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第九に関する素朴な疑問
4楽章の途中で、バリトンのソリストが「そのような音楽ではだめなのだ!」と今まで奏でてきた音楽を否定し、歓喜の主題を歌います。 ですがそのメロディーは、バリトンのソリストが歌い出す前に使われていたものです。 既存の音楽を全否定しておきながら、その後歌い始める主題はどうして前と同じものなのでしょう。 全く新しいメロディーが出てくるなら、意味もわかるのですが…
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すみません、No.5です。元「No.3」ですね。間違えました。
すみません、再びNo.2です。 これまでずっと「第1楽章~第3楽章を否定する」ことが自明と思っていましたが、「第4楽章冒頭の部分だけを否定している」という意見があることに「おおっ」と新鮮な感動です。 さらに、「オーケストラだけの演奏を否定」という解釈も、なかなか意味深長ですね。 そう言われて調べてみると、いろいろな解釈ができるようですね。下記では、専門的に結構詳しく論じています。(↓) http://www.kanzaki.com/music/lvb-sym9f.html まあ、どのようにも解釈できる、ということですかね。深いですね。 でも、下記のwikipediaには、独唱者が楽章の途中から舞台に現れることに関して、NHK交響楽団の演奏会で、「『おお友よ、このような音ではない』と歌う独唱が第1楽章からステージにいなくて、そんな台詞がいえるか」というブロムシュテットの指示で独唱者も含めて第1楽章から待機することになったという逸話が載っていますので、やはり「第1楽章~第3楽章を否定する」との解釈が一般的かな、と思います。(↓) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC9%E7%95%AA_(%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3) 私の勝手な解釈ですが、ドイツ語(英語も)では、「~である、~でない(述語)」の後に「****を(目的語)」を列記するという構文ですので、オーケストラだけでの冒頭の否定形(バリトンと同じ音形)は、その後に出てくる「第1楽章~第3楽章」の否定も含んでいると思うのです。(「~ではない」がその前に述べたものを否定すると考えるのは、日本語的発想かなと思います。) バリトンによる「再提示」では、冗長化を避けるため、自明の「目的語」を省略し、文章的には「述語」を示すことで「第1楽章~第3楽章の否定」も意味しているのでは、と思います。 まあ、特にこだわりませんが。そもそも、私はNo.2に書いたように、この曲は意味・ストーリーが劇のように時々刻々流れていくものではないと思っていますので。
- uni37
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前のみなさんとほぼ同じことなのですが、もう少し細かく書いてみます。 第4楽章冒頭で、がーんと鳴る荒っぽいフレーズが出てきます。次に、チェロとコントラバスのレチタティーヴォが、なにやらごうごうと不満をいいます。このレチタティーヴォの前半のメロディーが、バリトンのソロが最初に出てくるところと同じです。ですので、直接的には冒頭の不協和音を否定しているといえます。 同時に、冒頭に続いて、木管などが第1楽章、第2楽章、第3楽章のメロディーをもちだしますが、そのたびごとにチェロとコントラバスが打ち消します。ドイツ語で「Nein, nein!」と言っているように聞こえるのは私だけでしょうか。第3楽章の主題では、優しい調べに乗せられてチェロとコントラバスもおずおずと出てくるのですが、結局は否定します。 そして、ようやく木管が第4楽章の主題を奏でると、チェロとコントラバスが「そうだそうだ」と言って(ここも「Ja, ja」と聞こえます)一緒にメロディーを演奏しはじめ、やがて管弦楽全体での演奏になります。 ところがまた、冒頭と同じ不協和音が出てくるので、バリトンが今度は言葉でそれを否定し、改めて歓喜の主題を歌い出す・・・という流れだと思います。 ですので、冒頭の部分だけを否定しているとも、第1楽章~第3楽章の全部を否定しているともとれるように思います。器楽だけでは否定しきれないので、人間の声を改めて持ってきた、ともとれます。専門家はどう分析されているのか、調べたくなってきました。 とりとめのない話で申し訳ありません。なにか参考になれば幸いです。
交響曲なので、オペラなどと違って「リアルタイム」で音楽のストーリーが進行しているわけではありません。 交響曲は、全4楽章全体で、ひとつの「思想」「理念」を表現している、ということなのでしょう。 第4楽章も、時間経過に沿って部分部分でストーリーが進行する音楽ではなく、第4楽章全体で一つの大きな構造を形成している音楽です。提示部に相当する、第1楽章~第3楽章の主題の回想と否定、そして新しい歓喜の歌、という部分を、人間の声で「再提示」するわけです。ソナタ形式での提示部の繰り返し、協奏曲でのオーケストラによる提示に続く独奏楽器による再提示などと同じです。低弦の「否定」のレシタティーヴォがバリトンによって歌詞を付けて歌われ、続いて歓喜の歌が歌詞を付けて歌われます。 歌詞の「そのような音ではなく」というのは、直前のメロディではなく、交響曲全体の構造から第1楽章~第3楽章を指している、ということです。
- rkd4050
- ベストアンサー率60% (112/184)
ソリストが「そのような音ではなく~」と言っているのは、直前に演奏されている第四楽章の冒頭部のフレーズのことです。 第四楽章の全体の構成を見るとわかりやすいのですが、冒頭部のフレーズ、第一楽章~第三楽章のフレーズを、歓喜の歌のフレーズが次々に打ち消していき、ようやく管弦楽みんなで歓喜の歌を奏ではじめたと思ったら、また第四楽章冒頭のフレーズに戻ってしまうのです。それをソリストが止めて、「そんな不協和音なんか演奏するのはやめて、みんなで歌おうぜ」ということになるわけです。
- gonshingo
- ベストアンサー率21% (51/237)
否定じゃない