 この監督は大好きで、この作品も有名ですが観てませんでした。 この際、観ておきます。 仰るようにこの監督には透徹した厭世感があるように思います。 >「エレファント」 これはリストに入れてました。 アメリカは定期的にこんな事件が起こりますよね。 日本でも銃が手に入れば絶対起こりますね。 沢山のご回答ありがとうございました。