Q:放射能を全く出さない原発は?
A:出来ません。
元の原理が相対性理論(E=mc^2)から来ている「質量をエネルギーに変換する」という物だからです。
もう少し補足すると、核融合にしても核分裂にしても、宇宙を含んだ自然界中では日常的に起こっていて、その中で「質量→エネルギー」の変換が起こってるんですが、原子力発電所はそれを加速させて短時間でエネルギーを取り出すだけです。
この融合・分裂の過程で一部は放射線として放出される、例えば熱、放射線等々。
なので、物理法則として「放射線が発生しない」反応はあり得ないんです。
となると、あとは漏らさない方法をどれだけ確実に出来るか?の技術論。
そして技術論(机上)から実際のプラント建設の間には、必ず想定が存在しますが、この想定は有限であるので、それを超える事象が発生する可能性はあるんです。
Q:瞬間的に完全停止が可能な原発は?
A:完全停止の定義によりますが、「瞬間的に核分裂が停止する」と定義するなら原理的にあり得ません。
先に書いたように、原子炉は「自然界中でも起こっている核分裂の速度を何千倍何万倍にも加速して短時間でエネルギーを取り出す」ものなので、元々の核分裂はどのようにしても止める事が出来ません。
Q:停止後の冷却が一切不要の原発はできませんか?
A:これなら、ある一定の条件ではありますが出来るかもしれません。
ただし、技術論に頼っちゃうんですけどね。
第四世代の原子炉と呼ばれるものに「溶融塩原子炉」という物がありますが、これは原理的に「自分で自分の炉を安全レベルまで冷やす」という風に設計できますし、その設計部分(主に配管の健全性)については非常に堅固に作ることが出来るので、実際問題は「停止後の冷却が一切不要=臨界だけを止めたら後は自分で何とかする炉」と言えるかもしれません。
ただ、別の面で問題はあります。
冷却材にレアな物質を使う(多数の発電所は作れない。)、冷却剤は放射性物質である(ただ遮蔽は容易ですし、ある種深刻にならなくてもよいタイプの放射線ですが)などなど。
ちなみに現在稼働している大半の原子炉は第二世代と言われ福島第一もこのタイプだったはずです。
1990年後半に計画が開始された原子炉は大半が第二世代と言われます。
どちらも原理は変わりませんが、耐久度や安全基準等が第二世代より少しアップしています。
補足
常温核融合の実用化は期待できますか?