ご質問の対象としている話が何をさしているのか、よくわかりませんが、一般論として話をします。
原発の安全対策とは、電力会社が自主的にサービスでやるものではなく、あくまで法律や監督官庁(事故当時は原子力安全・保安院)の規制に基づいて行います。東電も営利企業ですから、規制をできるだけ緩やかにしてもらい、それを最低限でクリアすることでコストを最小限にしたいと考えているはずです。その立場から意見を表明するということは、民主的に規制を定める上で、ごく普通のことのように思います。
質問者さんのおっしゃる「安全対策予算を減らすように審議会員を誘導する内容のプレゼンをした」というのはそういうことではないでしょうか。
「審議会」は「第三者組織」というより、原子力安全・保安院の一部です(正確には、原子力安全・保安院から依頼された学識経験者・専門家で構成された委員会のようなもの)。
たとえば、どこかの道路の制限速度を決めようとするとき、専門家に「この道の制限速度は何キロが適切か」を決めてもらうために、専門家を集めて「制限速度審議会」を作ったとします。宅配業者は、制限速度を低く決められると、配達に時間がかかってコストがかかるので、「60キロメートル/時」にしてほしいとプレゼンしました。住民は、安全のため「20キロメートル/時」にしてほしいとプレゼンしました。「審議会」は、こういったいろいろな意見を聞いた上で、道路の幅や歩道の有無、近くに学校があるかなどを調べ、専門家としての知識や経験から、制限速度を決めるわけです(例えば、両者の言い分を少しずつ認めて、妥協点として「40キロメートル/時」にする、など)。
宅配業者や住民が、それぞれの立場でプレゼンするのは当然のことで、何も疑問に感じることではないように思います。
規制を厳しくすれば損をする人がいる、規制を緩くすると逆に困る人がいる、といったときに、どのように妥協点を決めていくか、というのが審議会の仕事です。
いろいろな利害関係者から意見を聞く、というのは当然のことと思います。いかがでしょうか。