教育学部出身の者です。
まず、簡単に断っておきますと、「教育学部」と一言で言ってもその中身が異なることに注意する必要があります。
旧帝大系の「教育学部」は主に教育学を研究する学部であり、教員養成を目的としているわけではありません。大阪や京都など、旧七帝大のあるところに国立の教育系単科大学があるのもそのためです。
地方国立大学は一応、すべて教員養成を目的とした教育学部です。
私立大学は大学によって差異もあると思いますので、個別に調べる必要があると思いますが、教員養成を目的とした大学でしたら、どこであろうと問題はありません。
以下では教員養成を目的とした「教育学部」ということで話を進めます。
教育学部では中等教育教員養成課程系に進めば問題はありません。高校も中学も中等教育になりますので、免許は同じです。
また、ご承知のとおり中等教育では科目ごとに教えることとなるため、一つの科目に専念すればよく、従って、文学部(国語または社会)や経済学部(社会科)、理学部(理科)、工学部(技術または工業)などの教育学部以外の学部でも、教育学や心理学といった免許に必要な単位を一定程度とっていれば、免許が取れます(無論、その分授業は大変ですが)。
小学校(初等教育)の場合は全科目教える必要がありますので、大学の教育課程も中等教育教員養成課程とは異なります。そのため、教育学部の初等教員養成系の学科でしか免許を取ることはできません。しかし、単位を上手に取れば、小中高全ての免許を取ることも可能です。(こちらも努力する必要がありますが、私の周りには幼稚園まで含めた初等・中等全ての免許を取った学生が多々いました)
確かに教育学部だと「ツブシ」がききにくいのも事実です(ゼロ免という免許を取らないコースもありますが)。しかし、就職活動で大変なのはどの学部でもあまり変わらないのもまた事実です(理系なら多少は違うでしょうが)。教育学部出身で教員にならない人も珍しくはない時代ですので、そんなに難しく考える必要もないと思います。
あと、補足ですが、高校の教員を目指しているのであれば、大学院(修士)への進学を視野に入れておいたほうが良いです。地方によって差もあると思いますが、大学院を出ていないと高校の教員採用は非常に難しくなっています。