映像を転載する場合、確かに著作権とは別に肖像権侵害の問題が生じます。しかし、著作権と肖像権は、その内容が大きく異なります。
第一に、肖像権は、著作権と異なり、法律に規定された権利ではありません。憲法第13条に規定された「幸福追求権」の解釈から判例上認められた権利です。
第二に、肖像権侵害を処罰する法律はないので、肖像権侵害は犯罪ではありません。民事上の損害賠償請求の対象となるだけです。
第三に、これが質問に対する回答として大きな意味がある部分ですが、肖像権侵害の問題は、HP作成者(HPの著作者)の表現の自由とのバランスにおいて評価されるものだということです。著作権侵害は一方的な「悪」ですが、肖像権の場合、被写体の肖像権と著作者の表現の自由はいずれも法律上保護される権利なので、対等な立場で勝負できるものなのです。
第四に、他人の肖像を掲載する場合、著作権の場合と異なり、被写体から事前に許諾を得る必要はありません(もちろん、事前に了解を得てもかまいません)。許諾を義務付ける法的根拠がないからです。(原則として、被写体に掲載の可否を事前に決定する権利はない)。ただし、無断掲載は被写体の感情を害し、問題が生じた場合、こじれる可能性はあります(掲載者はそのリスクを負担しなければなりません)。
人物画像の場合、著作権と肖像権は切っても切れない関係にありますが、両者の間には上記のような大きな相違があるので、別々の問題として対処する必要があります。
お礼
ありがとうございました。 >ですのでほとんどが無断で違法行為です。 警察はなぜ取り締まろうとしないんでしょうかね。 違法行為であっても行為者があまりに多すぎると、見逃さざるおえないってことですかね。