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コラーゲンやヒアルロン酸の消化について
コラーゲンやヒアルロン酸などを含む健康食品が出ていますが、これらはどのようにして効くのでしょうか。 これらはたんぱく質なので、教科書的にはアミノ酸に分解されて消化され、吸収されるので、肉魚などの摂取と同じだと思うのですが、元の成分がそのままの形で体に取り込まれる仕組みがあるのでしょうか。 また、ビタミンや鉄分などの体内での吸収はどのように行われるのでしょうか。
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効きません。無知蒙昧な消費者が買ってくれるから売っているだけのこと。コラーゲンもヒアルロン酸も極めて分子量が大きな超高分子有機化合物ですから、それぞれ、アミノ酸・単糖といった低分子有機化合物にまで分解しないと人体は吸収することはできません。ただしコラーゲンを謳った食品がたまたま消費者が不足していたアミノ酸を補うといったことはありますから、効果そのものが全くないとまではいえません。そのままコラーゲンとして働くといったことは有り得ないと私は主張しているだけですが、その意味を勘違いされては困ります。健康食品そのものの謳い文句を私は肯定するつもりは全くないが、それが特定の栄養素が不足している消費者を助ける食品になっている可能性までは否定できないと私は主張しているのです。そういったことは当然ながら健康食品メーカーは熟知しているのですが、無知蒙昧な消費者を惹きつけるセールストークとして馬鹿馬鹿しいと承知の上で、そうした効能を謳っているわけです。 そもそも体内での吸収は、脂質に溶かすか、水に溶かすかの二者択一です。どちらにも溶けない固体は、そのままでは吸収できないから、わざわざ時間をかけて消化酵素の働きで低分子に分解している訳です。 ビタミン類は、脂溶性ビタミンか水溶性ビタミンのどちらかですから、すぐ吸収することはできます。とはいいながら脂溶性物質の吸収は水溶性物質より時間がかかります。 鉄分の吸収は、ビタミン類と違ってそれほど容易ではありません。鉄分は鉄の原子を有機物で取り囲んだ有機化合物として存在するヘム鉄か、そうではない非ヘム鉄といった化合物の形で食品から摂取していますが、イオン化されないと水に溶けません。食品にはイオン化した鉄分と結合して再び水に溶けにくい化合物を作ってしまう物質も含まれていて吸収を妨害してしまうこともあります。その代表選手がタンニンです。タンニンは水に溶ける低分子の状態もあるし水に溶けない高分子の状態もありますが、これが待ってましたとばかりに鉄イオンと結合してしまうと水に溶けなくなってしまうのです。タンニンはお茶やワインに含まれています。 鉄に限らず、ミネラル類は食品に含まれる他の物質によって消化吸収が助けられたり、妨害されたり、その綱引きの結果で最終的な吸収率が決まります。人体は消化酵素の働きでなんとか水に溶かそうと四苦八苦しているようなことをするのですが、その側からそれを邪魔してしまう物質もあるのです。 食塩と砂糖は、そのまま水に溶けますから、非常に消化吸収が良いのです。食塩は塩化ナトリウムというナトリウムの塩化物で、水に溶けるから海水に含まれていて海水魚に多く含まれています。淡水魚は塩分の濃度が低い川や湖に住むので海水魚よりもナトリウム含有率は低いです。 ちょっと話が膨らみすぎたけど、このぐらいで話は見えたでしょうか。
お礼
お礼が遅くなって申し訳ありませんでした。 大変丁寧な回答を頂きありがとう御座いました。 大企業も健康食品を扱っているのに、こんな詐欺のようなことをしているなんて不思議ですね。