まず地球の両極から海面が凍っていくからそっちに海水が引っ張られる理論で、海岸線が後退して陸地面積が増えるっすね。
一見すると陸に暮らす我々には嬉しい話だけど、新たに陸地になった所は基本草木が生えてないからただの荒野っすね。それに20度下がってんでしょ?しばらくコケしか生えないか、なんにも生えないから意外と意味ナシっす。
それに海岸線が大きく書き換えられるからそれに伴って海流のコースが変わっちゃう。日本や東アジアの北緯38度線上は黒潮からの暖かい湿った空気を海上から発生させているから緑豊かなステキな感じになってるけど、北緯38度線上を辿っていくと地球規模で見ると砂漠が出来る所なんだよね。っつー事は。。。少なくとも朝鮮半島やその界隈は黒潮から遠ざかるから急速に乾燥して砂漠化が進行するっすね。気温が20度下がってるからステップ気候になるのかな?下手すりゃ日本も砂漠化が進行するかもしれねえっすね。
次に考えられるのが氷の質が大きく変わる。冷え始めの氷は空気中の埃や塵が混ざってるから、埃や塵が含有してる空気も封じ込めた氷になって質量が軽い。けどずーっと20度下がってるわけだから水が凍り始める時期が2週間も続けば空気は相当浄化されて埃や塵が空気中からなくなる。イイ事に見えるけど、この時点で出来た氷は空気が混ざっていない純氷になるから驚くほど重たくなる。おそらく都市インフラはこれで壊滅するんだろうね。
上空高い所っつーとまず思いつくのが東京スカイツリーみたいな高い建築物。その中には高圧送電線も含まれてるから、まず電気が完全に止まる。次に携帯電話等の無線機局も高い所にあるか高いポールに設置している。当然これらも止まる。純氷は一旦氷着するとコンクリートか、っつーくらい硬くて重いから送電線くらい簡単に壊しちゃうよね。
完全に目と耳を奪われて、次に奪われるのは脚。クルマは動くけど道路が純氷で覆われるから動けなくなる。一番埃や塵を舞い上げてるクルマが止まるから氷の純度は驚くほど早いうちに100%に達する。ヘリコプターやジェット機のエンジンは一旦掛かれば飛行は可能だけどプロペラや羽根に純氷が氷着しちゃうと簡単に折っちゃう。よしんば飛ばせたとしても可動部分に新たな氷が付着していつエンジンストールしてもおかしくない状況になるっすわ。
こうなると人間の行動範囲は極端に制限される。都市部では生き残るのに必須の燃料や食糧は外部から取り寄せて成り立っているだけにインフラが寸断されたら生きるのが困難になる。水を確保するにも体温を維持するにも火が必要だが、薪を用意できないし、出来たとしても燃やせるスペースが限られている。いろんな地獄が待ってるっすね。
じゃあ赤道に近ければいいのかっつったら。。。そうでもなさそう。気温が20度下がって海面が下降したんだからハワイ的な楽園は期待できねえっすよ。環境が激変して、それまで採れていた農作物が育たなくなる、海面が温められないから雲が発生せず降水量が激減する、よしんば赤道付近まで避難できたとしても水が確保できずいろんな地獄が待っているっすね。
じゃあ人類は生き残れないかっつったら。。。実は氷河期に生き残った魚や水生生物って、海中温泉周辺にいたからなんっすね。っつー事は。。。人類も相当人口が減るだろうけど、温泉地周辺は生き残れる可能性が極めて高いんっすよ。少なくとも人間が生活するのに必要な熱量を放出しているからね。実際秋田の玉川温泉なんか、世界屈指の豪雪地帯のど真ん中にあって雪が積もらない所がそこかしこにあるからね。
もちろんインフラは大幅に制限されるけど、純氷を溶かして水を確保できるし、室内を暖めるだけの熱量もふんだんにあるし、で温泉地は人類救済の最後の砦になるっすね。
実はどんな絶望的な状況と思われるような環境でも、実は頭さえ使えば生き残る道ってあるんだよね。だから昔の人は「絶望はおろか者の結論」っつーんっすよ。
。。。あんまりマニアックじゃなかったかな。
お礼
御回答有り難う御座います。 いえいえ、充分にマニアックだと思いました。 詳細なストーリーで、私の想像を擽らせて貰いました。