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PALとNTSCの違い
PALとNTSCの違いを教えていただけないでしょうか。 それぞれの特徴、メリットデメリット、使用用途など、分かればお願いします。 よろしくお願いします。
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用途は、テレビジョン放送用です。日本でも地上放送がディジタル化される前はNTSC方式で放送していました。 NTSCは、アメリカの標準方式(National Television System Committee) PALはヨーロッパで多く使われている方式(Phase Alternating Line) 名前の付け方がちがいますね。一方は委員会の名称、他方は機能を表したネーミング NTSCは垂直方向に525本の線で1枚の絵を表現します。(PALは、625本)NTSCの解像度を最近の表し方で言うと、720×480 相当です。 525本が480になるのは次の理由からです。上から下へ次々と線を引いて最下部に到達するとまた最上部に戻るのですが、戻るのにに時間がかかり、画面上に不規則な線が表示されますが、それでは画面がきたなくなるので戻りの間の線を見えないようにしています。そのため数十本の見えない線が生じるためです。 画面の縦横比が3 : 4 なので、縦方向の細かさと横方向の細かさを同じとすると、横方向に表現できるのは[縦の4/3] = 480×4÷3 = 720です。 NTSCは1秒間に30枚の絵を送ります。(PALは25枚)映画が24枚ですからNTSCの場合は映画より多いです。30枚の絵を2回に分けて送ります。2回目は1回目に送った線と線の中間の部分を送ります。それを昔は「飛越走査」と言いましたが、いまではインターリーブの方が通じるでしょう。(PALでもインターリーブを行います。) NTSCでもPALでも帯域を有効に使うための工夫がたくさんなされています。OKWAVEではとても言い尽くせないので、興味がありましたら文献を読んでください。 PALとNTSCが違いは、まさに、Phase Alternatingにあります。Phase Alternatingとは、カラーサブキャリア(カラー信号を変調する周波数)の送信側と受像機側の同期をとるための同期信号(各ラインの前の部分でバースト上に短時間送信されます)の位相を1ラインごとに反転させることです。NTSC/PALはどちらも振幅と位相をアナログ的に変化させる変調方式で、振幅が明るさを、位相が色相に関与します。 テレビ信号を伝送するにはマイクロ波や同軸ケーブル伝送路が使われましたが、長距離(多中継)伝送すると位相のずれが生じます。それが色の変化を引き起こすのですが、位相のずれをゼロにすることはできません。 PALではそれを視覚的に補正するのです。1ライン目がプラスの方向に位相がずれていたとして、2ライン目は同期信号が反転していますので、マイナスの方向に位相がずれたように作用します。送信側で緑の画面が送られたとして、二本の線の色ずれが反対方向(たとえば1本目は緑がオレンジ寄りになれば、2本目は緑が青寄りになる)なので、目がその平均的な色「緑」として認識し、結果、伝送路の位相ずれの影響が視覚的に小さくなります。(1本目と2本目のラインの情報に大きな差異がないことが前提です。) その他特性は大差ないと思います。 PALでは垂直方向の線の数がNTSCの525に対して625なので、2割ほど、きめが細かいと言えます。そのかわり、1秒間に送る絵の枚数が25なので、動きの速い動作ではNTSCより劣ると言えるでしょう。これをメリットデメリットと言えるかどうか? 伝送帯域幅はNTSCが6MHz, PALが7MHzと、断然NTSCの方が有利です。 伝送帯域幅横の方向のきめ細かさと関係があります。伝送帯域幅を大きくしてきめ細かい画像を送ることができるのですが、縦の方向に525本または625本の線しか表現できないので横の方向の解像度も縦方向の解像度と同等とすることにより、帯域幅が決められました。