旅行関係の代金というものは、宿に限らず、とかくそのようになっています。基本的な価格はそれなりに高いのです。
しかし、高い価格ばかり付けているとお客さんが思うように集まらず、経営がおぼつかなくなるので、ときどきキャンペーン価格を出すのです。安い価格を出す側にとって効率がいいのは、集客力のある旅行会社に対して「これこれの大人数を集めてくれたら、一人あたりの価格をここまで安くしますよ」という条件を出すこと。
つまり、一人あたりの儲けは少なくなりますが、大勢来てくれるという保障が生まれるので、最終的にはそれなりにお金が稼げるし、また、人が大勢来てくれる分、宣伝になります。具体的には、「お、あの宿は、あんなにお客さんを集めてる」と評判になって宣伝になると同時に、来てくれたお客さん一人一人が、帰宅後に友人知人に良い感想を言ってくれれば、口コミで宣伝になります。
また、例えば宿代なら宿代を安くする代わりに、土産物や食事での儲けを見込んでいる場合も少なくありません。特に、儲けを度外視しているのは「宿」だけではなく、そのバス旅行を手配する「旅行会社」もギリギリでやっています。それでわざわざバスを土産物屋に寄らせて、土産物屋からマージンをもらったりするのです。
この仕組みに限って言えば、べつにズルいことをやっているとか、客が不利益を被っているということでは全くありません。12000円を出して、2~3人だけで行けば、人数が少ない分、それだけのんびりできるし、余裕のある接客も見込めると思います。
ちなみに、安い価格しか払っていない人へのサービスを区別するとか差別するということは、しないはずですし、また、してはいけないことになっているはずですが、業者も人間ですから、何かあれば「安いツアーの客なのに」と、つい、思ってしまいます。したがって、私なら、安い特別価格で行っている時には、できるだけ文句やワガママを言わないようにしているというか「ハプニングも楽しみのうち」くらいに思うようにしています。
お礼
大変詳しく教えていただいて、本当にありがとうございました。 旅行にまつわる様々な仕組みについて興味深く読ませていただきました。 今まで車でしか旅行には行ったことがなかったので、大変勉強になりました。 妻とも話していたのですが、バスのパック旅行も安くて楽でいいですね。 又機会があったら、大いに利用することにします。