こんにちは。
回答しようか迷ったのですが…
結論から言えば、出して良いタイミングではありません。
蛹を観察すると分かりますが、まず眼部(ホワイトアイはクリーム色のまま)から色付き、大腮・腿節・脛節・跗節・前胸背板と色付いてきます。
羽化するまで鞘翅は色付かず、羽化直後はセミの様に白い鞘翅です。
下翅を真っ直ぐ伸ばしたあと収納し、頭部が起きてくると鞘翅も徐々に色付いてきます。
種類によっては大腮も根元で「くの字」に折れていて、頭部を起こすと同時に徐々に真っ直ぐになっていきます。
所謂、黒虫と呼ばれる種について、鞘翅は白→飴色→赤茶色→黒と変化し、ご質問は赤茶色の段階かと思います。
因みにこういう羽化直後の個体を「テネラル(個体)」などと呼びます。
ご存知とは思いますが、多くのオサムシなどの様にテネラルで活動するのではなく、休眠期間というものがあります。
これは幼虫期の総摂餌量の関係もあります。
休眠期間中は摂餌せず、蛹室の中でゆっくり寝返りしたりして過ごします。
動きは鈍く触覚は畳んだまま、体内器官もこの間に形成されてきます。
休眠期間は種類、サイズ、環境によって様々です。
休眠期間を終えると自ら蛹室を破壊し、摂餌や交尾など、外で活動を始める様になります。
本来はその時期まで蛹室内で過ごさせるのが生態に沿った扱いになります。
とはいえ飼育環境下ですから、休眠期間中の乾燥などには気をつけて下さい。
もし触るのであっても2週間~1ヶ月ぐらいは触らない方が賢明かと思います。
特に慣れない内は要領が分からず、ちょっとした事で死亡に繋がる場合もあります。
例えばビンを傾け、蛹室の端から端に動かしただけでも口器や尻部から体液を流して死亡する事がありますからね。
そういった少しの衝撃でも事故の元になりますので、取扱いには充分な注意が必要です。
もう出してしまったのであれば、菌床を少し掻き出すなり他のケースに移すなりして、生体が蓋まで届かない程度のマット量にして下さい。
いざ活動を始めると蓋を挟んで脱走したり、大腮の損傷に繋がりますので。
休眠期間中は少々転倒していても問題ありませんが、出来れば寝返りがうてる形状にするか(菌床・マットが堅い状況なら筋を入れるように掘れば良いです)、掴まって起き上れる物を用意して下さい。
蛹室が比較的下部にあり、崩壊させた状態ならそのまま残してやって下さい。
因みにオオクワガタなら今年は越冬させて、来年から繁殖させた方が良いですね。
常時温度管理して越冬させないのであっても、充分に成熟させて来年から繁殖させる方が失敗が少ないです。
言うまでもなく全て個別管理が望ましいです。
ご参考までに…。