簡単にいってしまえば手にアルコール(注射のときの消毒を思い浮かべてください)をつけたときに冷たく感じるのと同じ原理です。液体が気体に変わる(蒸発する)時に大きな熱エネルギーが必要なので、液体のアルコールを手の熱で蒸発させ気体に変えるときに手から大きな熱エネルギーを奪っていくため、冷たく感じる(実際にも冷えています)のです。ただ、アルコールを蒸発させるような方式ではエアコンのようにいつでも冷たく(暖かく)することはできないので、アルコールの代わりに冷媒と呼ばれる物質を使用します。この物質は圧力の変化で簡単に液体と気体の両方の状態になり、外に漏れ出しても燃えたり人体に有毒な成分を含まないという事でフロンガス(一部のCO2などを使用した物を除き、現在の規制対象外の冷媒もフロンであることには変わり有りません)が一般に使用されますが、先のアルコールでも可能ですしプロパンガスなどでも可能ですが、漏れ出した時の危険性や効率のことを考えて、使用されません。
さてアルコールの例では蒸発したアルコールは空気中に分散してしまいますが、エアコンのような機器はそれでは困るので、密閉された空間で蒸発させ、蒸発したものをまた液体に戻し、また蒸発させるというように循環させて使用しています。さていったん蒸発して気体になってしまったものをどうやった液体に戻せるのでしょうか。これには二つの方法があります。蒸発したときに受け取った熱エネルギーと同じだけの熱エネルギーを奪う(すなわち冷やしてやる)方法が一つ、しかしこれではエアコンになりませんね、もう一つの方法は圧力を上げてやる方法です。エアコンではこの方法を使用していますが、圧力を上げてやると気体の温度は高くなります。温度はどの程度まで圧力を上げるかで決まりますが、この温度を空気の温度よりも高くしてやると、周りの空気によってこの高い圧力を持った気体が冷やされることになりますね。こうして高い圧力で高い温度の気体を冷やすと高い圧力で回りの空気の温度に近い液体に戻ります。この液体を冷却器に導き、小さな穴から冷却器内部に噴出せます。冷却器の出口は高い圧力を作る仕組み(コンプレッサーという一種のポンプです)の吸い込み口につながれているため冷却器の中は圧力が低くなっていて液体は一気に気体に変わるとともに冷却器の温度を下げます。ここで、気体になった冷媒はコンプレッサーでまた、高い圧力にされるということを繰り返します。
ここで冷える側の装置を室内に置き、温まる側の装置を室外に置けば冷房に、逆にすれば暖房になります。実際には装置自体を動かすのではなく、冷媒の流れをバルブによって切り替えて、どちらが高圧で高温になるか、どちらが低圧で低温になるかを切り替えています。
お礼
エアコンの仕組みがよくわかりました。 ありがとうございます。